チェ 39歳別れの手紙 [2008年 レビュー]
「チェ 39歳別れの手紙」(2008年・アメリカ/フランス/スペイン) 監督:スティーブン・ソダーバーグ
冒頭、ロールテロップによりチェがキューバを離れたいきさつが紹介される。
おそらくPART2から観ることになった客に対する配慮だろう。
明けると、カストロが共産党中央委員会の場でチェの手紙を読み上げるシーンに繋がる。
観易いと思う。
チェの意思と目指すところは、ここまでのわずかな時間ですべてが伝わるからだ。
しかし、僕は途中でまたしても睡魔に襲われた。
誰が味方で、誰が敵なのか。チェは一体誰と戦っているのか。何もかもが分からなくなった。
「PART1に比べたら断然分かり易い」と安心した矢先、僕は結局一夜漬けでしかない知識を呪う羽目になった。
そうは言っても僕が最も期待をしていた「人間 チェ・ゲバラ」の部分は薄かった。
革命家であると同時に、働き者で、勉強家で、芸術を理解した“旅人”の素顔はなかなか見ることが出来なかった。唯一「お父さんの友人」と偽って子供たちと過ごした最後の1日と、ボリビアの子供たちにカメラを教えるほんのわずかなシーンにのみ、彼の暖かさが見られた程度だ。
映画会社からもらった資料の中に、チェが書いた手紙の文面があった。
チェはキューバを離れる際に3通の「別れの手紙」を書いた。
一通は本編の冒頭で読み上げたカストロあて。
もう一通は妻にあてた手紙。
そしてもう一通は「子供たちへの最後の手紙」だ。
この手紙を読まねばならないとき、
お父さんはそばにいられないでしょう。
世界のどこかで誰かが不正な目にあっているとき、
いたみを感じることができるようになりなさい。
これが革命家において、最も美しい資質です。
子供たちよ、いつまでもお前たちに会いたいと思っている。
だが今は、大きなキスを送り、抱きしめよう。
お父さんより。
心動かされない人はいないと思う。
僕はこんなチェの側面をもう少し観たかったなと思った。
それにしても。
驚くべきはベネチオ・デル・トロである。似ているとか似ていないの次元じゃない。ベネチオはチェの掲げた理想に共鳴することで、迷いのない演技を引き出している。まるでその肉体をチェに委ねるかのように。もしやここでのベネチオは伝道師なのかも知れない。
PART1もPART2も高い理解力を求められる作品である。製作者の意図を掴むためには周到な準備を要する。
間違っても娯楽作品ではない。しかし偏屈な教育映画でもない。
少なくとも今の時代にこんな人間がいたら、世界はずいぶん違っていたかも知れない、というメッセージはきっと多くの日本人にも伝わるだろう。
時代はヒーローを求めている。
冒頭、ロールテロップによりチェがキューバを離れたいきさつが紹介される。
おそらくPART2から観ることになった客に対する配慮だろう。
明けると、カストロが共産党中央委員会の場でチェの手紙を読み上げるシーンに繋がる。
観易いと思う。
チェの意思と目指すところは、ここまでのわずかな時間ですべてが伝わるからだ。
しかし、僕は途中でまたしても睡魔に襲われた。
誰が味方で、誰が敵なのか。チェは一体誰と戦っているのか。何もかもが分からなくなった。
「PART1に比べたら断然分かり易い」と安心した矢先、僕は結局一夜漬けでしかない知識を呪う羽目になった。
そうは言っても僕が最も期待をしていた「人間 チェ・ゲバラ」の部分は薄かった。
革命家であると同時に、働き者で、勉強家で、芸術を理解した“旅人”の素顔はなかなか見ることが出来なかった。唯一「お父さんの友人」と偽って子供たちと過ごした最後の1日と、ボリビアの子供たちにカメラを教えるほんのわずかなシーンにのみ、彼の暖かさが見られた程度だ。
映画会社からもらった資料の中に、チェが書いた手紙の文面があった。
チェはキューバを離れる際に3通の「別れの手紙」を書いた。
一通は本編の冒頭で読み上げたカストロあて。
もう一通は妻にあてた手紙。
そしてもう一通は「子供たちへの最後の手紙」だ。
この手紙を読まねばならないとき、
お父さんはそばにいられないでしょう。
世界のどこかで誰かが不正な目にあっているとき、
いたみを感じることができるようになりなさい。
これが革命家において、最も美しい資質です。
子供たちよ、いつまでもお前たちに会いたいと思っている。
だが今は、大きなキスを送り、抱きしめよう。
お父さんより。
心動かされない人はいないと思う。
僕はこんなチェの側面をもう少し観たかったなと思った。
それにしても。
驚くべきはベネチオ・デル・トロである。似ているとか似ていないの次元じゃない。ベネチオはチェの掲げた理想に共鳴することで、迷いのない演技を引き出している。まるでその肉体をチェに委ねるかのように。もしやここでのベネチオは伝道師なのかも知れない。
PART1もPART2も高い理解力を求められる作品である。製作者の意図を掴むためには周到な準備を要する。
間違っても娯楽作品ではない。しかし偏屈な教育映画でもない。
少なくとも今の時代にこんな人間がいたら、世界はずいぶん違っていたかも知れない、というメッセージはきっと多くの日本人にも伝わるだろう。
時代はヒーローを求めている。
チェ ダブルパック (「28歳の革命」&「39歳別れの手紙」) [DVD]
- 出版社/メーカー: NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)
- メディア: DVD
観られたんですね。
少し前にモーターサイクル・ダイアリーズを見たので、私も見たいと思ってました。
kenさんのご忠告を聞いて、知識を蓄えてから見たいと思います。
by pandahead (2008-12-21 01:17)
行間を自分で埋める必要があると思いますので
充分に準備を整えてからご覧になってください!
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-12-21 01:46)
こんにちは☆
デルトロのゲバラがなければ、単に退屈な映画だったかも、、
と思うぐらい、デルトロよかったです♪
この映画の為に減量したみたいですが、来日したデルトロは
完全にリバウンドしていましたね、、(^-^;
それでもかっこいいけど☆
by ジジョ (2008-12-22 05:38)
25キロもダイエットしたんですってね。
どんだけ太ってたんだ!と思いましたw
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-12-22 10:34)
本を読むとよろし。
奥さんが書いたチェ・ゲバラ。
私は昔教えられてから大ファンだったけど。
その本を読んでいくうちに、シャイなヤツメと思うようになった。
by **feeling** (2008-12-24 21:57)
ご意見、参考にしまっす。
by ken (2008-12-25 23:52)