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ジャガーノート [2010年 レビュー]

ジャガーノート」(1974年・イギリス) 監督:リチャード・レスター 脚本:リチャード・アラン・シモンズ

 TSUTAYAで面白い企画をやっている。
 「100人の映画通が選んだ本当に面白い映画」
 その100人って誰なんだ、という疑問は若干あるけれど(だってオレじゃないし)、並んでいるのは僕の世代には懐かしいタイトルが多い。
 一番懐かしかったのは「コーマ」。マイケル・クライトン監督、脚本の医療サスペンスで、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、マイケル・ダグラス主演の映画。僕はこれを中学のときに観て、テーマと内容の面白さに感激した記憶がある。日本では1978年に公開された映画だが、それが2010年になってTSUTAYAの一番いい場所を陣取っているとは、なんとも感慨深い。

 そんな中から「ジャガーノート」を選んだのは、タイトルは知っていたけれど観たことがなく、当時大好きだったリチャード・ハリス主演だったから。「CGがない時代だからすべてがホンモノ」というコピーにもグッと来た。ではどんな映画なのか。

 そもそも「ジャガーノート(juggernaut)」とは止めることの出来ない巨大な力、圧倒的破壊力の意味を持つ単語らしい。なるほど、ジャガー横田のネタ帳じゃないことは分かった。
 豪華客船ブリタニック号がサウザンプトン港を出航し、北太平洋の真ん中に差しかかった頃、“ジャガーノート”を名乗る男から船に時限爆弾を仕掛けたと、船主に連絡が入る。犯人の要求は50万ポンド。しかし船主から連絡を受けた政府、海軍、警察は身代金は払わないと決める。
 船に家族を乗せたマクレオド警視(アンソニー・ホプキンス)は地上での捜査を開始。一方で爆発物処理班が派遣される。ファロン中佐(リチャード・ハリス)率いるスペシャルチームはヘリからダイブし船に乗り込むが、処理作業は難航を極める…。

 この作品の見どころは2つ。
 まずはCGのない時代に撮られた“本気”カットの数々。洋上の客船でホンモノの爆発をさせるわ、荒れる北太平洋にスタントマンを飛び込ませるわ、いちいちホンモノでいちいち驚く。当時の映画人は皆、汗をかいて仕事をしていたのだ。
 そして、「青と赤、2本の導火線。切るならどっち?!」のクライマックス。のちの映画やドラマに影響を与えた、この“究極の選択”は「ジャガーノート」から始まっていたのである。僕にはそれだけでも驚きだった。

 個人的には、もっとグランドホテル形式を強調しても良かったのでは?と思ったけれど、緊張感の与え方は尋常じゃなく良かったと思う。間違いなく映画史の1ページを飾る作品。
 TSUTAYAのこのシリーズ。他の作品も観てみよう。

ジャガーノート [DVD]

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コメント 2

きさ

この映画は面白かったですね。
「青と赤、どっちを切る」がこの作品からという事を知らない人多いんでしょうね。
ユースケ・サンタマリアの「交渉人 真下正義」でもこの映画が大きく取り上げられていました。
「ジャガーノート」とはインドの山車の事だそうで、轢かれて死んで神の元に行くのが幸せなんだそうです。
「コーマ」も面白い映画でしたね。私は名画座で見ました。

by きさ (2010-08-21 08:14) 

ken

CGの無い時代の名作を探すのは面白い作業かも知れません。
「コーマ」も見直したいと思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-08-21 10:01) 

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