007/ロシアより愛をこめて [2010年 レビュー]
「007/ロシアより愛をこめて」(1963年・イギリス) 監督:テレンス・ヤング
初見。しかも、これがシリーズ2作目だとは知らなかった。
ちなみに本作を「シリーズ最高傑作」という人がいるようだが、僕はそう思わなかった。その理由は後述する。ただボンドガールは間違いなく歴代No.1だ。ダニエラ・ビアンキは美しすぎた。
チョーカー最高。
数ある写真の中から、あえてこれを選んだのは個人的な趣味による(笑)。
ダニエラ・ビアンキは18歳のときミス・ローマに選ばれ、ミス・ユニバースに出場して2位。その後モデルとして雑誌などで活躍していたところ、ボンドガール探しに難航していたスタッフから声がかかり、21歳のときに抜擢されたのだそうだ。知性的で気品があって、それでいてチャーミング。まったく申し分なし、である。どうせならボンドなんかの手に落ちて欲しくなかったくらいだ。
さて中身について。個人的にはストーリーがいまひとつよく呑み込めずに困った。
007シリーズで一番肝心なことは、「誰が何を企んでいて、ボンドは何を阻止しようとしているのか」を忘れないことである。僕は派手なアクションやお色気シーンに騙されて、ときどき「あれ、なんだっけ?」的なことがあるのだけれど、本作の場合は「そこで猫の頭をなでてる人は、そもそも何がしたいわけ?」のまま、本編がスタートしてしまった気がする。
あとで聞いたら、“猫の頭をなでてた人”は、「ドクター・ノオを殺された恨みを晴らすべく、ボンド暗殺を目論んでいた」、というから驚いた。
しかも“猫の頭をなでてた人”は、ただボンドを殺すだけでは飽き足らず、①ソビエトの最新暗号解読機をエサに、ソビエトの美人情報局員とボンドをくっつけて、②2人のエッチなシーンを隠し撮りし、③そのネタでボンドを辱めて殺し、④英国とソビエト両国の顔に泥を塗り、外交関係を悪化させ、⑤ついでにソビエトの暗号解読機を頂いちゃう、という作戦を企てていたのだ。
………。
犯罪組織としてスケールが小さすぎる!
僕はまさかこの程度のこととは思いもしなかったので、ソビエト情報局員タチアナ・ロマノヴァ(ダニエラ・ビアンキ)の真意が分からずに悩んだ。スパイ映画は「騙し、騙されるもの」だと思っていたのに、なにゆえタチアナはボンドに従順なのかが不思議でならなかったのだ。
しかし007の“定型”を作り上げた作品ではあると思う。
まずオープニングクレジットが素晴らしく美しい。踊る女性の身体にカラフルな文字を投影したセンスは抜群。このオープニングの前にプレアクションが入るのもいい。特にのっけからボンドを登場させるアイディアはなにより商業映画らしくていい。
本作から秘密兵器もいろいろと登場した。個人的に注目したのは2眼レフカメラ、ローライフレックス型のテープレコーダー。レンズ脇に絞りとシャッタースピードのダイヤルが認められなかったので、おそらく1962年に発売されたローライコードVb型でないかと思われる。いずれにしてもボンドが上からファインダーを覗く仕草は、ローライ愛好家として嬉しかった。
キャスティングで書き漏らせないのは、屈強な殺し屋を演じたロバート・ショウ。多くを語らせない設定はかなり不気味で、彼こそ「悪役が魅力的ならボンドも引き立つ」ことを教えた立役者だと思う。
脚本には疑問を感じたが、イスタンブール、ヴェネチア、そしてオリエント急行などロケーションは魅力的で大満足。エンドマークのあと、スタッフロールの前にこんな文言が出たのはちょっと笑った。
NOT QUITE THE END
JAMES BOND
WILL RETURN IN THE NEXT IAN FLEMING THRILLER “GOLDFINGER”
え?「ゴールドフィンガー」ってスリラーなの?
