SSブログ

インポッシブル(2011年・スペイン/アメリカ) [2012年 レビュー]

原題:The Impossible
監督:J・A・バヨナ
脚本:セルヒオ・G・サンチェス

 凄まじいTSUNAMI映画でした。
 TIFFの公式サイトに「本作品には津波の再現シーンがあります。ご覧になる場合はあらかじめご了承のほどお願い致します」とあったので観てみる気になったのですが、やはり僕たち日本人には衝撃的な映画と言っていいでしょう。以下作品解説を一部引用します。

 2004年のクリスマスの翌日、スマトラ沖でマグニチュード9.1の地震が発生し、巨大津波が近隣諸国に甚大な被害をもたらした。本作は、津波にのみこまれたスペイン人一家が経験した、まさに「インポッシブル」な実話を映画化したものである。スペイン人夫婦をナオミ・ワッツとユアン・マクレガーに置き換え、実際の出来事が克明に再現されている。10分間に及ぶ巨大津波のシーンの撮影には1年を要し、ワッツは1ヶ月以上を水槽タンクの中で過ごして生死の狭間で格闘する母親を熱演している。

 とにかく津波のシーンが尋常じゃありません。
 CGのクオリティも高いんですが、かなりの部分が実写で撮られているのではないかと思います。
 特に衝撃的だったのが水中シーン。再現しているのは「津波に呑み込まれた中で、一体何が起きているのか」です。これが想像を絶する恐ろしさで、「津波が呑み込むものは陸上のありとあらゆるモノ」であることを改めて教えてくれます。それらと人間がシェイクされたら人間はどうなってしまうのか。バヨナ監督はナオミ・ワッツの肉体を傷つけることで、の恐ろしさを伝えます。
 ほぼ満席の劇場内は凍りいていたように見えました。
僕はもしや息を止めて観ていたかも知れません。それほど生々しかったし、息苦しかった。

 実話を基にしたドラマです。
 実話の強みは「狙って作っていない」という開き直りが出来ることでしょう。
 本作は津波のあと消息不明になった家族の行方を追います中盤までは「5人家族の何人が生存しているのか」が縦軸で、後半は「生き残った家族混乱の最中再会出来るのか」が軸になっています。
 
この構造はもちろん悪くないと思うのですが、途中少し“盛った”んじゃないかと疑いたくなるような「偶然」が用意されています。それが事実なら仕方ないにしろ、それでも「いいようにエピソードを簡略化して、おもしろく再構築した」ような箇所があったと思います。それが事実なら仕方ないんですが、だったら“盛った”と思わせない作りは必要だったのではないでしょうか。

 なんだかんだ言いながら、実話の強みで面白いです。
 ところがラストに「そりゃねーだろ」的な展開が用意されていますネタバレ自主規制)この展開がすべてを台無しにしました。これさえなければ80点の映画だったのに、これのせいで20点です。人道的にまったく有り得ない他のお客さんもきっと驚いていたと思います。終演後に拍手がパラパラとしか起きなかったのが、その証しだと思います。
 過去最高に残念な映画。


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。