ロッキー [2006年 レビュー]
「ロッキー」(1976年・アメリカ) 監督:ジョン・G・アヴィルドセン 脚本:シルベスター・スタローン
今年は「ロッキー」初公開から30周年だったんですね。
日本での公開は翌77年。1977年と言えば僕は14歳で、この年は「キャリー」「ピンクパンサー3」「悪魔の手毬唄」「八甲田山」「ドーベルマン刑事」「宇宙戦艦ヤマト〈劇場版〉」「幸せの黄色いハンカチ」「人間の証明」「八つ墓村」「オルカ」「カプリコン1」「007私を愛したスパイ」などが公開されていました。こうして並べてみると懐かしいタイトルばっかりでビックリです(笑)。
「ロッキー」を観るのはさすがに30年ぶりじゃありませんが、古い映画を改めて観ると驚くことがありますね。「ロッキー」の場合は、自分の記憶に残る映像よりもはるかに地味なタッチだったということ。そういえば一時代も二時代も前のハリウッドには、まさに「手作り」としか言いようの無い、“貧しいけれど温かい”映画が沢山あったような気がします。
「ロッキー」の製作費はわずか100万ドル。当時のレートで言えば3億円弱ということになるのですが、「低予算で映画を作ることも決して悪いことではない」と「スーパーマン・リターンズ」の監督、ブライアン・シンガーは言います。
例えばロッキーとエイドリアンがスケート場でデートするシーン。
脚本上は大勢の客に紛れて2人が滑るようになっていたのですが、実際はそのエキストラを雇う金が無く、どうしても2人きりで撮るしかなかった。そこで考えたアイディアが、営業時間を過ぎて無人になったスケート場で管理人に10ドル握らせ10分間だけ滑らせてもらう、というシーンへの変更でした。
「予算が足りないなら監督は頭を使うしかない。でもそういうことって大事なんだよ。予算を補うためにいろいろ考えたからこそ、映画史上最もロマンティックなデートシーンが生まれたんだ。もしも余りある予算があったら、あんなシーンは生まれなかっただろうね」
ブライアン・シンガーの言葉はすべてのディレクターに聞かせてやりたい名言です。
もちろん映画を作るためにはある程度のお金は必要なんですけど、最低限のお金があれば監督他スタッフのアイディア次第でいい物は作れるという、「ロッキー」はそのお手本みたいな映画でした。
改めて観てもうひとつ感動したのはタリア・シャイア。
よくよく考えたら「ゴッド・ファーザー」以降に出演した作品ですから、あの静かな抑えた演技に女優としての恐るべき実力を見た気がしました。
ついでにラストシーン。ロッキーがエイドリアンの名前を呼ぶエンディングでなければ、アカデミー作品賞は獲らなかっただろうなと思いました。それくらい衝撃的で感動的なシーンだったと思います。今観ても泣けるもん(笑)。
ちなみに今、発売されているDVDには公開25周年時のスタローンのインタビューが収録されています。中でスタローンは製作に至るまでの紆余曲折(予算に関することも)を詳細に語っていて、なかなか面白い内容になっています。
そして今年のクリスマス。何をトチ狂ったかロッキーが再びリングに立ちます。
シリーズ6作目となる新作「Rocky Balboa」が全米公開されるのですが、1ファンとしてはただ「やらなきゃ良かった」ってことにならないことを祈るだけです(笑)。
今年は「ロッキー」初公開から30周年だったんですね。
日本での公開は翌77年。1977年と言えば僕は14歳で、この年は「キャリー」「ピンクパンサー3」「悪魔の手毬唄」「八甲田山」「ドーベルマン刑事」「宇宙戦艦ヤマト〈劇場版〉」「幸せの黄色いハンカチ」「人間の証明」「八つ墓村」「オルカ」「カプリコン1」「007私を愛したスパイ」などが公開されていました。こうして並べてみると懐かしいタイトルばっかりでビックリです(笑)。
「ロッキー」を観るのはさすがに30年ぶりじゃありませんが、古い映画を改めて観ると驚くことがありますね。「ロッキー」の場合は、自分の記憶に残る映像よりもはるかに地味なタッチだったということ。そういえば一時代も二時代も前のハリウッドには、まさに「手作り」としか言いようの無い、“貧しいけれど温かい”映画が沢山あったような気がします。
