マルコビッチの穴 [2004年 レビュー]
「マルコビッチの穴」(1999年・アメリカ) 監督:スパイク・ジョーンズ 脚本:チャーリー・カウフマン
ま、「アダプテーション」とは順番が逆になっちゃったんですけど、観てみたわけで。
ま、「アダプテーション」とは順番が逆になっちゃったんですけど、観てみたわけで。
そもそも僕は不条理コメディというものがあまり好きではなく、それが決定的になったのは確か18歳のときだったと思う。
飯田橋にあった「佳作座」という劇場で「モンティパイソン・アンド・ナウ」と「空飛ぶモンティパイソン」を観たことが原因になっている。
それはもっと子供の頃にマンガ「がきデカ」を読んだとき以上のショックで、がきデカの展開もそうだったのだけれど、特にモンティパイソンの場合は僕の中にあった「常識」を遥かに超えていたために、目の前で繰り広げられる事態をまったく理解することが出来ず、途中で頭痛と吐き気をもよおしたのだ(実際に劇場で吐いた気がする)。
佳作座にかけられていたモンティパイソンの映画は3本立てだったけれど、前出の2本しか観ていない。いや正しくは2本目の途中で劇場を出たので、3本目のタイトルは記憶にない。
不条理コメディは子供に見せるものじゃないと、つくづく思ったものだ。
けれど、「マルコビッチの穴」は素直に楽しめた。「そんなことあるわけないじゃんという否定は、ここではナンセンスだ」と思うことも出来た。
個人的なことに言い換えるなら「ちょっとした成長」である。
しかし、ちょっと待て。この「マルコビッチの穴」を僕が素直に楽しめたのは、これが「大きな嘘」であるからだ。
かつてここにも書いたけれど倉本聰さんの言葉がふと蘇る。
「ドラマを作る上で大きな嘘はついてもいいが、小さな嘘はついてはいけない」
人形師という設定は上手いと思った。ストーリーが固まる頃、後から思いついたアイディアかもしれない。だけどこの設定がドラマにリアリティを持たせている。特に後半はこの味付けが効いてくる。
「7・1/2階」という発想も天才的だ。
天井が低い理由も強引なこじ付けが劇中でされているけれど、この小さな嘘はスパイスが効いていていい。
天井が低い理由も強引なこじ付けが劇中でされているけれど、この小さな嘘はスパイスが効いていていい。
そして何より、マルコビッチ自身がマルコビッチの穴に入ったところは意外性があって笑える。エンディングも深い。
ちょっと変わった映画を探している人にはオススメ。と、言ってもこれを今頃見たのは僕が最後かも知れないけどね。





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