浮雲 [2006年 ベスト20]
「浮雲」(1955年・日本) 監督:成瀬巳喜男 原作:林芙美子 脚本:水木洋子
以前、雑誌「FRaU」の特集で女優の木村佳乃が推薦していた「観終わるとふたりでハッピーになれる映画10本」の1本。そのときの紹介文はこんな内容でした。
「ヘビーな恋愛ものなので、彼の体調のいいときに。または長く付き合っている彼氏とぜひ。もちろん黒澤明や小津安二郎もいいけれど、男性にも成瀬を観てほしいですね」。
名匠・成瀬巳喜男監督が、高峰秀子主演で林芙美子の同名小説を映画化。自堕落な男と別れきれない女の究極の腐れ縁を描く。
「究極の腐れ縁」ってアータ(笑)。でも僕はこれで観る気になったんですよねー。
しかも成瀬巳喜男監督の映画は1本も観てなかったし。
で、観終わってふたりでハッピー!になれるかどうかは疑問ですが、この映画はかなり面白いです。
僕が一番気に入ったのは次の展開がまったく読めなかったこと。
独特なテーマ曲のオープニングから、思わず唸ってしまうエンディングまでの124分間。全篇に一瞬の緩みもない緊張感が漂っているんです。これは圧巻でした。
この緊張感を支えているのは水木洋子さんの脚本と、高峰秀子さんの名演技(オープニングまもなく富岡家の玄関先での芝居からすでに完璧だった)もありますが、やはり成瀬監督の卓越した演出力に驚かざるを得ません。今回僕はこれまで成瀬作品を観てこなかったことを激しく後悔しました。
恋愛でつらい思いをしたことのある人なら誰でも共感できること間違いなし。
たとえ時代が変わっても、男と女の間に必ず存在している「距離感」を目撃してください。
21世紀の今でも必見の名作。
題名だけはかろうじて知っているくらいですが。
見てみたい!と思いました。
でもね。
小津安二郎とかこのあたりの年代の映画は
老後にとっとこうと思っていたりして(笑)
いや。
そういうことにして今見るのを伸ばしてるだけなんですけどね^^
by ecco (2006-10-08 22:03)
こんばんは。
成瀬巳喜男は本当にすばらしいですよね。去年友達に引きずられて
東京のフィルムセンターで「めし」をみました。すごくよかったです。
それから、TVで「放浪記」をみて、これも秀逸でした。高峰秀子さん、
名女優ですね。どちらも記事をアップしております。
「浮雲」もそのうちぜひ見てみたいと思います。
by coco030705 (2006-10-08 23:39)
>eccoさん
僕は老後の楽しみをストックするためにいろんな映画を見ている気がします。
この作品も今の年代で観ておくといいと思いますよ~。
nice!ありがとうございます。
>coco030705さん
ボクはコレ一本で、成瀬巳喜男監督はすごい!と思いました。
「めし」も「放浪記」も必ず観ます!
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-10-09 01:55)
見ました。
何が決めてかって「究極の腐れ縁」です(笑い)。でも、これは凄い!
「男と女って、もう何十年もこんなこと繰り返してるんだなあ・・」と思いつつ、
結構笑えました。最後の方までは。セリフのひとつひとつ、言い訳がましかったり、底意地が悪かったり、女々しかったり、etc. すごくリアリティがありました。
でも、画面の切り替えとか、撮り方とか、今のものよりも斬新な感じさえしました。高峰秀子は圧巻ですね。
音楽は「あ・うん」の音楽をなんか思い出してました。
ふたたび、これは凄い!
by Sho (2006-10-09 22:52)
男と女は、男と女である限り、ずーっとこんなことを繰り返すのでしょうね。
時代が変わっても色褪せない映画とは、こういう映画なのかと思いました。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-10-09 23:37)
成瀬なら「流れる」がおすすめです。是非みてみてください。いまではため息ものの女優陣がこれでもかと名演技。
私はこの「浮雲」を母とみてかなりげんなりした記憶が。いやまだ腐れ縁の良さなんてものを知らない中学生の頃だったのでいやはやw
by 瑠璃子 (2006-10-11 20:04)
中学生で「浮雲」観ちゃダメでしょう(笑)。
成瀬の第2弾は「めし」を観ることにします。
「流れる」も楽しみ。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-10-12 17:49)