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男と女 [2005年 レビュー]

男と女」(1966年・フランス) 監督:クロード・ルルーシュ

 今頃観るなよ、と誰かに突っ込まれそう(笑)。
 でも今の年齢で観たからこそ、この作品の良さが理解できたんだと思う。
 妻に自殺されたレーサーと、スタントマンの夫を目の前で失った女。寄宿学校にいる互いの子供を通じて知り合った2人の恋の行方…。
 たとえば「恋愛適齢期」もそうだったけれど、酸いも甘いも経験した大人だからこそ、本当の味わいが判る。「男と女」はビターだけど、とてもスイートな作品です
。正直こんなに素敵な映画だとは思いませんでした。
 クロード・ルルーシュの撮影もいい。カメラワークと画面構成が作品の質感を上質なものにしている。予算の関係で安いキャメラしか借りられず、そのキャメラはフィルムを回すと大きな音を発してしまうために、監督は俳優のモチベーションを考慮してカメラ位置を遠ざけたシーンがいくつかあるという。まさかそんな事情があるとは露知らず(笑)、海岸のシーンなどはあまりの美しさに感動をしていました。
 互いの子供を交えて4人で食事をするシーンのアヌーク・エーメが美しい。しかもモノクロームの映像(インドアはモノクロ、アウトドアはカラーで撮影されている。これも予算の関係だそうだ)が、プライベートフィルムのような印象も与え、結果的に俳優の演技であることを忘れさせる効果も効いている。
 また個人的にはフォードF40の映像と音にやられました。あんなに魅力的なエンジン音だったなんて…(笑)。
 これは35歳以上のすべての人にオススメする本当に素敵な作品です。


男と女 特別版

男と女 特別版

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2005/02/25
  • メディア: DVD

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phantom

はじめまして
今はレンタル店でいつでも借りてみれますが、以前は名画座を追いかけて何度も見に行きました。
ルルーシュやジャン・ルイ・トランティニアンは実際モータースポーツ好きは有名ですが、描かれる車のシーンは映画と割り切ってやっていたのか、いつも見ながらつっこみを入れたくなります。
当時のモンテカルロラリーのシーンになつかしいラリーストの名前が出てくるのが泣かせます。

アヌーク・エーメはほんとに素敵ですよね!!
ストーリー自体は陳腐なラブストーリーなのに何度も見てしまいます。
by phantom (2005-02-28 16:21) 

ken

phantomさん、ようこそ。
名画座を追いかけたのは僕も同じ。
その昔は「ぴあ」こそが、僕の行動を決める唯一の動機でした。
ちなみに「男と女」 スーパーハリウッドプライスで出荷されたので
買ってしまいました。
¥1575で買えるなんていい時代になったもんです。
by ken (2005-02-28 18:13) 

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