きみに読む物語 [2005年 レビュー]
「きみに読む物語」(2004年・アメリカ) 監督:ニック・カサヴェテス
一組の男女を追いかけた正統派の恋愛映画です。
こんなに真面目な恋愛映画は久しぶりでした。そこで僕が思ったのは「ラブコメは万人が楽しめるジャンルだけど、正統派の恋愛映画は意外とターゲットがせまいかも知れない」ということです。
面白い作品だとは思います。でも正直言って僕はあまり楽しめませんでした。その理由のひとつには僕の年齢も関係していると思います。いい歳になってしまうとちょっとやそっとのことじゃ驚きませんから(笑)。
1人の老人男性が痴呆症の老人女性に恋愛物語を読み聞かせる、という設定はおもしろいと思います。けれど、この設定が「諸刃の剣」になっていると僕は思います。
残念なのは、この設定のおかげで観客たちも「話を聞く側」に回ってしまい、感情移入を困難なものにしてしまったことです。
原作を読むのはきっと楽しいでしょう。
感情のうねりを自分なりのスピードでコントロールし、ときどき立ち止まっては「自分ならどうするだろう?」とイマジネーションを膨らませることが出来ます。けれど映画の場合はそういうわけにいきません。始まったが最後、待ったナシでエンディングまで突っ走ります。しかもこの作品は少々テンポが速いため、行間を楽しむようなことが出来ません。特に後半ネタバレに関するところなどはもう少しゆっくり描写しても良かったんじゃないかと思います。
僕がこの数年で観た正統派恋愛映画(一組のカップルを追ったもの)で面白かったのは、「ラブソング」(1996)、「花様年華」(2000)、「男と女」(1966)くらいしかありません。その昔ヒットした映画には「ある愛の詩」なんてのがありましたけど(余談ですが、この映画公開の翌年、全米の出生率が上がったそうですが、それはこの映画の影響だそうです)、いずれにしても正統派の恋愛映画を成功させる秘訣は、いい歳をしたオッサンも驚くようなよほどドラマティックなエピソードになっているか、あるいはいい歳したオッサンも過去を振り返って泣きそうになる普遍的な恋愛の要素をきちんと取り入れているか否かが大きなポイントなんだと思いました。
ついでに言っておくと、勘の鋭い人はこの映画楽しめないと思います。はい。
おひさしぶりです、おじゃまします。
…勘が鋭いかは、よくわかりませんが。
わたしも、この映画、楽しめませんでした(泣)。
なんか、初めのほうで話の内容が読めてくるというか…。むむむ。
正統派恋愛映画、ではありませんが、「ビック・フィッシュ」のお父さんの昔話のほうが、自分は見ていて楽しかった、カモ。
by (2005-12-21 00:42)
そう。ハナシの内容が読めちゃうとアウトですよね。
もちろん全部が全部は読みきれませんけど、心のどこかで「やっぱり」って
思っちゃってる自分がいました。
by ken (2005-12-21 12:26)
あたしは感動系の恋愛映画って実は殆ど観たことがありません。
なんだか歯痒くて・・気恥ずかしくなってしまいます。。
by えみる (2005-12-22 18:00)
特にカップルで観るとなおさら、こっぱずかしいもんですよね^^
by ken (2005-12-23 13:39)
個人的にはこの中では「男と女」が、良いですね。すごく見たくなってきた、画像が綺麗なんですよね、お洒落で、淡々としてて。
by snorita (2005-12-24 01:16)
あんな映画を撮れるなんてクロード・ルルーシュ天才!と思いました。
by ken (2005-12-24 23:02)
私はそのやっぱりをわかりつつ
見てしまいました。
服がかわいい♪風景が綺麗★
by keiko-nari (2006-01-03 01:01)
「やっぱり!」を楽しむ方法もあるんですよね。
それが正しい映画の見方だと最近思います(大人になった)。
by ken (2006-01-03 19:46)