ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 [2007年 レビュー]
「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」(2005年・イギリス) 監督スティーヴン・ウーリー
1963年生まれの僕はストーンズを聴かずに育った。
「どうしてストーンズを聴かずにオトナになったんだろう?」と思ったのは1990年。彼らが初来日したときだった。
僕の周囲もそりゃ大騒ぎで、当時勤めていた会社の同僚の中には「今日も行く」と言っては会社を抜け出し、翌日「もうダフ屋と顔なじみになっちゃったよ」と笑うヤツもいたくらいだ。
とにかく90年の2月下旬は居心地が悪かった。
どれだけ騒ぎになっていようと僕はダフ屋からチケットを買ってまでライブに行こうとは思わなかったし、けれど周りは「ストーンズ行った?」がまるで合言葉のように繰り返されていたからだ。
あれから15年以上が経ち、ストーンズに関する知識は未だにほとんど無いけれど、それでもこの映画を観ようと思ったのはスキャンダラスなタイトルに惹かれたからだ。
観ればロックスターの堕落には絶対欠かせない「酒・ドラック・女」の三点盛りで、その点について目新しさは何も無かったのだけれど、不思議と最後まで興味を損なわず観ていられたのはオープニングのシーンの作りが巧かったからだと思う。
小さなクラブで演奏する若きストーンズのモノクロ映像から、まもなく夜のプールへとシーンは移る。
ブライアン・ジョーンズの生涯を描くには少し乱暴な時系列の飛躍だが、その落差が観客の興味を惹く。
「ストーンズのリーダーはなぜ自宅のプールで死んだのか?」
本作はオープニングからわずか5分ほどで、テーマと目指すゴールを提示して見せたのである。これは実に観易い作りだったと思う。ストーンズに詳しくない僕のような人間にもプールのシーンから始めたのは“つかみ”として正解だった。
しかしブライアンの半生を描きながら、途中生活を共にしていた建築業者フランクの視点へとずれてしまうのは、あきらかに脚本のブレ。修正の余地は無かったものかと思った。
ロックスターの伝記映画を観たことがない人なら、まずまず楽しめるだろう。
例えば「ドアーズ」や「Ray」を観ている人にとっては、酒・ドラック・女のお約束三点セットに「またか」と思うかも知れない。けれどローリング・ストーンズを作ったブライアン・ジョーンズの死を題材にした実録モノだけに、ついつい前のめりで観てしまうのも事実。
ストーンズを聴かずに育った僕は、若かりし頃のミック・ジャガー、キース・リチャーズがどんな顔をしていたのか知らない。だから似ているのか似ていないのか分からないのが困った。
1963年生まれの僕はストーンズを聴かずに育った。
「どうしてストーンズを聴かずにオトナになったんだろう?」と思ったのは1990年。彼らが初来日したときだった。
僕の周囲もそりゃ大騒ぎで、当時勤めていた会社の同僚の中には「今日も行く」と言っては会社を抜け出し、翌日「もうダフ屋と顔なじみになっちゃったよ」と笑うヤツもいたくらいだ。
とにかく90年の2月下旬は居心地が悪かった。
どれだけ騒ぎになっていようと僕はダフ屋からチケットを買ってまでライブに行こうとは思わなかったし、けれど周りは「ストーンズ行った?」がまるで合言葉のように繰り返されていたからだ。
あれから15年以上が経ち、ストーンズに関する知識は未だにほとんど無いけれど、それでもこの映画を観ようと思ったのはスキャンダラスなタイトルに惹かれたからだ。
観ればロックスターの堕落には絶対欠かせない「酒・ドラック・女」の三点盛りで、その点について目新しさは何も無かったのだけれど、不思議と最後まで興味を損なわず観ていられたのはオープニングのシーンの作りが巧かったからだと思う。
小さなクラブで演奏する若きストーンズのモノクロ映像から、まもなく夜のプールへとシーンは移る。
ブライアン・ジョーンズの生涯を描くには少し乱暴な時系列の飛躍だが、その落差が観客の興味を惹く。
「ストーンズのリーダーはなぜ自宅のプールで死んだのか?」
本作はオープニングからわずか5分ほどで、テーマと目指すゴールを提示して見せたのである。これは実に観易い作りだったと思う。ストーンズに詳しくない僕のような人間にもプールのシーンから始めたのは“つかみ”として正解だった。
しかしブライアンの半生を描きながら、途中生活を共にしていた建築業者フランクの視点へとずれてしまうのは、あきらかに脚本のブレ。修正の余地は無かったものかと思った。
ロックスターの伝記映画を観たことがない人なら、まずまず楽しめるだろう。
例えば「ドアーズ」や「Ray」を観ている人にとっては、酒・ドラック・女のお約束三点セットに「またか」と思うかも知れない。けれどローリング・ストーンズを作ったブライアン・ジョーンズの死を題材にした実録モノだけに、ついつい前のめりで観てしまうのも事実。
ストーンズを聴かずに育った僕は、若かりし頃のミック・ジャガー、キース・リチャーズがどんな顔をしていたのか知らない。だから似ているのか似ていないのか分からないのが困った。
私も90年ごろから聴き始めたのですが、
すっかりストーンズにハマりました。
ブライアン・ジョーンズの天才的な才能は認めますが、
素行についてはあまりにもひどかったみたいなので
観たくないような観たいような…。
by サラダ (2007-12-12 11:52)
観ると引いちゃうかもしれませんが、
ストーンズを愛しているなら観るべきです。
すべてを受け入れてあげてください(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-12-12 16:21)
あたしは1971年生まれですが、
周りの大人がストーンズ聴かせてくれたおかげで
変な大人になった気がします(笑)
この映画、観るのを忘れてた事に気付かせてもらいました!
…ロックな映画はお酒でも呑みながら、
自分もそれなりにのめり込んで観たいので
やっぱりゆっくり時間のある時に…
と思って、また忘れないよーにしないと(^^ゞ
by レイちゃん (2007-12-12 22:18)
もしレイちゃんさんが酒もタバコもやる人なら
どっちも楽しみながら観るといいかも知れませんね。
ぜひお忘れなく!(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-12-13 02:07)
>ストーンズに詳しくない僕のような人間にもプールのシーンから始めたのは“つかみ”として正解だった。
このコメント読んで、「ほー。なるほど」と思いました。
確かにこのシーンがないと分かりにくいですね。
映画のストーリーって順番とかちゃんと意味があるんだなと実感しました。
by Collection (2008-06-30 11:55)
映像や音楽の面白みの一つは、やはり編集ですね。
編集次第でその様子はまるで変わります。
だから作業としても面白いんですよねえ。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-06-30 16:57)