初見。しかも、これがシリーズ2作目だとは知らなかった。
ちなみに本作を「シリーズ最高傑作」という人がいるようだが、僕はそう思わなかった。その理由は後述する。ただボンドガールは間違いなく歴代No.1だ。ダニエラ・ビアンキは美しすぎた。
チョーカー最高。
数ある写真の中から、あえてこれを選んだのは個人的な趣味による(笑)。
ダニエラ・ビアンキは18歳のときミス・ローマに選ばれ、ミス・ユニバースに出場して2位。その後モデルとして雑誌などで活躍していたところ、ボンドガール探しに難航していたスタッフから声がかかり、21歳のときに抜擢されたのだそうだ。知性的で気品があって、それでいてチャーミング。まったく申し分なし、である。どうせならボンドなんかの手に落ちて欲しくなかったくらいだ。
さて中身について。個人的にはストーリーがいまひとつよく呑み込めずに困った。
007シリーズで一番肝心なことは、「誰が何を企んでいて、ボンドは何を阻止しようとしているのか」を忘れないことである。僕は派手なアクションやお色気シーンに騙されて、ときどき「あれ、なんだっけ?」的なことがあるのだけれど、本作の場合は「そこで猫の頭をなでてる人は、そもそも何がしたいわけ?」のまま、本編がスタートしてしまった気がする。
あとで聞いたら、“猫の頭をなでてた人”は、「ドクター・ノオを殺された恨みを晴らすべく、ボンド暗殺を目論んでいた」、というから驚いた。
しかも“猫の頭をなでてた人”は、ただボンドを殺すだけでは飽き足らず、①ソビエトの最新暗号解読機をエサに、ソビエトの美人情報局員とボンドをくっつけて、②2人のエッチなシーンを隠し撮りし、③そのネタでボンドを辱めて殺し、④英国とソビエト両国の顔に泥を塗り、外交関係を悪化させ、⑤ついでにソビエトの暗号解読機を頂いちゃう、という作戦を企てていたのだ。
………。
犯罪組織としてスケールが小さすぎる!
僕はまさかこの程度のこととは思いもしなかったので、ソビエト情報局員タチアナ・ロマノヴァ(ダニエラ・ビアンキ)の真意が分からずに悩んだ。スパイ映画は「騙し、騙されるもの」だと思っていたのに、なにゆえタチアナはボンドに従順なのかが不思議でならなかったのだ。
しかし007の“定型”を作り上げた作品ではあると思う。
まずオープニングクレジットが素晴らしく美しい。踊る女性の身体にカラフルな文字を投影したセンスは抜群。このオープニングの前にプレアクションが入るのもいい。特にのっけからボンドを登場させるアイディアはなにより商業映画らしくていい。
本作から秘密兵器もいろいろと登場した。個人的に注目したのは2眼レフカメラ、ローライフレックス型のテープレコーダー。レンズ脇に絞りとシャッタースピードのダイヤルが認められなかったので、おそらく1962年に発売されたローライコードVb型でないかと思われる。いずれにしてもボンドが上からファインダーを覗く仕草は、ローライ愛好家として嬉しかった。
キャスティングで書き漏らせないのは、屈強な殺し屋を演じたロバート・ショウ。多くを語らせない設定はかなり不気味で、彼こそ「悪役が魅力的ならボンドも引き立つ」ことを教えた立役者だと思う。
脚本には疑問を感じたが、イスタンブール、ヴェネチア、そしてオリエント急行などロケーションは魅力的で大満足。エンドマークのあと、スタッフロールの前にこんな文言が出たのはちょっと笑った。
NOT QUITE THE END
JAMES BOND
WILL RETURN IN THE NEXT IAN FLEMING THRILLER “GOLDFINGER”
え?「ゴールドフィンガー」ってスリラーなの?
やはりこの映画の悪役のロバート・ショウはいいですね。
ダニエラ・ビアンキはいいですが、見た時はお子ちゃまだったのでイマイチ魅力がわからず。
あとは本人があたしゃ最高齢のボンドガールだよ、言っていたというロッテ・レーニャの殺し屋も強烈です。
by きさ (2010-04-15 00:16)
エンディング間近で、ホテルの清掃のおばちゃんに化けて出てきたときは
コントかと思って笑ってしまいました。でもボンド・ガールと呼ぶには図々しいw
by ken (2010-04-15 01:43)
ロッテ・レーニャは若いころはドイツ表現主義の名花と言われたそうですが、ボンドガールうんぬんはジョークでしょうね。
#本気だったら怖い。
by きさ (2010-04-15 23:56)
まさか。本気じゃないでしょう。
by ken (2010-04-16 00:47)
猫を抱いているオジチャンは私がみてもちっちゃいですね。
この後のシリーズであっけなくですが、、、突っ込みどころ満載な作品かな
と
こんなに深く考えてみたことがなかったので、改めて見直そうと思います。
by うつぼ (2010-04-18 21:08)
子供の頃は、深く考えずに映画観てますから、
意外となんでもアリだったりしますよね。
それがオトナになると偏屈になって、文句を垂れるようになるとw
でもそんな見方も悪くないと思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-04-19 01:38)
チョーカー最高....Hっぽいなあ、まったく。
by snorita (2010-05-01 11:27)
そういうことに気付く人も、気付く人ですw
by ken (2010-05-01 11:34)