3時10分、決断のとき [2009年 レビュー]
「3時10分、決断のとき」(2007年・アメリカ) 監督:ジェームズ・マンゴールド
50年前の映画「決断の3時10分」のリメイク作品。
さすがにオリジナルのままというわけにも行かず幾分アレンジが施されているが、この変更点がかなりビターで結果オリジナルよりさらに骨太な西部劇へと変貌を遂げている。
貧乏農場の主、ダン・エヴァンス(クリスチャン・ベイル)は、借金返済の必要に迫られ、強盗団のボス、ベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)の護送という仕事を引き受ける。目的は遠く離れたコンテンション駅まで送り届け、3時10分初のユタ行き列車に乗せること。しかし移送される前にボスを奪還しようと、強盗団の手下が襲いかかる…。
この映画は主演の2人をツモれた段階で、作品の格がワンランク上がったと言っていい。
ラッセル・クロウとクリスチャン・ベイル。
本国でも衰退の一途をたどる西部劇というジャンルの中、2007年の全米興行収入48位(約5,300万ドル)という成績を上げられたのも、キャスティングの力が大きく左右していたと思われる。
ちなみにジャンル別(Western)の興行成績は歴代10位。2000年代に入ってからベスト10入りした作品は05年の「ブロークバック・マウンテン」(歴代6位)と、00年の「シャンハイ・ヌーン」(歴代8位)の2作品しかなく、BOXOFFICEのデータが西部劇の人気の無さを如実に物語っている。早いハナシがアメリカの若者に西部劇はCOOLじゃないのだろう。
そうは言っても僕は男だから西部劇は好きだ。そこに信念を持った男がいて、社会悪と戦ってくれればそれで言うこと無し。本作の場合は「男のプライド」が重要なテーマになっていて、2人のセリフがときどきバビーン!と僕をシビさせてくれる。特にダンが家を出て行くとき、妻アリスに囁くように心情を吐露するシーンが一番しびれた。「男にはやらなきゃならないときがある」。それをラッセル・クロウとクリスチャン・ベイルの2人が教えてくれるのだ。もうそれだけでどんぶり飯3杯は食える。
せっかくなのでオリジナル版との比較をしておく。
観ていて一番残念だったのは、ウェイドを護送する前にダンの家で時間稼ぎをする件。オリジナルではダンが家族への影響を考えて、かなり抵抗をするのだが、リメイク版ではそこがあっさりし過ぎていて拍子抜けしてしまった。
ダンの家族で言うと、終盤重要な絡みをするのがオリジナル版では妻のアリス、リメイク版では長男のウィリアムになっている。リメイク版はどうせならウィリアムを心配したアリスもやってくる、という設定でも良かった気がする。
そして肝心なのはエンディング。
オリジナルとは大きく異なる結末に驚いた。極めて現代的で悪くないが、まさかここまでビターだとは。
オリジナル版を知らないほとんどの人にはかなり面白い西部劇だと思う。
2大スターの競演は純粋に見もの。
50年前の映画「決断の3時10分」のリメイク作品。
さすがにオリジナルのままというわけにも行かず幾分アレンジが施されているが、この変更点がかなりビターで結果オリジナルよりさらに骨太な西部劇へと変貌を遂げている。
貧乏農場の主、ダン・エヴァンス(クリスチャン・ベイル)は、借金返済の必要に迫られ、強盗団のボス、ベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)の護送という仕事を引き受ける。目的は遠く離れたコンテンション駅まで送り届け、3時10分初のユタ行き列車に乗せること。しかし移送される前にボスを奪還しようと、強盗団の手下が襲いかかる…。
この映画は主演の2人をツモれた段階で、作品の格がワンランク上がったと言っていい。
ラッセル・クロウとクリスチャン・ベイル。
本国でも衰退の一途をたどる西部劇というジャンルの中、2007年の全米興行収入48位(約5,300万ドル)という成績を上げられたのも、キャスティングの力が大きく左右していたと思われる。
