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屈折矯正手術を受ける~手術編~ [日記]

【手術当日】 
 7月21日(金)4:30pm
 有楽町にある銀座東芝ビルへ。
 品川近視クリニックのロビーは目に優しい暖色系の蛍光灯が点いていた。
 受付に診察券と手術承諾書を出すと「会計で呼ばれるまでお待ち下さい」と言われる。へぇ~手術前に先に会計するんだあ。
 ソファーに腰掛けて名前が呼ばれるのを待つ。
 ロビーにはそのとき16名の患者および付き添いがいた。
 20代、30代が圧倒的に多い。最高齢は50代半ばかと思われる職人系の男性だった。
 そんな中に1人、雑誌に顔を3センチほど近づけて読んでいる20代のサラリーマンがいる。この人はコンタクトユーザーなんだろう。手術のためにコンタクトを外して1週間(あるいは2週間)過ごして来たに違いない。貪るように読んでいる雑誌が「週刊プロレス」なのがちょっと可笑しい。

【手術前に会計】
 「Kさ~ん」
 5分ほどして名前を呼ばれ“会計”と札の出たカウンターヘ。
 「¥188,000になります。お支払いは?」と聞かれカードを出し「一括で」と答える。
 手続きの間ふとカウンターを見渡すと、“中古眼鏡リサイクル”と書かれたプラスチックBOXを見つける。その中には手術後不要となったメガネが無造作に放り込まれている。数は20個ほどあっただろうか。
 手術後晴れ晴れとした気持ちでこの中へメガネを入れて行くのかなあ。
 そう思ってしばらく眺めていると、カウンターの女子が明日の検診の予約確認を始める。
 「明日の17時でよろしいですか?」
 時間に間違いがないので「はい」と答えると再びロビーで座って待つように言われる。

【薬の説明】
 「Kさ~ん」と呼ばれて今度は術後に点眼(一部服用)する薬の説明を受ける。
 点眼薬が5種類。服用薬が1種類。細かい指示があるけれど手術前だから現実味がなく、話半分しか聞かずに終わる。手術後に説明すりゃいいじゃん、と思ったが術後じゃ不可能であることをあとで知る。
 薬の説明が終わると、術後目を保護するためのサングラスを支給される。色は白と黒。どちらも花粉予防の安物のサングラスだ。白は「ど根性ガエル」のヒロシでもかけないようなダサダサプラスチックメガネだったので黒を選択。でも完全ガードできるのは白だったな。
 薬、サングラス、薬の説明書などをもらうと荷物が増えるので、「(ロビーの)ロッカーに荷物を預けてお待ち下さい」と言われる。ここまでの所要時間はおよそ25分。

【再び視力検査】
 「Kさ~ん」と三度呼ばれて振り返ると、品川近視クリニックで一番可愛いかも知れない助手さん登場(笑)。吉本の夫婦漫才「かつみさゆり」のさゆりさんにちょっと似てます。
 助手のさゆりちゃん(勝手に命名)に案内されて向った先は視力検査室。ここで前回の診察のときと目の状態に変化がないかどうかを確認します。至ってフツーの視力検査。
 しかしこの2度の視力検査が矯正手術の基本データになるわけで、なかなか見えないものを必死で見て答えるよりも、ちょっと見えにくかったら「分かりません」でいいような気がします。実際僕はそうしました。
 視力検査後再びロビーに戻されて待機します。

【医師による手術前最後の検査】
 「Kさ~ん」と四度目に呼ばれて向った先は診察室。ここで目の状態の最終チェックを行います。
 ところがここでこの日担当だった男性医師から爆弾発言が!
 「Kさんは、遠視ですね」
 「は?」
 耳を疑うコメントに僕の口が開く。先生は僕のカルテを覗いたまま、
 「この数値の前がプラスになっている人は遠視なんですよ」
 先生が指差したデータを見ると確かにそこには“+”マークが。
 「あ、僕は近視じゃないんですか。…じゃあそれって老眼って意味ですか?」
 「違います」
 「………じゃあ近視と遠視の違いってなんですか?」
 「近視は(先生は自分の手を顔から30センチくらいのところに拡げ)この辺にしかピントが合わないってことで、遠視はどこにもピントが合ってないことを言うんです」
 「あちゃー」
 「Kさんの場合は乱視が入ってたから、まだ見えた方なんでしょうね」
 「???」
 言葉の意味がまったく分からず、僕の思考は一旦完全に停止。が、しかし慌てて脳ミソを動かして質問をひねり出してみる。
 「で、遠視だと(手術は)どうなるんですか?」
 「Kさんの場合は乱視もキツイので再手術になる可能性もありますね」
 「………」

