チェ 28歳の革命 [2008年 レビュー]
「チェ 28歳の革命」(2008年・アメリカ/フランス/スペイン) 監督:スティーブン・ソダーバーグ
ソダーバーグの新作というよりも、これは主演のベネチオ・デル・トロがプロデューサーを務めた映画、と紹介する方が正しいようだ。チェの映画化に熱心だったのはベネチオ自身であり、このプロジェクトにソダーバーグが登場するのは随分後になってから、と資料で読んだ。
カストロと共にキューバ革命を成立させたアルゼンチン出身の革命家。
僕は以前に「モーターサイクル・ダイアリーズ」を観ていなければ、こんな知識すら持ち合わせなかったと思う。僕はとくにカストロにもチェ・ゲバラにもキューバにも興味はない。僕が今回興味を持ったのは①ソダーバーグが、②ベネチオ・デル・トロを主演に、③今さらチェ・ゲバラという人物を、④2部作として撮った、という事実だけだ。
中でも僕は「2部作」である点に強い関心を持っていた。
それは1本の映画としてはほぼ限界に近い180分程度にもまとめられない壮大なストーリーになっている、ということであるからだ。PART1は132分。PART2は133分。計4時間25分。
予習が必要なことは間違いない。
僕はチェ・ゲバラのプロフィールをWikipediaで確認し、試写に臨んだ。
さて本題である。
僕は前日19時間労働をし、睡眠時間は4時間だった。そして本編中、激しい睡魔に襲われる。
映画を観る前。
よほど面白ければ「眠くなるかと思ったが全くの杞憂だった」と書くつもりでいた。
無理だった。
本編は、チェがアメリカ人ジャーナリストのインタビューを受けるシーンから始まる。これは途中何度かインサートされる重要なシーン。この構成自体は巧いと思った。これなら演出技法のひとつである主人公のナレーションを合法的に使うことが出来るからだ。もしも何のエクスキューズもなく、ただチェ(ベネチオ・デル・トロ)一人称のナレーションが入っていたら、それは間違いなくフィクションであり、作品のタッチを大きく変えたことだろう。
とまれ僕は試写室で意識を失いかけていた。
僕はチェの生涯を順を追って確認しただけなので、時系列が入れ替えられていることに気付いた瞬間、混乱した。それは九九を丸暗記したばかりの小学生と同じ。いきなり8の段。それも「8×9は?」と聞かれて答えに窮する。「じゃあ8×8はなんだっけ?」そんな気分だった。
この映画を観るために予習は必要だ。しかしだからこそ、期待外れな点もあった。
それは「キューバ危機」のシークエンスがなかったことだ。
チェ・ゲバラはこのとき、キューバを蔑ろにしたソ連とアメリカのやりかたを見ながら、やがてカストロと袂を分かつ重大な決意をする。それが「別れの手紙」に繋がるのだが、この一連がなかったのは本当に残念だった。
PART1はキューバ革命成立までの物語である。
時系列をシャッフルされて混乱した僕は、チェの立ち位置が途中分からなくなって困った。
映画会社からもらった資料には「キューバ上陸から、キューバ革命成立までのチェ・ゲバラ軍の行程」という地図が掲載されていた。これは分かり易い。同様の地図が本編にもあるとより理解出来たのに。惜しい。
ソダーバーグの新作というよりも、これは主演のベネチオ・デル・トロがプロデューサーを務めた映画、と紹介する方が正しいようだ。チェの映画化に熱心だったのはベネチオ自身であり、このプロジェクトにソダーバーグが登場するのは随分後になってから、と資料で読んだ。
カストロと共にキューバ革命を成立させたアルゼンチン出身の革命家。
僕は以前に「モーターサイクル・ダイアリーズ」を観ていなければ、こんな知識すら持ち合わせなかったと思う。僕はとくにカストロにもチェ・ゲバラにもキューバにも興味はない。僕が今回興味を持ったのは①ソダーバーグが、②ベネチオ・デル・トロを主演に、③今さらチェ・ゲバラという人物を、④2部作として撮った、という事実だけだ。
中でも僕は「2部作」である点に強い関心を持っていた。
それは1本の映画としてはほぼ限界に近い180分程度にもまとめられない壮大なストーリーになっている、ということであるからだ。PART1は132分。PART2は133分。計4時間25分。
予習が必要なことは間違いない。
僕はチェ・ゲバラのプロフィールをWikipediaで確認し、試写に臨んだ。
さて本題である。
僕は前日19時間労働をし、睡眠時間は4時間だった。そして本編中、激しい睡魔に襲われる。
映画を観る前。
よほど面白ければ「眠くなるかと思ったが全くの杞憂だった」と書くつもりでいた。
無理だった。
本編は、チェがアメリカ人ジャーナリストのインタビューを受けるシーンから始まる。これは途中何度かインサートされる重要なシーン。この構成自体は巧いと思った。これなら演出技法のひとつである主人公のナレーションを合法的に使うことが出来るからだ。もしも何のエクスキューズもなく、ただチェ(ベネチオ・デル・トロ)一人称のナレーションが入っていたら、それは間違いなくフィクションであり、作品のタッチを大きく変えたことだろう。
とまれ僕は試写室で意識を失いかけていた。
僕はチェの生涯を順を追って確認しただけなので、時系列が入れ替えられていることに気付いた瞬間、混乱した。それは九九を丸暗記したばかりの小学生と同じ。いきなり8の段。それも「8×9は?」と聞かれて答えに窮する。「じゃあ8×8はなんだっけ?」そんな気分だった。
この映画を観るために予習は必要だ。しかしだからこそ、期待外れな点もあった。
それは「キューバ危機」のシークエンスがなかったことだ。
チェ・ゲバラはこのとき、キューバを蔑ろにしたソ連とアメリカのやりかたを見ながら、やがてカストロと袂を分かつ重大な決意をする。それが「別れの手紙」に繋がるのだが、この一連がなかったのは本当に残念だった。
PART1はキューバ革命成立までの物語である。
時系列をシャッフルされて混乱した僕は、チェの立ち位置が途中分からなくなって困った。
映画会社からもらった資料には「キューバ上陸から、キューバ革命成立までのチェ・ゲバラ軍の行程」という地図が掲載されていた。これは分かり易い。同様の地図が本編にもあるとより理解出来たのに。惜しい。
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チェ・ゲバラという人に、とても興味があります。
行為もなんだけれど、なんて色っぽくて魅力に溢れた男の人なんだろう・・と。私もほとんど知識が無いから「時系列」にしてくれた方が、わかりやすかっただろと思います。でも見たいです。
この主演の人が、古谷一行に似てるなあ・・と思ってしまいます。
by Sho (2008-12-21 10:41)
古谷一行…この写真だけ、だと思います。
映画の中のデル・トロはもっと濃くて熱い人です。惚れるかもw
by ken (2008-12-21 11:02)
こんにちは☆
ソダーバーグじゃなくて、デルトロの方がゲバラ好きなんですね。
知らなかった〜。
確かに、今回のデルトロはすごく気合いを感じます。
私も時代背景を何となく、、しか知らないので混乱しました(^-^;
予習必須☆ですね! そのわかりやすい地図…観たかったデス。
by ジジョ (2008-12-22 05:44)
リサーチに7年もかけたそうで、素材が多くなっちゃったばかりに
どう料理していいか分からなくなっちゃったカンジですかねえ。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-12-22 10:36)