バンジージャンプする [2005年 ベスト20]
「バンジージャンプする」(2001年・韓国) 監督:キム・デスン 主演:イ・ビョンホン、イ・ウンジュ
面白いタイトルです。個人的にはこのタイトルに90点。
でもこのタイトルでは内容がまったく分からない。イ・ビョンホンとイ・ウンジュの2人が映るパッケージ写真を見れば、この2人の恋愛ドラマかと思いますが、話はそんなに単純じゃありませんでした。
主役2人のどちらかのファンで、恋愛モノが嫌いじゃないという方は、この先を読まずにまずはご覧になってください。きっと自分の恋愛観を見つめ直すことになると思います。
すでにご覧になった方と、どんな内容なのかを知りたい方はネタバレ覚悟で続きへどうぞ。
この作品のテーマは輪廻転生。あるいはソウルメイト。
物語の前半は1983年のソウル。同じ大学に通うインウとテヒの恋愛が始まる過程を描いています。しかし「過程」と言いつつ重要な要素がいくつか抜けた展開になっている。僕はそれを「大胆な端折り方だなあ」と思いながら観ていたのですが、実はこれ、後半に向けての「姿なき伏線」なのでした。
やがて兵役に出るインウを「駅まで見送る」と約束しておきながら姿を見せなかったテヒ。
このエピソードをはさんで物語は2000年まで時間を流すことになります。
高校の国語教員になっていたインウは、別の女性と結婚し子供にも恵まれた。しかしインウはテヒのことを忘れたわけじゃなかった。
ここまでは良くあるハナシ。
ここからがこの映画最大のポイントです。
初恋の女性を忘れられずにいたインウは、何故か自分のクラスの男子生徒に心惹かれるようになる。それはいったい何故なのか?
「生まれ変わったら一緒になろうね」と話した(らしい)郷ひろみと松田聖子は「きっとまた自分自身に生まれ変わる」と思っていたのだろうか?あるいは「僕は男に」、「私は女に」再び生まれ変わると思っているだろうか?
では仮に、心から愛した女性が男に生まれ変わっていたなら、それでも愛することが出来るのだろうか?
深いです。
実に深い愛の試練だと思います。
「そんなことあり得ないじゃん」で済ませてしまう人は、きっとこの作品の評価も低いでしょう。
でも、大切な友人を不慮の事故で亡くし、彼の生まれ変わりといつかどこかで巡り逢えるはずだと信じている僕には、激しく心揺さぶられる作品でした。
この映画を「気持ち悪い」という人もいると思います。
僕も途中までは「正直しんどい」と思いました。ついでに「どうやって物語を着地させるんだろう?」と心配もしました。
ところがクライマックス(駅からホームへ繋がる一連)で見せた見事な編集のおかげで、偏見は消えたような気がします。
これも「究極の愛のかたち」です。
こんな映画があってもいい、とエンディングで泣きながら思いました。
最後にあらためて、イ・ウンジュさんのご冥福を心からお祈りします。
面白いタイトルです。個人的にはこのタイトルに90点。
でもこのタイトルでは内容がまったく分からない。イ・ビョンホンとイ・ウンジュの2人が映るパッケージ写真を見れば、この2人の恋愛ドラマかと思いますが、話はそんなに単純じゃありませんでした。
主役2人のどちらかのファンで、恋愛モノが嫌いじゃないという方は、この先を読まずにまずはご覧になってください。きっと自分の恋愛観を見つめ直すことになると思います。
すでにご覧になった方と、どんな内容なのかを知りたい方はネタバレ覚悟で続きへどうぞ。
この作品のテーマは輪廻転生。あるいはソウルメイト。
物語の前半は1983年のソウル。同じ大学に通うインウとテヒの恋愛が始まる過程を描いています。しかし「過程」と言いつつ重要な要素がいくつか抜けた展開になっている。僕はそれを「大胆な端折り方だなあ」と思いながら観ていたのですが、実はこれ、後半に向けての「姿なき伏線」なのでした。
やがて兵役に出るインウを「駅まで見送る」と約束しておきながら姿を見せなかったテヒ。
このエピソードをはさんで物語は2000年まで時間を流すことになります。
高校の国語教員になっていたインウは、別の女性と結婚し子供にも恵まれた。しかしインウはテヒのことを忘れたわけじゃなかった。
ここまでは良くあるハナシ。
ここからがこの映画最大のポイントです。
初恋の女性を忘れられずにいたインウは、何故か自分のクラスの男子生徒に心惹かれるようになる。それはいったい何故なのか?
