パルコ・プロデュース 「LOVE 30~女と男と物語~」 [ショウより素敵な商売はない]
久し振りに芝居を観る。
ミュージカルはちょくちょく観ていたけれど、芝居は本当に久し振りだ。当然、渋谷のパルコ劇場へ来たのもウン年振りということになる。その内容はパルコ・プロデュースらしいシンプルな構成。女と男の2人芝居、オムニバス3本立てだ。
1組目は水野美紀と山寺宏一の「スパイス・イン・ザ・バスケット」
2組目は真中瞳と片桐仁(ラーメンズ)の「結婚相談所」
3組目はYOUと生瀬勝久の「兄への伝言」
豪華なキャスティングだけあって会場はほぼ満席だった。
10分遅れで幕が開く。
第1話は残念ながら本が面白くなかった。
「3年前、ぷいと飛び出して行った妻(水野美紀)が、美術教師の夫(山寺宏一)の元へ突然戻って来る。しかし夫は新しい彼女をはじめて家に迎えようとしている時だった…」
トップバッターということもあって客も温まっておらず、笑えるところも笑えない状況がもったいなかった。演じる2人の息も合っているとは言い難い。
第2話の本は良く出来ていたと思う。
「結婚相談所で働く30女(真中瞳)の前に現れた優柔不断の客(片桐仁)は、かつて高校時代に憧れていた先輩だった。しかもこの2人は電話悩み相談のカウンセラーと客という関係でもあった…」
本は良く出来ていたが演出が巧くなかった。
まったく別の人物と思わせた2人が、実は同一人物だったと気付かせるところがこの作品の見どころの一つなのだが、「一人の役者が二人目の登場人物を影で演じる」という“舞台演出上の暗黙の了解”を逆手にとったのは妥当だとしても、その見せ方には工夫が足りなかったと思う。
しかしラストで真中が読む「ラブレター」はお見事。まんまと泣かされました。
第3話は客席も温まったところへ持ってきて、実におもしろい本と役者2人の絶妙な芝居が大いに笑いを誘う。
「亡き弟の通夜に駆けつけた兄(生瀬勝久)が、かつての幼なじみでもある未亡人(YOU)から、弟の遺言を受け取る。その中には一言、『とんかつかえた』と書かれていた。困惑する兄と未亡人だったが、やがて兄は事情を察して…」
有り得ない「遺言」のおもしろさに増して、YOUと生瀬勝久の息の合った芝居が素晴らしい。
仮に第3話を山寺×水野、あるいは片桐×真中でやっていたら…?と考えたが、ここまで面白くなったかどうかは分からない。やはり舞台と言えども「キャスティングこそ最大の演出」なのだ。
この第3話だけは短編映画にしたいくらい良い戯曲だったと思う。
それにしても舞台は映画以上に「笑い」が大事だなあ。
thanks! 290,000prv
3話目、ホントおもしろかったですよね☆
ひさびさ舞台で大笑いしました。
TB させていただきましたので、よろしくお願いします(^-^)
by ジジョ (2006-11-07 01:08)
YOUさんは発声がなってませんでしたが、あれがいい味を出していましたね。
生瀬さんとのやりとりは本当に可笑しかったです。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-11-07 01:11)