SSブログ

私にも妻がいたらいいのに [2004年 ベスト20]

私にも妻がいたらいいのに」(2001年・韓国)

 「ペパーミントキャンディー」、「シルミド」のソル・ギョング主演作。
 日本の評論家は「ただの平凡な映画」とこき下ろし、劇場公開もされなかった作品なんだけど、僕はこの映画すごく好きです。
 まずタイトルがいい。適齢期にある平凡な男のありがちな願望ではあるけれど、誰もなかなか口にしない言葉をそのままタイトルに持ってきたセンスは悪くない。というのもタイトルだけで一体どんな映画かある程度の想像がつくし、派手なタイトルじゃないところが余計な期待をさせなくていい(笑)。
 そもそも恋愛が始まるときってドラマほど劇的じゃないし、そういう意味でこの作品は「リアルな恋愛模様」を描いているところがいいんです。そこが平凡で面白くないと評される要因なんだけど、そんな批評をする人たちはきっと「月9」のことをフツーに面白がっている人たちだと思うな。
 もちろんこの作品は過剰なバカドラマじゃないから、激しい曲のイントロもスタートしないし、主役のはっ!とした顔がアップになって、あわててドアから飛び出しもしない(笑)。どちらかというと動きは少なくて、リアクションも小さい。その普通さ加減が絶妙なんです。
 これは綱渡り並みの難しさだと思うんだけど、綱をうまく渡るための技術は「役者(特に女優)の力」と「ドラマ的なお約束の排除」でしょうか。
 テレビドラマの場合は時間の制約があるから、「ドラマ的な偶然」がいくつも用意されちゃうんだけど、偶然を必然にさせた舞台設定もこの作品は巧かった。
 唯一残念だったのは(ここから一瞬ネタバレです)、主役の銀行員が監視カメラのテープをチェックする理由と、その説明がなかったこと。
 それはさておき、僕個人が一番良かったと思うのは、このタイトルを意外な形で台詞として言わせた脚本です。まさか君の口からこの台詞が出るとは!と、ちょっとしたサプライズがあって作品に対する好感度がアップしました(笑)。
 まだまだ純粋な恋愛に憧れているすべての人に僕はこの映画をオススメしたいと思います。
 地味だからこそ面白い一本。

私にも妻がいたらいいのに

私にも妻がいたらいいのに

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2004/07/02
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(2) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 2

こんにちは。おこがましくもTBさせて頂きました。^^;
監視カメラの件、言われてみてそうですよね。
ちょっと説明不足かも。それに彼が確認したのは食事を断った後日の、
彼女がカメラにむかった話してるテープだけですけど、その前にも入院していて
彼が銀行をお休みしたときとかのもあったけれど、そっちには
触れてなくて寂しかったなーと。
あと、バスに忘れた傘を彼女が自宅に持って帰ったはずなのに、
最後の方で相合傘のシーンの時にはなぜが彼の手に戻ってましたね。
いつのまに?って感じで。私はあの傘をいつどうやって彼に返すのか
気になっていたんですけどね...。(笑)
ほんとはもっと他のシーンもあったけれどカットされちゃったのかな?と
思ったりします。まあそんなことはおいておいて、
ともかく、おっしゃるように地味でも面白い映画!でした。
by (2005-08-12 13:03) 

ken

パンプキンさん、コメントありがとうございます。
カットされたために、話のつじつまが合わなくなる(処理しきれない)ことって
多々ありますね。
傘についてのパンプキンさんの指摘は驚きました。僕は全然気がつかなかった!(笑)
by ken (2005-08-12 13:10) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

恋愛適齢期殺人の追憶 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。