たからさがし(2011年・日本) [2014年 レビュー]
原作:中川季枝子、大村百合子
企画・構成:宮崎駿
2014年3月9日(日)
今日は3歳と7ヶ月になろうとするムスメの映画館デビューの日となりました。
2歳からディズニー映画やジブリ映画を見せてきて、比較的長時間の鑑賞も出来るようになったころから、何度か「映画館に行ってみない?」と話していたのですが、大抵「暗いのコワイもん」と尻込みしていました。ムスメは暗いところが大の苦手。ディズニーランドの「イッツ・ア・スモールワールド」ですら怖がって二度と行きたくないと言うくらいです。
ところが、ひょんなことから行くことになった三鷹の森ジブリ美術館。
ムスメもご多分に洩れずトトロが大好きで、最初にねこバスで遊んだあとしばらくして「えいがみにいこう」と誘ったら、特に警戒する様子もなく劇場に足を向けてくれました。
ジブリ美術館の劇場はベンチシートになっていて、子どもへの配慮が伺えます。でも一番感心したのは、窓が付いていたこと。上映が始まるまでは外光が入る作りになっていて、劇場内は他の展示室となんら変わらない印象です。母親の膝に座ったムスメは中の様子をうかがいながら「暗くなる?」と心配そう。僕は作り付けの窓を見上げて「窓がついてるし、暗くならないんじゃない?」と本気で思ってそう言いました。
ところが、開演ブザーとともに窓は自動で塞がり、館内は一気に暗くなりました。でも、間髪入れずにフィルムは回り始め、大きなスクリーンが一気に明るくなります。ムスメの目は好奇心に満ちていました。
上映作品は絵本を原作とした8分40秒の作品です。
僕は始まって3分もしないうちに涙が出ていました。のっけに感動したのは、小さな子どもに見せるための映画を、たくさんの大人たちが一生懸命作っているんだという事実。そして暗闇を怖がる3歳のムスメを夢中にさせた劇場の存在。その2つに感謝です。
映画そのものも素晴らしかった。
雨上がりを待って外に遊びに出た「ゆうじ」が一本の杖を見つけたら、もう1人の男の子「キック」も同時にそれを見つけて引っ張りっこをします。キックがウサギだったのも僕には響きました。大人から見ればキックは人種差別や偏見を超越した存在だからです。
一本の杖を巡ってかけっこをして、相撲をとって、それでも決着がつかないので、ゆうじとキックは近くに住むおばあちゃんにどうすればいいか聞きにいきます。
爽快で純真で無垢。
僕には薄汚れたオトナが今際の際に見るフラッシュバックのように思えて、結局涙は乾くことなくエンドマークを見ることになってしまいました。
上映中、ムスメの横顔をちらりと観ると、まばたきを忘れているかのような熱中ぶり。上映後に「暗くて怖かった?」と聞くと「だいじょうぶ」と一言。
いい劇場デビューをはたせた気がします。ジブリに感謝。
かわいい娘さんです。kenさん生きててよかったねえ(イミフ)。
自分が最初に見た「映画」って、なんだろ。「ガメラ」かしら。
by snorita (2014-03-10 09:50)
良いお父さんです。
子供の頃は家のそばに映画館があって、「東映まんがまつり」を観てた記憶が。
今の子は最初からおしゃれですね~。
by ERUN (2014-03-11 20:24)
>snoritaさん
ホントホント、生きてて良かったよ。
僕が最初に見たのは…なんだっけな?ゴジラ系だったはず。
>ERUNさん
やっぱ東映まんがまつりですよね。
もっといいお父さんでいたいわ~。
by ken (2014-03-11 20:42)