SSブログ

私の家は山の向こう [本の雑談]

私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実

私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実

  • 作者: 有田 芳生
  • 出版社/メーカー: 文芸春秋
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本

 傑作。
 映画の原作にしたいほど実に優れた作品だった。
 もともと有田さんがテレサ・テンに関する本を準備中であることは知っていた。けれどその事実を知ってから本作が出版されるまで、あまりに時間がかかりすぎた。
 先月。書店で平積みされたこの本を僕は目撃していた。しかし素通りした。
 テレサ・テンと有田芳生を結びつける記憶がすでに欠落していたからだ。
 記憶の回路を繋いだのは、雑誌「Invitation」の書評だった。この書評が本作の優れているところをすべて書いてくれている。

 【いまだに台湾から出稼ぎに来た演歌歌手というとらえ方をされたりもするテレサ・テンだが、中村とうようら音楽評論家による再評価によって、戦後のアジア全域を代表する大歌手であった彼女の全貌が浮き彫りにされつつある。本書はその白眉とも言える一冊だ。先行する評伝も何冊かあるが、それらと本書が一線を画しているのは、中国(中華圏)の近現代史とのかかわりの中でテレサを描いた点にある】(テキスト:大須賀猛)

 テレサ・テンをリアルタイムで聴いた僕には驚きの内容が綿々と、しかし淡々と綴られている。
 これは音楽評論家には到底書くことの出来ない、有田芳生さんの渾身の仕事です。
 特にテレサ死後の章は、テレサの名誉回復に奔走する有田さんの執念を見ました。
 僕と同世代の人にはオススメ。
 繰り返しますが、傑作です。


nice!(1)  コメント(9)  トラックバック(1) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 9

Silvermac

初めまして、ご訪問いただき有り難うございます。昨年の旅で、愛媛の懐の深さを知りました。テレサ・テンは好みの歌手でした。宇和島、宇和町、大洲とアップしましたのでお暇な折にご覧下さい。
by Silvermac (2005-05-27 18:24) 

keiko-nari

本とは関係ありませんが・・・
つぐない・別れの予感・愛人が大好きで十八番です。
いや-最近歌ってないな-
はっはっは
by keiko-nari (2005-05-27 19:11) 

ken

>SilverMacさん
 ようこそ。またお邪魔しに行きます^^

>keikoさん
 テレサのCD、買いに行こうと思いました。
 ぜひどんどん歌ってください。でもカラオケ印税は誰に入るんだろう???
by ken (2005-05-27 19:32) 

テレサ・テンさんはドラマティックな感じのする人ですよね…美貌しかり、歌声しかり…スキです♪これは読んだことがないのでさっそく♪♪
by (2005-05-28 05:43) 

ken

今、テレサ・テンを演じられる女優さんがアジアにいるかなあ?と
思いながら一気に読みました。
中国の歴史にお勉強にもなりますよ。
by ken (2005-05-28 12:46) 

chicory

はじめまして。偶然、自分のブログでも感想をアップしたので、お邪魔しました。
良い本ですよね。有田さんは綿密な取材をされているなあと思いました。
こっそり映画も好きなので、またお邪魔しますね。
by chicory (2005-06-02 01:38) 

ken

shinさん、ようこそ。
映画もお好きなら、テレサ・テンの歌が引用された映画「ラブソング」をオススメ
します。マギー・チャン主演の味わい深い恋愛ドラマですよ。
by ken (2005-06-02 11:43) 

coco030705

おはようございます。
このコメントを読んで、時間があるときにこの本を読みたいと思ってました。
今朝、たまたまNHKの「週間ブックレビュー」を見ていたら、この本をとりあげていました。さすがkenさんだと思い、余計なことですが、お知らせしておこうと思った次第です。
by coco030705 (2005-06-05 08:56) 

ken

coco030705さん、こんにちは。
NHKにそんな番組があることすら知りませんでした(笑)。
民放じゃ出来ない、NHKらしい番組ですね。
そこで取り上げられたことがどれくらいすごいことかは判らないんですけど
(出版社と作家にとっちゃ売り上げがアップするからすごいことか!)
時間があったらぜひ^^
by ken (2005-06-06 13:15) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。