シッコ [2007年 ベスト20]
「シッコ」(2007年・アメリカ) 監督・脚本・製作:マイケル・ムーア
ヤバイ。これは相当おもしろいです。
アメリカ医療制度の大いなる矛盾を追求した本作は、実は「華氏911」以前に着手していたのだそうだ。
しかし、ブッシュがイラク戦争をおっぱじめたのを受けて、ムーアは「シッコ」プロジェクトを一旦中断。急遽「華氏911」を製作したのだと言う。
でも、結果的にはこれが大正解。
理由は観れば分かる。
アメリカの医療制度は、グラウンド・ゼロで働いたアメリカの英雄たちをも切り捨てる“悪魔のシステム”であることをアピールすることが出来たからだ。
「グアンタナモに収監されたテロリストが万全の医療を無償で受けられるのに、気管支炎などの後遺症に悩むボランティアスタッフたちは高額の医療費を自己負担しなければならない」、という比較はいささか強引だが、これを受けて起こす行動はムーアのクリエーティビティの賜物。しかも否応にもへビーになるエピソードを巧みな編集によってひとまず笑いに転換し、観客の気持ちの負担を軽くさせるあたりはさすがだ。
…と、ここで語るべきはやはり映画のテクニカルな部分ではない。
僕たちは先進国で唯一、国民皆保険が存在しないアメリカの信じられない実情を目の当たりにしつつ、同時に日本で昨年成立した「医療改革法」によって、日本の医療制度がどう変わろうとしているのかを考えたほうがいい。
僕はこの映画を大いに笑い飛ばした。
でも最後まで笑っていたわけじゃない。
文字通り「笑っていられない」現実がそこにあったからだ。
人の命を救わないことで企業の利益が上がる。
ありえない。
でもアメリカで起きていることが、近い将来日本でも起きたらどんなことになるのだろう。
考えるだけで空恐ろしい。
だから、アメリカの医療制度に興味があろうと無かろうと、この作品はゼッタイに観たほうがいい。
観たら、間違いなく日本の医療制度に興味が沸くはずだ。
僕は、日本は「国が国民を恐れる国」にならなきゃいけない、と思った。
Take Action! 7.21
ヤバイ。これは相当おもしろいです。
アメリカ医療制度の大いなる矛盾を追求した本作は、実は「華氏911」以前に着手していたのだそうだ。
しかし、ブッシュがイラク戦争をおっぱじめたのを受けて、ムーアは「シッコ」プロジェクトを一旦中断。急遽「華氏911」を製作したのだと言う。
でも、結果的にはこれが大正解。
理由は観れば分かる。
アメリカの医療制度は、グラウンド・ゼロで働いたアメリカの英雄たちをも切り捨てる“悪魔のシステム”であることをアピールすることが出来たからだ。
「グアンタナモに収監されたテロリストが万全の医療を無償で受けられるのに、気管支炎などの後遺症に悩むボランティアスタッフたちは高額の医療費を自己負担しなければならない」、という比較はいささか強引だが、これを受けて起こす行動はムーアのクリエーティビティの賜物。しかも否応にもへビーになるエピソードを巧みな編集によってひとまず笑いに転換し、観客の気持ちの負担を軽くさせるあたりはさすがだ。
…と、ここで語るべきはやはり映画のテクニカルな部分ではない。
僕たちは先進国で唯一、国民皆保険が存在しないアメリカの信じられない実情を目の当たりにしつつ、同時に日本で昨年成立した「医療改革法」によって、日本の医療制度がどう変わろうとしているのかを考えたほうがいい。
僕はこの映画を大いに笑い飛ばした。
でも最後まで笑っていたわけじゃない。
文字通り「笑っていられない」現実がそこにあったからだ。
人の命を救わないことで企業の利益が上がる。
ありえない。
でもアメリカで起きていることが、近い将来日本でも起きたらどんなことになるのだろう。
考えるだけで空恐ろしい。
だから、アメリカの医療制度に興味があろうと無かろうと、この作品はゼッタイに観たほうがいい。
観たら、間違いなく日本の医療制度に興味が沸くはずだ。
僕は、日本は「国が国民を恐れる国」にならなきゃいけない、と思った。
Take Action! 7.21
おお、楽しみですね。
たまたまある懸賞で「シッコ」の試写会チケットがでてたので応募してます。当たるといいな。もちろん当たらなくても見に行きますが。
by わらばー@見ッチェル (2007-07-28 01:10)
自分に当たりの映画に出会うには沢山の映画を見ないとダメですネ。
私は前の映画をひきずるタイプなので、誰かに薦めてもらわないと、
なかなか、次に行けません;特に洋画は何を見て良いのか分かりません。
水曜日、銀座にいたので、日比谷シャンテでやっていた、「あるスキャンダルの覚書き」を見ようとシャンテに電話をしたら、
