ボルベール <帰郷> [2007年 レビュー]
「ボルベール <帰郷>」(2006年・スペイン) 監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
日本の配給会社は「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」に続いての女性賛歌三部作最終章!と謳ってますが、僕は「トーク…」を観ていないので何も言えません。ただ個人的には「オール・アバウト・マイ・マザー」のほうが好きです。あれは傑作すぎました(笑)。
と言っても、この作品も面白くないわけじゃありません。でも面白がるためにはいくつかの情報をインプットしておいたほうがいい。僕はまったくの情報なしで観てしまったので、幾分ついて行けなかったところがありました。
主人公は失業中の夫と15歳になる娘パウラを養うため懸命に働くライムンダ(ペネロペ・クルス)。彼女を中心にドラマは展開するのですが、その他の登場人物も知っておいたほうがいいと思います。
まず姉のソーレ。自宅で美容師をして生計を立てている。夫に逃げられたまま音信不通。
2人の両親は火事で亡くなっていて、叔母はそのショックから記憶障害を引き起こしていた。
叔母はソーレとパウラのことを認識できず、ライムンダと隣人のアグスティナのことしか認識できない。
隣人のアグスティナは失踪した母親を探していた。
アグスティナの母親はライムンダの両親が亡くなった火事の日に忽然と姿を消したのだ。
主要登場人物は全員女性です。
本作も思いっきり「女の生き様」を描いて、彼女たちに降りかかる多難は明らかに男のせいなのですが、問題を処理するために男を必要としていない(あるいは男を引き合いに出さない)ところが、本作の面白いところです。
「男なんていてもいなくても一緒」というか、「所詮私たちとは別次元の生き物」と割り切っているところが痛快なんですね。
とにかく女同士でなければ理解できない「繋がり」も重要なポイント。これは「オール・アバウト・マイ・マザー」も同様でしたから、きっと「トーク・トゥ・ハー」も含めて、アルモドバル作品の特色と言っていいんでしょう。
僕にはちょっとついて行けなかった展開も、女性になら理解できるんじゃないかと思います。
男性客は「やわらかあたま」でないと、途中受け入れ難い展開になります。
「なんで?なんで?」と思っていると、「アンタたち男はもういいの。外で酒でもひっかけておいで」と言われるように、軽く突き放されるかも知れません。
でも突き放されても大丈夫。男衆はペネロペの余りある色気と美しさをただただ堪能しましょう(笑)。
ペネロペがタイトル曲を歌うシーンはあまりに美しく感動的です。
仲のいい女性同士でぜひ。
thanks! 460,000prv
日本の配給会社は「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」に続いての女性賛歌三部作最終章!と謳ってますが、僕は「トーク…」を観ていないので何も言えません。ただ個人的には「オール・アバウト・マイ・マザー」のほうが好きです。あれは傑作すぎました(笑)。
と言っても、この作品も面白くないわけじゃありません。でも面白がるためにはいくつかの情報をインプットしておいたほうがいい。僕はまったくの情報なしで観てしまったので、幾分ついて行けなかったところがありました。
主人公は失業中の夫と15歳になる娘パウラを養うため懸命に働くライムンダ(ペネロペ・クルス)。彼女を中心にドラマは展開するのですが、その他の登場人物も知っておいたほうがいいと思います。
まず姉のソーレ。自宅で美容師をして生計を立てている。夫に逃げられたまま音信不通。
2人の両親は火事で亡くなっていて、叔母はそのショックから記憶障害を引き起こしていた。
叔母はソーレとパウラのことを認識できず、ライムンダと隣人のアグスティナのことしか認識できない。
隣人のアグスティナは失踪した母親を探していた。
アグスティナの母親はライムンダの両親が亡くなった火事の日に忽然と姿を消したのだ。
主要登場人物は全員女性です。
本作も思いっきり「女の生き様」を描いて、彼女たちに降りかかる多難は明らかに男のせいなのですが、問題を処理するために男を必要としていない(あるいは男を引き合いに出さない)ところが、本作の面白いところです。
「男なんていてもいなくても一緒」というか、「所詮私たちとは別次元の生き物」と割り切っているところが痛快なんですね。
とにかく女同士でなければ理解できない「繋がり」も重要なポイント。これは「オール・アバウト・マイ・マザー」も同様でしたから、きっと「トーク・トゥ・ハー」も含めて、アルモドバル作品の特色と言っていいんでしょう。
僕にはちょっとついて行けなかった展開も、女性になら理解できるんじゃないかと思います。
男性客は「やわらかあたま」でないと、途中受け入れ難い展開になります。
「なんで?なんで?」と思っていると、「アンタたち男はもういいの。外で酒でもひっかけておいで」と言われるように、軽く突き放されるかも知れません。
でも突き放されても大丈夫。男衆はペネロペの余りある色気と美しさをただただ堪能しましょう(笑)。
ペネロペがタイトル曲を歌うシーンはあまりに美しく感動的です。
仲のいい女性同士でぜひ。
thanks! 460,000prv
あっこれ次に見たい話です。
by (2007-06-21 13:41)
お酒を飲みながら…劇場で楽しんで下さい(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-06-22 02:50)
こんにちは。
出てくる女性たちはみんな根性が座っていましたね。
> 問題を処理するために男を必要としていない
女性から観ると愉快なのですけど、男性から観ると寂しいかも知れませんね。
それにしても、ペネロペ・クルスは魅力的でした!
歌も良かったですね(^^)
by non_0101 (2007-06-23 13:54)
確かに全員根性座ってましたねえ(笑)。
男をあてにしない女性の生き様は、男が見ても充分楽しめます。
寂しいなんて、夢にも思いません。
…でもペネロペに頼りにされたら、メロメロになりますね(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-06-23 14:41)
アルモドバル好きなので、この映画すごく気になってます。
やはり、女は強し!って感じなのでしょうか。
男と女では印象が違うのかもしれませんね。
by lucksun (2007-06-24 00:39)
アルモドバルファンなら楽しめること間違い無しです。
女性には面白いと思いますよ~。
by ken (2007-06-24 02:02)
先週、銀座sanaiビルの街頭ビジョンで延々と予告編が流れていて、一緒にいた友達と「いったいどんな映画なの???」と思っていたところでした。なるほど〜。
by カオリ (2007-06-26 00:31)
ちょうどいいじゃないですか。
そのお友達と観に行ってみてください^^
by ken (2007-06-26 01:26)