ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた [2007年 ベスト20]
「ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた」(2006年・アメリカ) 監督・脚本:エイドリアン・シェリー
運がいいと年に1本、ないしは2本。
女性監督が撮った女性が主役の秀作とめぐり合うことがあります。
例えば、
「死ぬまでにしたい10のこと」
「幸せになるためのイタリア語講座」
「マーサの幸せレシピ」
「女はみんな生きている」
「かもめ食堂」
いずれも男性の監督には撮れないだろう女性らしい視点と優しさとユーモアに溢れた作品でした。
この「ウェイトレス」も、そんな一品です。
タイトルのウェトレスは3人登場します。
一人目はパイ作りの天才、ジェンナ。
二人目は寝たきりの夫を持つベッキー。
三人目は引っ込み思案で彼氏がいないことが悩みのドーン。
3人は南部の田舎町にあるダイナーで働く同僚で、お互いを思いやりながら日々生きています。
本編はまずこの3人芝居から始まるのですが、「3人芝居が書けてこそプロ」と言われる脚本が実によく出来ています。テンポも展開も心地良く、観客はあっという間に映画の世界観に引きずり込まれることでしょう。
ストーリーは嫉妬深い夫アールと別れて新しい人生を夢見るジェンナを軸に展開します。
ジェンナはいつか家を出て、隣町で開かれるパイコンテストに出場して、優勝賞金でパイ専門店を開くのが夢。そんな夢の実現に立ちはだかるのが夫のアールです。
このアールのキャラクター設定と演じたジェレミー・シストが良かった。彼が本作品の完成度を高めていると言っても過言ではありません。
まるで「ダース・ベイダーのテーマ」のようだったアールが鳴らすクラクション。完全否定出来そうで出来ない微妙な性格付けと台詞の数々。ジェンナと観客にとってアールは“共通の敵”となるわけで、彼の圧倒的な存在感が中だるみを一切作らずドラマを牽引して行くのです。
他の登場人物もキャラクター設定は見事でした。
自分の店で毎日小難しい注文をふっかけるオーナー。
顔を見れば「さっさとしろ!」しか言わない店長。
ドーンに一目惚れして店に押しかけるストーカー。
唯一産婦人科医のDr.ポマターだけが緩かった気がするのですが、それ以外は完璧。
もうひとつ楽しんだのは、男の監督には描けない女性監督ならではの恋愛の展開。積極的だったり、情熱的だったり、現実的だったりする恋愛模様は見応えがありました。
決してウェットな作品ではありません。
女性は全員が溜飲を下げ、男だけが「なんで?」と思ってしまうエンディングに女性はほくそ笑んでください(笑)。
レディースデイは満員必至の名作です。
運がいいと年に1本、ないしは2本。
女性監督が撮った女性が主役の秀作とめぐり合うことがあります。
例えば、
「死ぬまでにしたい10のこと」
「幸せになるためのイタリア語講座」
「マーサの幸せレシピ」
「女はみんな生きている」
「かもめ食堂」
いずれも男性の監督には撮れないだろう女性らしい視点と優しさとユーモアに溢れた作品でした。
この「ウェイトレス」も、そんな一品です。
タイトルのウェトレスは3人登場します。
一人目はパイ作りの天才、ジェンナ。
二人目は寝たきりの夫を持つベッキー。
三人目は引っ込み思案で彼氏がいないことが悩みのドーン。
3人は南部の田舎町にあるダイナーで働く同僚で、お互いを思いやりながら日々生きています。
本編はまずこの3人芝居から始まるのですが、「3人芝居が書けてこそプロ」と言われる脚本が実によく出来ています。テンポも展開も心地良く、観客はあっという間に映画の世界観に引きずり込まれることでしょう。
ストーリーは嫉妬深い夫アールと別れて新しい人生を夢見るジェンナを軸に展開します。
ジェンナはいつか家を出て、隣町で開かれるパイコンテストに出場して、優勝賞金でパイ専門店を開くのが夢。そんな夢の実現に立ちはだかるのが夫のアールです。
このアールのキャラクター設定と演じたジェレミー・シストが良かった。彼が本作品の完成度を高めていると言っても過言ではありません。
まるで「ダース・ベイダーのテーマ」のようだったアールが鳴らすクラクション。完全否定出来そうで出来ない微妙な性格付けと台詞の数々。ジェンナと観客にとってアールは“共通の敵”となるわけで、彼の圧倒的な存在感が中だるみを一切作らずドラマを牽引して行くのです。