「生まれ変わったら一緒になろうね」と話した(らしい)郷ひろみと松田聖子は「きっとまた自分自身に生まれ変わる」と思っていたのだろうか?あるいは「僕は男に」、「私は女に」再び生まれ変わると思っているだろうか?
では仮に、心から愛した女性が男に生まれ変わっていたなら、それでも愛することが出来るのだろうか?
深いです。
実に深い愛の試練だと思います。
「そんなことあり得ないじゃん」で済ませてしまう人は、きっとこの作品の評価も低いでしょう。
でも、大切な友人を不慮の事故で亡くし、彼の生まれ変わりといつかどこかで巡り逢えるはずだと信じている僕には、激しく心揺さぶられる作品でした。
この映画を「気持ち悪い」という人もいると思います。
僕も途中までは「正直しんどい」と思いました。ついでに「どうやって物語を着地させるんだろう?」と心配もしました。
ところがクライマックス(駅からホームへ繋がる一連)で見せた見事な編集のおかげで、偏見は消えたような気がします。
これも「究極の愛のかたち」です。
こんな映画があってもいい、とエンディングで泣きながら思いました。
最後にあらためて、イ・ウンジュさんのご冥福を心からお祈りします。
こんにちは。
カキコ&TB有難うございます。
当時、まだ映画館でやっているのを知っていたので、映画館で見ました。
見た後、とてもとても切なくなってしまって・・・
ノベライズも買って読みましたが、両方見るとまた切なさ倍増でした。
イ・ウンジュさん、素敵な女優さんだったのに惜しいですね・・・
TBしますね。
by (2005-08-08 17:10)
POOさん、コメントありがとうございます。
そうかあ、紐なしだったんだあ…。
泣けるなあ。
by ken (2005-08-08 17:48)
kenさん、おひさしぶりです。
TBありがとうございます。
この映画は映画館で観て、そして最近DVDをGETして再鑑賞したのですが、この映画の雰囲気を上手く伝えられなくてもどかしかったのですが、kenさんのblogはいつも的確で簡潔ではっとさせられることばかりです。m(__)m
by turbo (2005-08-08 18:55)
いえいえ、なにおっしゃいますやら。
そんなことよりこの映画、あとからジワジワくるいい映画ですね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2005-08-08 19:36)
こんにちは。私は、イ・ビョンホンの「誰にでも秘密がある」を見て以来、なんとなくこの俳優さんに魅力を感じなくなってしまい、この映画も知ってはいましたが全然見る気はありませんでしたが、kenさんの感想を読んで見てみたいって思いました。
上手な言い方ができませんが、こういう見ている人をギクリとさせる話って韓国の映画は上手ですよね。子供の夏休みが終わったら、借りてきたいです。
by youko (2005-08-09 16:47)
「誰にでも秘密がある」は僕も期待ハズレな作品でした。
ただ映画は監督のものです。俳優のものではありません。
イ・ビョンホンに失望する必要はないと思います。
特にこの作品に関しては。
by ken (2005-08-09 20:48)
実はこのタイトル、全然そそられなかったんです(笑)なのでタイトルだけだったら100%見なかったと思います。
でもこちらで「輪廻転生」「ソウルメイト」がテーマで、生まれ変わったら異性だった― とあるのを読んで、俄然観たくなりました。
とてもすてきな映画でした。私は大好きです。ありがとうございました。
by Sho (2006-07-09 08:54)
追伸 トラックバックさせてください。よろしくお願いします。
by Sho (2006-07-09 09:22)
この作品はPRに失敗してますね。
こんなにいい映画なのに、きちんとヒットさせられなかったのは
映画会社の宣伝部の責任だと思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-07-10 00:32)