ちなみにジャンル別(Western)の興行成績は歴代10位。2000年代に入ってからベスト10入りした作品は05年の「ブロークバック・マウンテン」(歴代6位)と、00年の「シャンハイ・ヌーン」(歴代8位)の2作品しかなく、BOXOFFICEのデータが西部劇の人気の無さを如実に物語っている。早いハナシがアメリカの若者に西部劇はCOOLじゃないのだろう。
そうは言っても僕は男だから西部劇は好きだ。そこに信念を持った男がいて、社会悪と戦ってくれればそれで言うこと無し。本作の場合は「男のプライド」が重要なテーマになっていて、2人のセリフがときどきバビーン!と僕をシビさせてくれる。特にダンが家を出て行くとき、妻アリスに囁くように心情を吐露するシーンが一番しびれた。「男にはやらなきゃならないときがある」。それをラッセル・クロウとクリスチャン・ベイルの2人が教えてくれるのだ。もうそれだけでどんぶり飯3杯は食える。
せっかくなのでオリジナル版との比較をしておく。
観ていて一番残念だったのは、ウェイドを護送する前にダンの家で時間稼ぎをする件。オリジナルではダンが家族への影響を考えて、かなり抵抗をするのだが、リメイク版ではそこがあっさりし過ぎていて拍子抜けしてしまった。
ダンの家族で言うと、終盤重要な絡みをするのがオリジナル版では妻のアリス、リメイク版では長男のウィリアムになっている。リメイク版はどうせならウィリアムを心配したアリスもやってくる、という設定でも良かった気がする。
そして肝心なのはエンディング。
オリジナルとは大きく異なる結末に驚いた。極めて現代的で悪くないが、まさかここまでビターだとは。
オリジナル版を知らないほとんどの人にはかなり面白い西部劇だと思う。
2大スターの競演は純粋に見もの。
クリスファンとして、彼の作品中5本の指に入る秀作だったと思います。
なんといっても、渋いって言葉が軽く聞こえるほどに男らしかった2人(とくにクリス)の役柄がよかったですね。
これに比べると、『パブリック・エネミー』が軽く感じちゃいます。
元ネタも、観てみたいですね。
by クリス (2009-12-31 00:42)
オリジナル版、機会があったらぜひ観てみて下さい。
面白い発見がいくつもあると思いますよ!
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-12-31 01:11)
面白かったです~。
西部劇ってあんまり女性にはウケないと思いますが、
本作はかなりシビレました^^
(実はレンタル中に2回観ました・笑)
by てくてく (2009-12-31 03:31)
面白かったのですが、ラストが納得できませんでした。
オリジナル版を見ていないのですが、この映画でのラッセル・クロウの最後の決断は無理があると感じました。
途中が面白いだけに残念。
ピーター・フォンダが老けてました。
by きさ (2009-12-31 06:19)
>てくてくさん
女性がどうシビれたのか気になりますw
遅ればせながら、あとでちょっとお邪魔しますね。
nice!ありがとうございます。
>きささん
ピーター・フォンダ、最初誰だか分かりませんでしたw
オリジナルを観ただけに、結末は僕も疑問派です。
by ken (2009-12-31 13:03)
久しぶりに観た面白い西部劇でした。私もオリジナル版を知りませんが興味が沸きました。
by ばぁつん (2009-12-31 21:47)
人間ドラマがちゃんと描かれていたから面白いんでしょうね。
オリジナルもDVDがありますから、是非。
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-01-01 12:40)
こんばんは。
この映画をみて、西部劇って面白いなと思いました。
ラッセル・クロウとクリスチャン・ベイル、どちらもいい味をだしてましたね。
ぜひオリジナルもみたいものです。
by coco030705 (2010-05-08 20:28)
西部劇に興味を持ったら、「大いなる西部」をオススメします。
ウィリアム・ワイラー×グレゴリー・ペックの「ローマの休日」コンビによる
作品なんですが、とても分かり易いドラマで、僕はかなり評価しています。
ぜひ。
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-05-09 00:11)