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酔拳 レジェンド・オブ・カンフー(2010年・中国) [2013年 レビュー]

原題:酔乞兒/TRUE LEGEND
監督:ユエン・ウーピン
脚本:クリスティン・トー

 まさか2013年にユエン・ウーピンの名前を聞こうとは。
 言わずと知れたジャッキー・チェンの出世作、「ドランク・モンキー/酔拳」(1978)の監督で、その後は「マトリックス」(1999)のカンフー・コレオグラファー(振付師)、「グリーン・ディスティニー」(2000)アクション監督、「キル・ビル」(2003)武術監督を務め、ハリウッドでもその名を知られることになったユエン。でもこれが監督となると1999年のテレビシリーズ「新・少林寺IV」以来。一体誰がユエン・ウーピンにやらせようと思ったんだろう。それとも彼自身の企画だったのか?

 本作は「ドランク・モンキー/酔拳」でジャッキーにカンフーを教える師匠として登場した伝説の武術家、スー・サンの若かりし頃の物語、ということになってます。スー・サン伝説上の人物であり、史実もへったくれもないのだから、これは完全なるフィクションということでいいんだろう。

 時は1681年、清朝時代。戦で高名をあげたスー・サン(チウ・マンチェク)は知事の職を与えられるが、それを異父兄弟の兄ユアン(アンディ・オン)に譲り、自分は妻子と共に静かな土地で武術を極める道に入るこの義兄弟。実はスー・サンの父が、ユアンの父を殺害していた過去があった…。

 スー・サンは映画の冒頭で完全無欠の武術家であることが語られます。
 ルックスもいい、性格もいい、そして腕も立って、嫁さんも美人(趣味じゃないけど)。だから「なんでこの男が、わざわざ酔拳を会得することになるんだ???」と思います。
 まあ、ここまではいい。
 でもこの先がハチャメチャなんです。とにかくユアンのキャラが濃すぎて、ドラマの軸がブレブレになります。僕に実写版「デビルマン」を思い出させました。それはダメでしょう(笑)。

 酔拳ですから当然「酔わずにはいられない」ってことでいいんですけど、そこに辿りつくまでが長すぎる!それに見世物としてのカンフーがまったくなってない。ユエン・ウーピンは完全にハリウッドで毒されて、カンフー映画の基本を忘れてしまっています。ワイヤーに頼らず、肉体重視で行きなさいよ!ワイヤーに吊ってる時間が長いと、あやつり人形みたいな動作になっちゃうから、ブルース・リーからカンフーを観ている世代には辛いんですよねえ。
 本作に限っては完全に邦題にダマされました。まったく観る価値なしの1本です。

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  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: DVD

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