ふたりの5つの分かれ路 [2006年 レビュー]
「ふたりの5つの分かれ路」（2004年・フランス） 監督・脚本：フランソワ・オゾン
粛々と進む離婚調停。
対峙する男と女は“夫婦”から“元夫婦”になり、夫婦としての物語は終わりを迎える。
しかしこれがオープニング。
物語は時間を逆回転させ、【特別なディナー】、【出産】、【結婚】、【出会い】へと遡って行く。
愛の終わりを経験すると誰もが思う「どうしてこんな辛い思いをするはめになったのか」の答えを導き出すヒントがこの映画には沢山詰まっています。少なくとも僕には思い当たる節がいくつかありました。そして改めて思うのです。“別れた2人は互いに加害者であり被害者である”と。
そんな映画ですから、デートの流れで観るのはオススメ出来ません。
今、超ラブラブで、しかもこれから結婚しようかという2人はゼッタイ一緒に観ないほうがいい。あくまで「一緒」にね。でも1人でなら観てもいいです。いや！観るべきかも。ふとした心の迷いが後にどれほど影響を与えるものか、この映画を観て教訓にするといいと思います。もしかしたら「この映画を観ていたおかげで不幸にならずに済んだ」なんて言う人がいるかも知れませんから。
離婚経験者の皆さんにはオススメします。ちょっと嫌なことも思い出しますがぜひ観て下さい。これからの人生に何かしら役立つことがあると思います。
別の視点に立つと「映画芸術における編集の重要性を教えてくれる作品」と言えます。
この物語を時系列で編集したら一体どうなるでしょう。
平凡な男と女が出会って、恋をして、結婚をして、出産をして、離婚をする。
文章で説明するとただそれだけの話です。
しかしこれを逆に繋ぐことで、観客も主人公となって過去の感情をひも解いていくことになるのです。
「そういえばあの頃は…」
これは、編集次第で観る者の感情をコントロール出来ることを実証した教科書のような作品、と言っていいでしょう。
観てしまえば「ワンアイディアの映画」と誰もが言えるのですが、これを思いつくかつかないかが「平凡」か「非凡」かの分かれ路なのです。
誰かと感想を語り合うには相応しくない映画かも知れませんが、ちょっと変わった大人の恋愛映画としてオススメします。あくまで1人で観てください（笑）。
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2006/02/24
- メディア: DVD
こんばんは。
大人の恋愛映画として楽しめる映画でしたね。
映画は別れのシーンから逆に撮って行ったそうなので、この主演の2人は、
一番最後の出会いのシーンで最初より老けて見えないように、また体型が
くずれないように努力したのだそうです。俳優さんって、本当に大変な仕事ですね。
ＴＢさせていただきまーす。
by coco030705 (2006-07-20 21:45)
どういう順番で撮って行ったんだろうと気になっていたのですが、
そうですか、順撮りだったんですね。
なら、主役の2人は体調管理が大変だったでしょうね。
nice！ありがとうございます。
by ken (2006-07-21 00:21)
こんにちは。
見たいと思っていて見逃してしまった作品です。
是非見てみま～す！
もちろん１人で。。。笑。
by copanda (2006-07-21 18:18)
いろんなこと考えさせられますよ～。
じっくり1人で楽しんでください（笑）。
by ken (2006-07-23 19:21)
これものすごい人気なんですね。近所の2件のレンタル店で、いつもすべて貸し出し中でした。やっと先日見られました。
実は、よくわからなかったんです。
感情移入がうまく出来なかったのと、主役の二人が魅力的に感じられなかったんです。 もともと私はフランス映画って、よくわからない・・というのが多いのですが。
ただ確かに「（理屈じゃなく）そういうことってあるよなあ・・」みたいな箇所はいくつかありました。又期間をおいて観てみたいと思います。
by Sho (2006-07-28 04:58)
オゾンの映画って実はちょっと難しいです。
作家性の強い作品を作る人なので、受け止める側のスタンスによって
まったく評価の異なる作品だと思います。
by ken (2006-07-28 12:03)