 
…なに? それを前回のウチに言わんかーい!!!
 
 そう思っても会計は済ませちゃったし、1年以内の再手術は無料だって承諾書に書いてあったし、ここまで来て「じゃ帰ります」ってワケにもいかんだろう!もちろん「やる?やめる?」って聞かれたわけじゃないけど。
 釈然としないまま続いて手術中の注意事項を聞かされる。
 ふたつの写真を見せられ、フラップ(角膜を切り取ったフタ)を作るときに見るべき場所と、レーザーを照射するときに見るべき場所の説明を受ける。これは事前にもらっていた手術ガイダンスの中にもあった写真なので、ここも話半分に聞いて「遠視かよ、チクショー」と僕は心の中でボヤいていた。
 ここまでの行程がジャスト1時間。
 このまま即手術かと思いきやまたしてもロビーで待機させられる。

【いよいよ手術~フラップを作る~】
 5:46pm
 名前を呼ばれて手術室へ。
 靴を脱ぎ、スリッパに履き替え、薄暗い部屋に案内される。そこには一人掛けの簡易ソファーが3脚。着席し耳と髪の毛を覆うネットを被るよう言われる。ネットを被ってしばらくすると看護婦から3つの目薬を注される。最初は充血予防、二つ目は感染症予防、三つ目は麻酔だ。
 しばらく待っていると看護婦が呼びに来て別室に案内される。その部屋にはフラップ作成用のマシンがあった。いよいよ手術開始だ。

  フラップ作成

 品川近視クリニックの公式HPには施術の流れの中で、フラップ作成に関してはこう説明している。

 【開眼器でまぶたを開いて固定し、イントラレースFS30レーザーを使用し、フラップを作成します。 
 イントラレースFS30レーザーで作成したフラップは、非常に切断面も滑らかで、エッジ部分も直角
 でキレイに作られますので、術後にフラップのズレやシワは起こりません】

 実際にはこの説明だけでは分からないことが確実にひとつありました。
 それは【開眼器】に関することです。
 この文章を読む限り、「開眼器はひとつの器具によるひとつの行程」かと思います。が実際はそうではありません。目の上まぶたと下まぶたを開眼器と呼ばれる物で固定したあと、さらにもうひとつリングのようなものを装着されます。
 これがかなりツライ。
 事前検診の際、「フラップを作成するときに装着する器具によって目に多少の圧力がかかります」と説明は受けていました。しかしこのリングの圧力と異物感は想像を遥かに超えていました。しかもリングを装着されることによって自分がどこを見ているのかも分からなくなる始末で、「緑の光の点をずーっと見ていてください」と事前に聞いた忠告も守っているのか守っていないのかさっぱり分からない。
 
