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バットマン(1989年・アメリカ) [2012年 レビュー]

原題:BATMAN
監督:ティム・バートン
脚本:サム・ハム、ウォーレン・スカーレン

 巷で「ダークナイト ライジング」が賑わっている中、いまティム・バートン版を観るとどうなんだろうと思って、数年ぶりに観てみました。
 と、本題に入る前にちょっと思い出話。

 僕はこの作品もジャパン・プレミアで観ています。会場は確か今はなき渋谷パンテオンだったと思う(業界的に言うとロケバス集合のメッカだった場所。それもまた懐かしい)。
 その日、渋谷駅を降りてパンテオンへ向かっていたら、渋谷東急文化会館の壁に巨大なバットマンマークの看板が貼ってあって、そのあまりの大きさに驚いた記憶があります。僕は「ワーナー・ブラザース、さすがにチカラ入ってるなあ」と思いながら信号を渡り、劇場に入って人の多さにまた驚き、本編を観てさらに驚いた。何に驚いたって
バットマンが黒すぎるのと、ジョーカーが白すぎること(笑)。だってそれまで観たことのあった実写版バットマンはこれだったんですよ。


oshirase177_1.jpg 悪意があるとしか思えないポスター。
 それが初の映画化でこうなったワケです

batman.jpg この黒さには驚いた。
 
 さらに驚いたジョーカーの白さ。これはジョーカーがというよりも、ジャック・ニコルソンがまっちろけで驚いたんですね。いくらもらったらここまでやるんだと思いましたよ。そうしたら案の定、相当なギャランティとオプションだったらしいですけど。

 黒いと言いつつ、このコスチュームはかなり気に入っています。正直言うとダークナイトのコスチュームより好きです。なんたって黄色のワンポイントがかなり効いてる。ダークナイトはホントに真っ黒ですからね。
 他にもいくつか気に入っているポイントはあります。
 まずはバットマン登場のシーン。カッコ良く登場したはずがチンピラに撃たれてぶっ倒れる演出は、かなり意表を突いていて最高のつかみだったと思います。きっとスーパーマンとの違いを見せたかったんでしょう。ティム・バートンは。
 もうひとつ。「ブルース・ウェインの両親を殺害したのは若き日のジョーカーだった」という設定。これはジャック・ニコルソンのための措置だったと思います。つまりこれだと「バットマンを生んだのはジョーカー」と言えるワケで、ジョーカーの価値を高めることが出来るからです。原作にはない本編オリジナルの設定ですが、これも悪くないと思っています。
 さらにもうひとつは音楽。
 ダニー・エルフマンはティム・バートンとサム・ライミが絶大なる信頼を置く作曲家で、結果「バットマン」と「スパイダーマン」の両方を担当することになる人。本作の音楽と言えばプリンスの主題歌に耳が行きがちですが、実際はダニー・エルフマンのスコアあってこそバットマンのイメージは確立出来たのだと思います。それほどの出来栄え。

 ただし、クリストファー・ノーラン版を観てしまうと、悲しいかな本作は「絵が狭い」ことに驚きます。残念ながら明らかに予算の問題。それでもアカデミー賞の美術賞を受賞しているのですから、当時としてはかなり“頑張ってた”ということでしょう。
 いずれにしても初の映画化となった「バットマン」は全世界で4億1000万ドル(当時のレートで約570億円)を稼ぐわけですから、大成功となったワケです。で、問題はここから。このシリーズを観て行くと「続編ビジネス」の迷走ぶりが見て取れます。
 さて僕が続きを観るかどうかは、今後の気分次第ということで(笑)。

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コメント 9

Sho

いやあ、朝からすごいものを見せていただきました(笑)
1枚目のポスターの出来の悪さと棒読みみたいなコピーも素晴らしいですが、2枚目には恐怖すら感じます(笑笑)
「バットマン」というと、アニメのイメージが強いです。
子どもの頃、夕方にやっていた記憶があります。もう50年近く前ですね。
「ダークナイト」は見てみたいと思います。
by Sho (2012-08-12 09:41) 

yonta*

最初のバットマンの姿、初めて見ましたが、
ちょっと偽物みたいですね(笑)。
ノーラン版の3作は、もちろん素晴らしいですが、
(アン・ハサウェイ、美しくてため息がでました)
ティム・バートンの1~2作、とても好きです。
ゴッサムの暗さといかがわしい雰囲気が、特に良くて。
by yonta* (2012-08-12 12:25) 

ken

>Shoさん
 1枚目のポスターは僕も今回初めて見つけたんですけど、のけぞりましたよ。
 「ダークナイト」はまったく別物ですので、どうぞお楽しみ下さい。

>yonta*さん
 僕にとってはテレビ版こそ、ホンモノだったんですよねえ。
 今思えば恐ろしいです。
 ティム・バートン版は「リターンズ」までは観直そうかと思います。
 nice!ありがとうございます。
by ken (2012-08-12 22:27) 

coco030705

残暑お見舞い申し上げます。

その後お元気そうで何よりです。私は夏負けして、ダラダラとすごしております。ブログもサボりっぱなし。(笑)

ダークナイトライジング、ようやく18日に観に行くことにしました。それまでに「ビギンズ」と「ダークナイト」を復習しようと思ってツタヤに借りに行ったんですが、全DVDが出払っていました。こんなこと初めて!今更ながら、
クリストファー・ノーラン版のバットマン人気にびっくりしています。
このティム・バートン版も再見しなくちゃですね。
by coco030705 (2012-08-15 10:09) 

ken

お久しぶりです。
僕もいま映画どころじゃなくなってるのが正直なところ。
でも、ちょくちょくメンテナンスしています。
さて、いよいよ明日ですね。
coco030705さんのレビュー、楽しみにしています!
復習は出来ましたか?
nice!ありがとうございます。
by ken (2012-08-17 18:54) 

うつぼ

これ、観ましたが、ジャックニコルソンの白い顔とプリンスの歌しか覚えて
おりません。。。。
その後、有頂天ホテルの伊東四朗の姿に、ジョーカーの姿を重ねてしまい
ました。。
私ももう一度見てみようかと思いますが最新作を先に観てよいものかどうか
迷っています。。。
by うつぼ (2012-08-19 15:43) 

ken

ダークナイトとこれは全く別物なので、どっちを先に見ても影響はゼロです。
それよりも「ダークナイト ライジング」を観るなら、シリーズ1、2作の復習こそお忘れなく!
nice!ありがとうございます。
by ken (2012-08-19 22:06) 

コザック

当時あの衣装が欲しかったです。
#売っていたか、何かの特典であった(^^)
私はこの作品からティム・バートンが好きになりました。
全体として暗い感じですが、色づかいがすごくうまいと感じたんです。
ダークナイトと比べるとちょっと昔の作品に感じてしまいますが、これはこれで今でも好きな作品です。
by コザック (2012-09-17 23:16) 

ken

バットマンを愛する人たちなら、すべてのバットマン映画が愛おしいはず。
僕もそんな一人です。
nice!ありがとうございます。
by ken (2012-09-18 15:29) 

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