SSブログ

イップ・マン 葉問(2010年・香港) [2011年 レビュー]

原題:葉問2/IP MAN 2  
監督:ウィルソン・イップ 脚本:エドモンド・ウォン

 結論から言うと、断然前作の方が面白かった。
 2作目は脚本が凡庸で、B級カンフー映画としか言いようの無いクオリティなのだ。
 ストーリーは1作目からの流れである。
 日本軍に占領された佛山を離れ、香港へと逃げて来たイップ・マン。ここで武館を開こうとするが、香港武術界を仕切るボス、ホン(サモ・ハン・キンポー)たちの邪魔が入ってしまう、というのが序盤の展開だ。 
 
 香港で武館を開くためには、他の流派の師匠連の挑戦を受け、彼らを倒さなければならない、という設定は(いかにもB級だが)なかなかおもしろい。若い弟子が見守る中、初老の師匠たちが「もしや負けるかも知れない」イップ・マンと闘うという肝の座り方は好感が持てるし、師匠連のボスであるサモ・ハン・キンポーもまた老いた身体に鞭打って闘うところもいい。ただ問題はこの先の展開である。
 中盤、中国武術を侮辱するイギリス人プロボクサーが現れ、ある人物が殺されてしまう。そしてお約束の復讐劇となるのだが、この肝心の対決が面白くないのだ。何故か。カンフー対ボクシングという「異種格闘技戦」になってしまったために、カンフーの様式美が堪能出来ないのだ。
 イップ・マン演じるドニー・イェンの身のこなしは相変わらず流れるようで美しい。しかし攻撃と防御が表裏一体となっているカンフーを美しく見せためには、相手もまたカンフーの使い手でなければ、その美しさは半減するのである。永らくカンフー映画を観て来たけれど、そんなことに気付いたのは本作が初めてだった。カンフー最大の魅力は「所作」なのだ。
 1作目が面白かっただけに本当に残念でならない。
 
 最後に少年時代のブルース・リーが出て来る。
 結局イップ・マンを語るとき、ブルース・リーしかないのかと思うと、それも残念なのだが、ブルース・リーとの日々を描いたパート3も観たいと思った。ただ、それだと時代設定から言ってイップ・マンをドニー・イェンが演じられないだろう。
 ドニー・イェンは香港カンフー映画界の至宝である。
 イップ・マンは面白い脚本を作って、どんどんシリーズ化して欲しい。

イップ・マン 葉問 [DVD]

イップ・マン 葉問 [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。