7月20日で終了と言われてガッカリしました。
DVDでは観ようと思いますが、
映画館で映画を見て、軟禁状態にされて(笑)映画を観たいです^^
by ミック (2007-07-28 03:10)
アメリカの医療・老人ホームも食を通じて垣間見てきましたが。
食い物にされている実情は、残念だけどあるのかな。
日本だって、福祉に関して言えば、もう片足突っ込んでいる。
何が、地域で?何が、家庭で?結局は家庭に負担を増やしているだけで。
現実を見れる映画っていいですなあ~。見る。
by **feeling** (2007-07-28 07:37)
>わらばー@見ッチェルさん
マイケル・ムーアの最高傑作だと思います。
ムーアがやたらと「戦っていない」のがいいです。
nice!ありがとうございます。
>ミックさん
前の映画をひきずるということは、前の映画に浸りすぎる、
ということですか?
うーん。以前の僕もそんな感じだったような気がします。
だから年間5本くらいしか観てませんでした。
nice!ありがとうございます。
>keiko_keikoさん
考えてみたら生活保護を断念するように迫る行政や
コムスンの問題など、日本でも既にどうようの事件が起きているのですね。
ぜひ観て下さい!
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-07-28 10:06)
医師の多くは日本の医療も米国、英のように崩壊すると思っています。日本ですすめられているカルテのオンライン化は、実際は将来的に国や保険会社が患者個人の病歴を把握するための布石だと言われているし、医師不足や医師への突き上げは、すべてこうなる予兆ですね。医師の間にはもう、どうにもできないというムードすらひろがってます。お金のある人しか、いい医療が受けられない時代はこのままでは、日本でもかならず起こります。すみません、ついつい長くなってしまいました。仕事上で日本脱出を真剣に考えている私でした。
by snorita (2007-07-28 16:06)
おー!
これは楽しみ!
見に行こうかどうしようかちょっと迷っていたのです。
是非是非見に行きます。
Take Action! 7.21!
ですね!!
by メイ (2007-07-28 22:18)
>snoritaさん
カルテのオンライン化は、やはりそういうことなんですね。
そして医療格差も避けられないところまで来ている、ということか。
なんだか世知辛い世の中になってきましたね。
>メイさん
そうです!Take Action!Today!です(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-07-29 10:03)
「国が国民を恐れる国」
ソンナ国にしましょう!(マジで!)
by 魚河岸おじさん (2007-07-31 15:51)
そのためには選挙に行かないとなあ。
投票率低すぎですよ、まったく。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-07-31 16:32)
アメリカがあんな深刻な現状に陥っているとは知らなかったです。
観終わった後に考えれば考えるほど怖くなってきました。
本当に怖かったです(T_T)
by non_0101 (2007-09-24 10:03)
医療改革法が成立した日本で「シッコ」は
もはや「対岸の火事」ではありません。
「火の粉」は確実に日本にも飛んできます。
そうなったときが一番怖いですね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-09-24 23:39)
DVD買いましたよ。この映画、直感的にビビビッってきていましたんで。
ちょっと高かったけどそれだけの価値ありました。
永久保存版です。
後期高齢者医療制度が実施されましたよね。
年金生活者も保険料一部負担というアレです。
リタイアしても払い続けるなんて納得いきません。
医療はやはり共産的であるべきですね。
人一人の持てる荷物の重さには必ず限界があると思ってます。
キューバの医療制度には感動しました。
ゲバラの娘さんは常識人ですね。
キューバは高級葉巻の産地でもあるんですよね。
トニー・ベンの当選成績にもびっくりでした。
by 芸夢人 (2008-05-11 15:05)
この作品のテーマは、これから長く続く日本の問題でもありますね。
人の命は救うためにあるのだということを、なんとか伝えて行きたいと思います。
by ken (2008-05-12 00:13)