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1976年のアントニオ猪木 [本の雑談]

1976年のアントニオ猪木

1976年のアントニオ猪木

  • 作者: 柳澤 健
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本
 
 2007年時点での“猪木”本の最高傑作。
 1976年とは言わずと知れた猪木V.Sモハメッド・アリ戦が行われた年だが、「この年は猪木にとっても、その後の日本人にとっても重要な意味を持つ年だった」というアプローチを本書はしている。

 実は浅草キッドの水道橋博士が「おもしろい」とどこかで言っていたのを聞いて手に取ったのだけれど、格闘技マニアでなくとも1976年6月26日の猪木対アリ戦を知っている人なら読了後に失望することは無いと断言する。
 なんと言っても感動的なのは「プロレスはあらかじめ勝敗の決まったショーなのか?それともリアルファイトなのか?」という無駄な議論が日本で生まれるきっかけになった瞬間を本書が捉えている点だ。
 それは猪木が発した「ある一言」がきっかけだった。
 その瞬間に日本人は「プロレスの常識」を見失い、誤った幻想を抱くようになるのだ。
 僕はこの歴史に残るターニングポイントを明文化しただけでも本書の意義はあると思う。

 全日本プロレスは日本テレビ、新日本プロレスはNET(現・テレビ朝日)という図式はどうして出来上がったのか?
 猪木はなぜ「卍固め」を必殺技としたのか?
 馬場対猪木戦はなぜ成立しなかったのか?
 新日本プロレスから大量の選手が流出したのは何故なのか?
 そして、猪木-アリ戦はなぜ「世紀の凡戦」と言われるのか?

 子供の頃には気付きもしなかった「事実」と、想像もしなかった「舞台裏」が次々と明らかになる奇跡のような一冊。
 僕と同世代の男子には自信を持ってオススメします。

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コメント 7

Sho

私(の世代)にとって「プロレス」と言えば、「ジャイアント馬場とアントニオ猪木」なんですよね。上記の対戦は見てはいませんが(もしかしたら忘れているだけかも)話には、いろんな人の口から何度も聞いてきました。
kenさんの掲げた? は、全て私にとっても「何故?」です。
女子にとっても、面白そうです。そそられます。
by Sho (2007-05-19 07:25) 

ken

そうですか。女子もそそられますか。
それは良かったです。ぜひ読んでみてください!
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-05-19 07:39) 

ミック

私も女子にもおススメしてーと、思いました!
この記事を読んで、早速、読みたくなりました^^!
by ミック (2007-05-20 01:06) 

hiro163hiro

明日、本屋で探します!
by hiro163hiro (2007-05-20 21:06) 

ken

>ミックさん
 あら。また女子。
 読んだら感想を聞かせてくださいまし。
 nice!ありがとうございます。

>hiro163hiroさん
 お久しぶりです。
 そしてまたしても女子…。
 男子は興味ないんか、この記事に!(笑)。
 nice!ありがとうございます。
by ken (2007-05-21 00:02) 

れいちゃん

僕も、読んだ。
今年、読んだ37冊の中でも、
ベスト3に入る。
猪木本の範疇を超えて、
すごい本だと思う。
感想は、僕のブログにも書いています。
by れいちゃん (2007-05-21 15:42) 

ken

日本が格闘技大国になった理由がここにありますね。
素晴らしい本でした。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-05-21 17:12) 

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