007/ゴールドフィンガー [2010年 レビュー]
「007/ゴールドフィンガー」(1964年・イギリス) 監督:ガイ・ハミルトン
シリーズ3作目。
昭和生まれの人なら、シャリー・バッシーの「♪ ンゴーーールドフィングワア」というインパクト大のヴォーカルを、どこかしらで聴いたことがあるはず。僕も曲は知ってはいたけど、映画は観たことがなかった(だって1歳のときの映画だし)。
さて過去2作が大ヒットしたせいもあって、3作目はさらに調子に乗っている。今でこそ「ボンド映画の基礎となる作品」と評価されているが、見方を変えればただの「やりたい放題」である。
まずはオープニング。鴨の人形を頭に乗せたボンドが水中から現れ、とある施設に侵入するのだが、今どきコントでも見ない設定に仰け反った。本気なのか、それともジョークなのか。イギリス人のやることは僕にはまったく分からない。
続いてビックリしたのは、裏切り者の女を殺すために、わざわざ金粉を全身に塗って殺した手口。なんて手の込んだ殺人なんだ!(笑)。
細かいところも驚きの連続である。クライマックスで重要な役どころを担う女性パイロットの名前。その名も「プッシー・ガロア」である。プッシーってあーた。…大丈夫かイギリス人!原作なんていくらでもいじっていいんだぞ!好きなようにいじっていいんだぞ!(笑)。
こうなると当然、悪役キャラもぶっ飛びはじめる。
前作でクールな悪役を演じたロバート・ショウとは大きく異なり、田舎の小学生が見ても「あ、悪そう」と指をさせそうな、分かりやすいキャラクターが登場した。東洋人のオッド・ジョブ(ハロルド坂田)である。彼は、山高帽のつばに刃物を仕込み、投げて命中すると石像の首をも切断する(出来るかい!)という恐ろしい武器の使い手。ハロルド坂田の風貌も手伝って、極めてマンガ的な悪役の登場となったが、これがのちの「ジョーズ」につながっているのだろう。
そして今回、「ボンドカーと言えばコレ」ともいうべきアストンマーチンDB5(チョーカッコいい!)が初登場する。ところが、ボンドにクルマの説明をするQのセリフが凄い。煙幕だのマシンガンだのといった装備を一通り説明したあと、最後にQはこう切り出す。
Q 「さて、次は目玉だ。
(シフトノブを指さし)レバーのキャップを開けると赤いボタンがある。これには触るな」
B 「なぜだ?」
Q 「ルーフが開いて助手席が空中に舞い上がる」
B 「冗談だろう?」
Q 「私は冗談は言わんよ」
「目玉だ」と言っておいて、「触るな」という人は精神分裂してるとしか思えない(笑)。だいたいフツーなら運転席のシートを脱出用として飛ばすだろうに、助手席を飛ばすってところがストーリー合わせでスゴイ。やりたい放題にもほどがある。
と、そんな作品の評価だが、1作目から点数をつけるとすると、「ドクター・ノオ」75点、「ロシアより愛をこめて」85点、「ゴールドフィンガー」60点といったところだ。
なんたってプッシーが、ボンドとエッチなことしたおかげで改心するって設定が悲しすぎた。もちろん点数の低さはボンドガールの質も大きく影響している(笑)。
ところで本作もエンドクレジットにこんなメッセージが出た。
THE END
OF
“GOLDFINGER”
BUT
JAMES BOND
WILL BE BACK
IN
“THUNDERBALL”
いつまでこんなメッセージが出るのか違った意味で楽しみだ。
シリーズ3作目。
昭和生まれの人なら、シャリー・バッシーの「♪ ンゴーーールドフィングワア」というインパクト大のヴォーカルを、どこかしらで聴いたことがあるはず。僕も曲は知ってはいたけど、映画は観たことがなかった(だって1歳のときの映画だし)。
さて過去2作が大ヒットしたせいもあって、3作目はさらに調子に乗っている。今でこそ「ボンド映画の基礎となる作品」と評価されているが、見方を変えればただの「やりたい放題」である。
まずはオープニング。鴨の人形を頭に乗せたボンドが水中から現れ、とある施設に侵入するのだが、今どきコントでも見ない設定に仰け反った。本気なのか、それともジョークなのか。イギリス人のやることは僕にはまったく分からない。
続いてビックリしたのは、裏切り者の女を殺すために、わざわざ金粉を全身に塗って殺した手口。なんて手の込んだ殺人なんだ!(笑)。
