スパイダーマン(2002年・アメリカ) [2012年 レビュー]
原題:SPIDER-MAN
監督:サム・ライミ
脚本:ドン・バージェス
リブートされた新作を観たあとで、前作のレビューを読み直してみようと思ったら、シリーズ1作目だけなかった。僕が映画のレビューを書き始めたのは2004年。前作「スパイダーマン」の公開は2002年だった。と言うワケで久しぶりに観直してみて、レビューを書くことにした。
オープニングタイトルからすぐさま思い出したのは、サウンドトラックがよく出来ていたと言うこと。
音楽を担当したのは「ビッグ・フィッシュ」と「ミルク」でアカデミー作曲賞にノミネートされたことのあるダニー・エルフマン。ティム・バートン作品のほとんどを手掛けている作曲家でもある。つまり「スパイダーマン」の前に「バットマン」も引き受けていたというワケ。
それはともかく、本作「スパイダーマン」のメインテーマは、一介の高校生だったピーター・パーカーの人生が大きく変化して行く様、その“うねり”を見事に表現した曲だった。シリーズ3本を通したメインテーマであるから耳に残っているのも事実だけれど、キャラクターと合致した曲であるからこそ耳にも残っているのだと思う。
さて、MJ(キルスティン・ダンスト)に何の期待していない僕にとって、これはトビー・マグワイアとウィレム・デフォーの映画である。
「ヒーロー映画は悪役が際立ってこそ面白い」は定説中の定説だが、すでに実力派俳優と呼べる域にいたトビー・マグワイアの繊細な演技と、こちらは怪演と呼ぶに相応しいウィレム・デフォーの楽しげな演技が、そのままスパイダーマンとゴブリンの対決にリンクしていて愉しい。
特にウィレム・デフォーの見せ場は自宅の姿見の前で、オズボーンとゴブリンとして対峙する一人二役のシーンだ。怯えるオズボーンと脅すゴブリン。これをワンカットで演じてみせるのだから流石としか言いようが無い。ここはカルト映画でならしたサム・ライミらしい演出でもあり、本作を代表するシーンと言っていいだろう。
ものすごく丁寧な脚本だったのも、いま観ると驚きだった。
とにかく「中学生が観ても分かるもの」を目指したのかと思うほど、分かり易い言葉でセリフが書かれ、分かり易いシーン構成になっていて、観客に頭を使わせるようなシークエンスは皆無だったと思う。悪くいうと「ベタ」。けれど、初の実写映画化でもあり「原作を知らない客にも理解してもらおう」という思いは伝わって来た。善くも悪くも商業映画は分かり易いことが大事だ。だからヒットもしたのだろう。
それにしてもトビー・マグワイアが本当に巧い。
このシリーズはトビーをキャスティング出来た段階で成功は約束されたようなものだったのだ。そう思うと、MJと結婚をし、齢を重ねて行くスパイダーマンの様子も観たかったなと思わなくもない。ま、キルスティンに期待していないので、それほど強くも思わないのだけれど(笑)。
新作を観る前に本作を復習しておくと、かなり楽しめる気がする。
スパイダーマン デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- メディア: DVD
こんにちは。
> MJと結婚をし、齢を重ねて行くスパイダーマンの様子も観たかったなと思わなくもない。
同感です!
by 怪しい探麺隊 (2012-07-22 11:03)
こんにちは。
この作品はとても印象に残っています。色々なシーンをよく覚えています。とてもよくできていたんでしょうね。でも、もう10年も前のことなんですね。月日のたつのはなんと早いことでしょう。
これを観ておくと、新作が数倍楽しめそうですね!
by coco030705 (2012-07-22 14:12)
>怪しい探麺隊さん
でも、そんな展開が許されるのはコミックスくらいのもんですよね。
nice!ありがとうございます。
>coco030705さん
まさか10年も経っていようとは、って感じですよね。
でも今、この映画を観るとロケーションなどはやっぱり古く感じます。
nice!ありがとうございます。
by ken (2012-07-22 19:34)
こないだテレビでやってるのを見て、
MJが映るたび、kenさんの事思い出してました(笑)
トビーのスパイダーマン、好きだったけど、ヒロインとのからみが、
なんか、残念な感じなんですよねー。
キャストの変わった新作も見てみたいと思いますw
by kotori (2012-07-24 23:32)
思い出して頂いてありがとうございますw
キャストが代わるだけで、映画の印象がどれほど変わるか
ぜひ確認してみて下さい!nice!ありがとうございます。
by ken (2012-07-25 17:01)