これは確実に病院側の説明不足だと思います。
 フラップ作成のためのレーザー照射は片目およそ40秒。レーザーが当った瞬間に髪の毛を燃やしたようなニオイが一瞬します。これが角膜の焼けるニオイなんでしょうか。さらにこのとき注意しなければならないのが、
30秒以上動いちゃいけないってこと。
 レーザーを照射して角膜を丸く切り取るわけですから、目を動かしている場合じゃありません。しかしそんな説明もなかったので、施術中担当医に「はい、動くと危ないですよ~。じっとしててね~」なんて言われるとメチャ緊張するじゃないですか!こんなときにクシャミでもしたくなったらどうするんですか!
 照射が始まってしばらくすると「残り30秒ぅ」と読み上げる助手の声がします。それを聞くと「えーまだあと30秒もじっとしてんのかよ!」と軽く泣きたくなる。リングをはめられ麻酔をした瞬間から涙はボロボロですけど(笑)。
 「残り20秒ぅ」
 「はい、いいです。順調ですよ~」
 「残り10秒ぅ」
 「動かないで。動くと危ないですよ~。はい終わり~。キレイに行きましたぁ。じゃあ次、左ね」
 左目もリングをはめるとき、ちょっと痛いです。感覚で言うと目の玉をつまみ出されるんじゃないかって感じ。
 あの~この文章読んでると、「イヤだー!コワイー!」って思うかも知れませんが、何も知らずに手術を受けるより全然いいと思うんです。だから僕が感じたままを書いてます。感じ方には個人差がありますけどね。
 フラップ作成が終わると別室へ移動。この段階で視界は白くぼやけてます。

【矯正レーザーの照射】
 先の開眼器が辛かったので、こちらでもまた同じようなことがあるとイヤだなと思いつつベッドに横たわる。でも今度はテープで上まぶたと下まぶたを固定されるだけで痛くもなんともありません。固定されたあと麻酔液などをジャバー!と両目に掛けられます。ホントにジャバー!ジャバー!って感じ(笑)。

  マキシマレーザー照射

 こちらの説明は公式HPでは以下のようになっていました。

 【フラップを開き、解析したデータをもとにエキシマレーザーをあて、角膜の屈折率を変えます。
 照射時間は矯正度数によって違いますが、数10秒程度です】

 これはこのまんまです。
 赤いレーザーや緑のレーザーを先生に言われるまま見つめます。辛くもなんともありません。
 僕の場合は40秒から50秒くらいレーザーを照射されたような気がしますが、実際には分かりません。レーザーを照射されたあと、フラップを閉じる作業がここで行われます。まるでハケみたいな器具とピンセット系の器具を使って眼球に触っているはずですが、まったく痛みも恐怖も感じません。
 フラップを元に戻す作業は、まるで障子を貼るような感じで終了しました。

【しばらく安静にしたあと術後の検査】
 手術が終わると薄暗い部屋に案内され、一人用ソファーに腰掛けるよう言われます。ここで15分程度、目を閉じて安静にしろと。
 このとき目には異物感があります。これはもう目に小さなゴミでも入っているんじゃないかという、そんな異物感。もしかしてフラップが完全に戻っていないんじゃないかと不安に思いながらじっと目を閉じて呼ばれるのを待ちます。
 やがて「じゃあKさん、診察しますねぇ」と声を聞いて立ち上がると、薄暗い部屋の中に診察台が用意されていて先生がいる。目薬を注され、アゴを乗せておでこをくっつける例のヤツで目をチェック。結果はどうだろう。ドキドキする。すると、
 「手術は無事終わってますね。フラップの状態もいいですよ」
 聞きたかった一言が聞けて本当に嬉しくなる。うわーそうですか。いや~嬉しいッス。でも使ってたメガネは捨てて帰りませーん(笑)。

【しかし、術後ナーバスになる】
 暗室から一歩外に出ると、視界に拡がる白いもやが気になる。まるで曇ったメガネをかけているような感じだ。しかも異物感は残ったままで、涙もボロボロと止まらない。手術前にもらった保護用メガネを掛けて病院をあとにする。
 手術後、もしもケータイに仕事の留守電やメールが残っていたら、そのまま仕事に行こうと思っていたのだけど、それは全く不可能だった。一歩外に出た途端、普段ならなんとも感じない晴海通りに吹く風が目に刺激を与える。目を開けていることすら辛い。ついでにどれくらい視力が回復したものかと銀座の街に目をやって看板類を見てみるが、実際には良く見えない。
 