細かいところも驚きの連続である。クライマックスで重要な役どころを担う女性パイロットの名前。その名も「プッシー・ガロア」である。プッシーってあーた。…大丈夫かイギリス人!原作なんていくらでもいじっていいんだぞ!好きなようにいじっていいんだぞ!(笑)。
こうなると当然、悪役キャラもぶっ飛びはじめる。
前作でクールな悪役を演じたロバート・ショウとは大きく異なり、田舎の小学生が見ても「あ、悪そう」と指をさせそうな、分かりやすいキャラクターが登場した。東洋人のオッド・ジョブ(ハロルド坂田)である。彼は、山高帽のつばに刃物を仕込み、投げて命中すると石像の首をも切断する(出来るかい!)という恐ろしい武器の使い手。ハロルド坂田の風貌も手伝って、極めてマンガ的な悪役の登場となったが、これがのちの「ジョーズ」につながっているのだろう。
そして今回、「ボンドカーと言えばコレ」ともいうべきアストンマーチンDB5(チョーカッコいい!)が初登場する。ところが、ボンドにクルマの説明をするQのセリフが凄い。煙幕だのマシンガンだのといった装備を一通り説明したあと、最後にQはこう切り出す。
Q 「さて、次は目玉だ。
(シフトノブを指さし)レバーのキャップを開けると赤いボタンがある。これには触るな」
B 「なぜだ?」
Q 「ルーフが開いて助手席が空中に舞い上がる」
B 「冗談だろう?」
Q 「私は冗談は言わんよ」
「目玉だ」と言っておいて、「触るな」という人は精神分裂してるとしか思えない(笑)。だいたいフツーなら運転席のシートを脱出用として飛ばすだろうに、助手席を飛ばすってところがストーリー合わせでスゴイ。やりたい放題にもほどがある。
と、そんな作品の評価だが、1作目から点数をつけるとすると、「ドクター・ノオ」75点、「ロシアより愛をこめて」85点、「ゴールドフィンガー」60点といったところだ。
なんたってプッシーが、ボンドとエッチなことしたおかげで改心するって設定が悲しすぎた。もちろん点数の低さはボンドガールの質も大きく影響している(笑)。
ところで本作もエンドクレジットにこんなメッセージが出た。
THE END
OF
“GOLDFINGER”
BUT
JAMES BOND
WILL BE BACK
IN
“THUNDERBALL”
いつまでこんなメッセージが出るのか違った意味で楽しみだ。
これ、実は原作は割とアレンジしています。
特に最後の方とか。原作だと単なる金塊強奪ですが、こちらでは金を原爆で汚染するという話になってます。
メッセージはかなり最近まで続いていた様な。
タイトルは出なくなりましたが、最新作でも出たんじゃなかったかな。
by きさ (2010-04-24 08:19)
いや、もう・・久しぶりに笑わせていただきました。鴨から目玉まで。
007って、実は一作もみたことがありません。でもこれだけ長く続いているのは、やっぱりすごく面白いんでしょうね。
ところで「ゴールド」フィンガーって、金粉なんですか?(笑)
私はずーっと「ゴールドのような値打ちのある、何かしらの技をもった」ものと解釈してました(笑)
by Sho (2010-04-25 13:09)
>きささん
原爆ってワードは確かにすごいものを持ってきたなあ、と思って見てました。
>Shoさん
金粉ねーちゃんはオープニングとエンディングにも、イメージショットとして
出てきます。でも意味までは知りませんw
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-04-26 13:27)
生まれる前の作品です。(笑)
ハロルド坂田、、、確かにいかにも、で、漫画っぽいですよね。
原作を読んでいないのでこういうものかと思っていましたが
アルバートブロッコリでない人が製作していたらもっと違うテイストだったかも
しれませんね。。。。
by うつぼ (2010-05-02 13:17)
生まれてました(笑)。
ハロルド坂田って、かなりいい仕事してたと思います。
キャディをやってる姿なんぞ、愛嬌があって良かったですよ。
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-05-02 22:20)