ザ・プレイヤー [2007年 レビュー]
「ザ・プレイヤー」(1992年・アメリカ) 監督:ロバート・アルトマン 原作・脚本:マイケル・トルキン
以前、「今宵、フィッツジェラルド劇場で」を観ようとネットで情報検索していたら、ロバート・アルトマン作品ではこの「ザ・プレイヤー」が傑作だという記事を目撃してしまった。
別に「今宵~」を観ようとしてたんだから、素直にそれを観ればいいものを、観ようとしていた監督の聞いたこともないタイトルを、しかも「傑作」と言われてしまうと、つい手を出したくなる…。
これは最近の僕の特徴です。
例えば「行定勲シリーズ」のように1人の監督に執着したり、「裕次郎シリーズ」あるいは「キングコング新旧3本見比べ」なんて独自の企画を立てて、今年はホント沢山の旧作を観ましたねぇ。でもこれって独り善がりな企画なんですよ。だって「キングコング」なんて未だに1件のコメントも付いてませんから(笑)。はたして皆さんの役に立ってたのでしょうか。今年の「ナニミル?」は。
「ザ・プレイヤー」はハリウッドの舞台裏をシニカルな目線で描いた群像劇です。
主人公はある映画会社の脚本担当重役グリフィン(ティム・ロビンス)。彼のところに脅迫めいた絵葉書が届くようになり、その差出人を探し始めたところから物語が始まります。その過程で映画会社の社長、ヘッドハンティングされた重役、売り込みに必死な脚本家、そして実名でカメオ出演する数々の俳優など、ハリウッドに巣食うあらゆる人間が次から次に登場するのですが、いかんせんこれはマニア向け映画。業界の実情を知らなければ、何を面白がればいいのかすら分からない作品だと思います。
言い換えるとブラックジョークを笑えない状態と一緒。
笑えないのは自分にその知識が無いからなんだけど、笑えないジョークの意味をあとでわざわざ確認するのもダサい気がするんですよね、僕は。だからハリウッドにすごく興味があって、分からない言葉の意味を逐一調べることも厭わない人なら、観てもいいと思います。でないとアルトマン監督の演出意図は汲み取れないでしょう。
冒頭約8分間の長回しは良かったんですけどねえ。余計な期待をして失敗しました。
そういや「ショート・カッツ」もイマイチだと思ったんだよなあ。僕とアルトマンとの相性が良くないのかしら?(笑)。
ハリウッド映画に最高潮に関心のある時期にちょうど公開されたので、もう私もマニア気取りでほくそ笑みながら観た映画です。懐かしい。若気の至りでした。今は内輪ウケのわりには大金かけすぎじゃないかと思いますけどね。
アルトマンといえば「プレタポルテ」も似たような、一部の人だけが盛り上がればOK的な雰囲気でした。「プレタポルテ」の方がわかりやすかったですが。
by satoco (2007-12-27 01:09)
ここまで来たら、なぜアルトマンがウケるのかを探らないと
気が済まなくなって来ました。でも、来年の宿題かな?w
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-12-27 01:50)