これで本当に成功したんだろうか?
 と、一抹の不安がよぎる。
 それにしてもこの状態で電車に乗って帰宅するのはツライ。できるだけ目を閉じて安静にしているのがベストだろう。僕は仕事が休みだった彼女にクルマで迎えに来てもらい帰宅することにした。
 自宅までの道中、目がよく見えないので口数も少なくなる。永らくコンタクトを使っている彼女に手術の内容を説明してあげたかったのだけど、僕は完全にナーバスになっていた。

【手術当日、寝るまでのこと】
 手術後、就寝までは1時間ごとに3種類の点眼をするよう指導を受けていた。
 また、痛みがあるときだけ使うようにと言われた薬を帰宅してまもなく使う。驚いたことにこの痛み止めが良く効いた。
 手術後5時間は寝てはいけないとも言われていた。一定の量の薬を点眼する必要があるからだろう。しかし安静にするため目を開けるわけにはいかず、プロ野球オールスター初戦の音声だけをテレビで聞きながら、漫然と時を過ごす。
 0:00am
 術後4時間程度で消えると聞いた視界の白いもやは結局取れなかった。
 就寝中目を触らないようにするため支給された眼帯をテープで固定し、就寝する。
 明日の朝、世界が変わっているといいなと思いつつ。

 教訓。
 手術を受けるなら夕方がいいです。
 できるだけ安静にするために、そしてヒマを持て余さないためには、夕方以降がベストですね。
 
 このあとの件はまた後日。


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コメント 11

きりきりととと

読んでいるだけでもの凄くいたかった。
おつかれさまたでした。

何か自信ないっす。
by きりきりととと (2006-07-24 22:00) 

snorita

全麻じゃないんだ・・・でもおしっこの管入れるのやだもんね。
by snorita (2006-07-25 18:10) 

お疲れ様でした・・
なんだか、ものすごく壮絶な手術、という感じがしたりして。
すごく、すごく大変そうな気がしました。
あらためて、お疲れ様でした。
またの報告を楽しみにしています!
by (2006-07-25 18:19) 

ken

>hyperbomberさん
 最終的にどういう結論を下すかはもちろんご本人次第。
 でも僕の視力がどうなるのかは、まだまだこれからです(笑)。
 nice!ありがとうございます。

>snoritaさん
 レーザー照射するだけなのに全身麻酔するわけないでしょーっ!(笑)

>ケンタッキーさん
 術後の経過はまた今週末にアップします!
by ken (2006-07-26 12:54) 

こんばんは。
私もかなりの近眼なので、興味深いです・・・。
でも、この手術の話を聞くと、ジョニデがバンデラスの「デスペラード」で
目玉をぐりぐりされちゃったシーンを思い出して恐ろしくなりました。
苦労された分、良く見えるようになるといいですね。
by (2006-07-26 21:49) 

お疲れ様でした~。

こ、こわいよう。
説明不足って怖いですよね・・・。
しかも目ってすごく繊細なイメージがあるし、もやがかかって見えたり、異物感があったら、私もやっぱりすごくナーバスになってしまうと思います。
目を大切に休まれてください。
親切な彼女さんがいていいな、と思いました(本筋とは関係ないんですけど)
by (2006-07-26 23:25) 

ken

>ERUNさん
 手術の本当の結果はまだ出ていないと思います。
 これからも逐一報告しますね^^ 

>すずめさん
 説明不足は反則です!
 でも、そうと知って受ければなんともないかも知れませんよ。
 nice!ありがとうございます。親切な彼女で助かりました(笑)。
by ken (2006-07-27 00:38) 

gutta

すごく参考になりました。やろうかやるまいか、まだ迷っています。
by gutta (2006-07-27 07:13) 

ken

人体実験リポートはまだまだ続きますよ~。
オススメできるのかどうか、僕もまだ迷っています。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-07-27 14:38) 

keiko-nari

目を開く機械・・・あれは拷問以外の何者でもない・・・
私も経験者ですが、視力も下がりましたが、あれは2度とできない。
知ってしまった分、もうできません・・・・
by keiko-nari (2006-07-30 21:58) 

ken

喉元過ぎれば熱さ忘れる。
僕は必要とあらば再手術受けますよ^^
by ken (2006-07-31 00:21) 

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