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ロード・オブ・ウォー [2007年 レビュー]

ロード・オブ・ウォー」(2005年・アメリカ) 監督・脚本:アンドリュー・ニコル

 2007年の個人的ベストワン作品「ブラッド・ダイヤモンド」のアナザーサイドと言ってもいい秀作。
 ノンフィクションをベースにアンドリュー・ニコルがオリジナル脚本を書き、ニコラス・ケイジがウクライナ出身の武器商人を演じています。

 映画や小説ってヤツはおもしろいもんで、主人公がどんなに悪党であっても「人間としての生き様」を僕たちは目撃するわけですから、ついつい入れ込んじゃいますよね。警察から追われてりゃ「逃げ延びろ!」って思うし、同じ悪党に殺されかけたら「先にやっちまえ!」って思う。
 この作品もそうです。
 主人公のユーリーが撃たれそうになったり、インターポールに追いかけられたりするといちいちハラハラする。そしてその都度「助かってくれ!」と願っている自分がいます。
 ところが、ユーリーが調達した武器の代金をダイヤモンドで払おうとする連中が出てきた瞬間に僕は引きました。それは前出の「ブラッド・ダイヤモンド」を観ていたからです。その瞬間からさすがにニコラス・ケイジには肩入れ出来なくなりました。
 でも。
 じゃあどうしてこんな役をニコラス・ケイジは引き受けたんだろう?と思うわけです。
 ハリウッドの大スターです。突拍子もないいろんな役をやる俳優だとは言え、役柄が与えるイメージの影響だって考えなきゃいけない(「ゴースト・ライダー」なんか引き受けるくらいだから、本人もエージェントも無頓着なのかも知れないけど)。なんだってこの役を?と思っていたら意外な結末が待っていました。
 それは大いなる皮肉。
 胸のすくエンディングじゃないけれど、納得感の高い結末でした。と、同時にニコラスがこの役を引き受けた理由も分かるのです。
 「求められるからやるんだ」
 ストーリーとも関係するこの理由は、紛争ダイヤモンドの登場によって引いてしまった僕の気持ちを再び引き寄せるに十分なものでした。
 R-15は必然。
 軍産複合体の一端を垣間見てしまう強烈な1本です。

ロード・オブ・ウォー

ロード・オブ・ウォー

  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: DVD

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コメント 7

ecco

えっと。
王はこえたのかい??
簡単にしなねーとは思ってるからさ~~~(笑)
by ecco (2007-12-22 23:24) 

ken

王はこえた…?
すいません。意味が分かりませんでした。
by ken (2007-12-23 02:02) 

u_yasu

こんばんわ、お邪魔します。
『ブラッド・ダイヤモンド』、まだ観てないんで、それを観てから、もう一回、この映画、観直してみたいなぁ〜と思います!!
by u_yasu (2007-12-23 17:04) 

non_0101

こんにちは。
約2年前に観た作品です。結構、強烈な印象がありました。
「ブラッド・ダイヤモンド」を観た今では、また違う印象を持つのでしょうか。
もう一度観てみたいです(^^)
by non_0101 (2007-12-23 17:39) 

ken

>u_yasuさん
 「ブラッド・ダイヤモンド」だけは絶対に観てみて下さい!
 お願いします!
 nice!ありがとうございます。

>non_0101さん
 僕は「ロード・オブ・ウォー」→「ブラッド・ダイヤモンド」の順でもいいと
 思いますけどね。これはセットでオススメします。
 nice!ありがとうございます。
by ken (2007-12-23 18:27) 

**feeling**

私の愛する。
ギャオでやってた。
でも見なかった~。
ニコラスケイジの髪の毛が心配なの。
本気で。
by **feeling** (2007-12-23 20:59) 

ken

なに言ってんですか。
彼はとっくの昔にズラですよ。
by ken (2007-12-23 21:10) 

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