「ロッキー」の製作費はわずか100万ドル。当時のレートで言えば3億円弱ということになるのですが、「低予算で映画を作ることも決して悪いことではない」と「スーパーマン・リターンズ」の監督、ブライアン・シンガーは言います。
例えばロッキーとエイドリアンがスケート場でデートするシーン。
脚本上は大勢の客に紛れて2人が滑るようになっていたのですが、実際はそのエキストラを雇う金が無く、どうしても2人きりで撮るしかなかった。そこで考えたアイディアが、営業時間を過ぎて無人になったスケート場で管理人に10ドル握らせ10分間だけ滑らせてもらう、というシーンへの変更でした。
「予算が足りないなら監督は頭を使うしかない。でもそういうことって大事なんだよ。予算を補うためにいろいろ考えたからこそ、映画史上最もロマンティックなデートシーンが生まれたんだ。もしも余りある予算があったら、あんなシーンは生まれなかっただろうね」
ブライアン・シンガーの言葉はすべてのディレクターに聞かせてやりたい名言です。
もちろん映画を作るためにはある程度のお金は必要なんですけど、最低限のお金があれば監督他スタッフのアイディア次第でいい物は作れるという、「ロッキー」はそのお手本みたいな映画でした。
改めて観てもうひとつ感動したのはタリア・シャイア。
よくよく考えたら「ゴッド・ファーザー」以降に出演した作品ですから、あの静かな抑えた演技に女優としての恐るべき実力を見た気がしました。
ついでにラストシーン。ロッキーがエイドリアンの名前を呼ぶエンディングでなければ、アカデミー作品賞は獲らなかっただろうなと思いました。それくらい衝撃的で感動的なシーンだったと思います。今観ても泣けるもん(笑)。
ちなみに今、発売されているDVDには公開25周年時のスタローンのインタビューが収録されています。中でスタローンは製作に至るまでの紆余曲折(予算に関することも)を詳細に語っていて、なかなか面白い内容になっています。
そして今年のクリスマス。何をトチ狂ったかロッキーが再びリングに立ちます。
シリーズ6作目となる新作「Rocky Balboa」が全米公開されるのですが、1ファンとしてはただ「やらなきゃ良かった」ってことにならないことを祈るだけです(笑)。
また復活ですか。トホホ。
by kenta-ok (2006-11-18 19:44)
ロッキーはロッキーとしてかなり好きです。
ロッキーのテーマ。
これ、最近の小学校のリレーのあととかで
けっこう使われていて
別な意味でカンドーしちゃうのですw
by ecco (2006-11-18 23:39)
今までロッキーのレヴューが無かったことに気づき感動(笑)
しかもロッキーって又するのですか!?!?
これも最初のが一番良かった気がします。
by Sho (2006-11-19 00:05)
>kenta-okさん
ネタ切れのハリウッドがやりそうなことではあります。
諦めて見るか、諦めて見ないか、観客が腹を括るしかありません(笑)。
>eccoさん
そうそう。久し振りに観て驚いたことがまだありました。
それはエンディングロール。
当然、例のアノ曲が流れるかと思いきや、まったく別のしずか~な曲が
流れるエンディングでした。チョーびっくり!(笑)
nice!ありがとうございます。
>Shoさん
昔観た映画でレビューを書きたい作品は山ほどあるのですが、なかなかね
観る機会もないもんですから、はい。
by ken (2006-11-19 00:51)
nice! 押したあと、どうしてもコメントが送信できず
今になりました(ー'`ー;)
低予算でエキストラ不足といえば、実は最後の試合の会場にも
50人しかいなかったんですって。
by ぱふ (2006-11-21 15:46)
そうそう。確かに客の少ない試合会場でしたね。
でも子供のころはそんなこと気付きもしませんでした。
すごいなあ。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-11-21 17:34)