他の登場人物もキャラクター設定は見事でした。
自分の店で毎日小難しい注文をふっかけるオーナー。
顔を見れば「さっさとしろ!」しか言わない店長。
ドーンに一目惚れして店に押しかけるストーカー。
唯一産婦人科医のDr.ポマターだけが緩かった気がするのですが、それ以外は完璧。
もうひとつ楽しんだのは、男の監督には描けない女性監督ならではの恋愛の展開。積極的だったり、情熱的だったり、現実的だったりする恋愛模様は見応えがありました。
決してウェットな作品ではありません。
女性は全員が溜飲を下げ、男だけが「なんで?」と思ってしまうエンディングに女性はほくそ笑んでください(笑)。
レディースデイは満員必至の名作です。
ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた (初回生産分限定“幸せなパイのレシピブック”付)
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- メディア: DVD
最初のリストアップされた作品たち、大好きなのばかりです。
これは観なくっちゃですね。公開が楽しみです。
by (2007-10-21 08:00)
書き忘れましたが、ウェイトレスの一人、ドーンを演じたのが
監督のエンドリアン・シェリーです。
不幸な事件でこの作品の完成後に亡くなっていて、それだけが残念です。
楽しんできてください。
by ken (2007-10-21 12:14)
今年の夏休みに英国航空の機内で観て女は強いなあ、とエンディングにニヤリとしました。
主人公以外の登場人物もどれも味わい深くて特にストーカーの男がおかしくて(仰る通り産婦人科の先生だけはちょっと、、、でしたが)、私も小さい画面ながら見入ってしまいました。
てっきり女性向けの映画かと思いましたが、男性のkenさんから観ても良い作品ということでホッとしました。。。
by うつぼ (2007-10-21 19:21)
ストーカーの男は「オーシャンズシリーズ」のエディ・ジェイミソンなんですよね。
出てきたときはホントに笑いました。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-10-21 23:06)
こんばんは。すごく観たいなあと公開を待ち焦がれている作品です。
やっぱり面白そうですね~
レディースデイには負けそうなので、公開したら平日に挑戦してきます!
by non_0101 (2007-10-22 23:22)
僕はレディスデーに行って、女性のお客さんの反応を楽しみたいですね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-10-23 01:24)
ようやく観てきました~ エンディングは最高ですね!
東宝1000円均一の14日だったので、男性もチラホラいました。
女性たちはみんな楽しそうに帰って行きました(^^)
でも、私の前列にいた白髪のおじさんは、なんだかかったるそうでした(笑)
by non_0101 (2007-12-18 01:18)
白髪のおじさんはかつてこんな女性と付き合っていたのかも知れませんね。
そう思うと劇場で観るのもやっぱり楽しいなと思います。
by ken (2007-12-18 03:06)
女性の脚本・監督だったから、女性目線の映画だったんですね。
あのドーンが監督?びっくりです。
亡くなられたのは、ほんとに残念ですね。
あのストーカー、オーシャンズの1人かあ。
どこで見たっけ?と思ってたんです。
いい映画でした。「死ぬまでにしたい10のこと」も、いい映画ですよね。
by kotori (2008-01-20 20:40)
オーシャンズの1人がストーカーって面白いですね(笑)。
女性が撮る映画って男からすると興味深い作品がたくさんです。
by ken (2008-01-20 23:32)
夫役は素晴らしかったですね。
嫌な役なんだけど、ジェンナを愛しているからこそって
思うので憎めない役でもありました。
すがって泣くシーンは、ちょっとかわいそうになりました。。。
by green (2008-08-26 19:38)
ドラマにおける女性の引き立て役をうまく演じていたと思います。
大事なんですよ、ああいうポジションもw
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-08-27 00:45)