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藍色夏恋 [2004年 ベスト20]

藍色夏恋」(2002年・台湾/フランス)

 高校生の女の子、モン・クーロウとリン・ユエチェンは親友同士。ユエチェンは同級生の男の子、チャン・シーハオに恋をしていた。
 「私と彼が付き合えるように手伝って」とユエチェンに言われたモン・クーロウはシーハオと交流を持つようになる。けれどシーハオはモン・クーロウのことが好きになってしまう…。

 大雑把に書くとこれだけの物語。いまどき少女漫画でもこんなストーリーってない。だけど、まるで自分のアルバムをめくるようにいつまでも見ていられます。どうしてかというと、「友達」と「恋」とに揺れた「ある時期」を確実に思い出すからなんだよね。
 夏のプール、海、体育館、放課後の教室、自転車での帰り道…。物語が展開するすべてのシーンのどこかに、もしかしたら「かつての自分」がいるんじゃないかと思ってふと探してみたくなる…そんな気持ちにさせてくれる映画です。
 ピアノのテーマ曲もとても美しく、「ピュアだった過去の自分」との対面を促すような優しい旋律。社会の荒波に揉まれて(笑)、ストレスを抱えている皆さん。ぜひご覧になってください。

 余談ですがこの映画の原題「藍色大門(英語タイトル:BLUE GATE CROSSING)」には、若者は日々の暮らしの中で大なり小なり未来に影響を及ぼす出来事に常に遭遇している、つまり毎日門を通過している、という意味が込められているそうです。そう思うと邦題はイマイチね。


藍色夏恋

藍色夏恋

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/01/21
  • メディア: DVD

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海辺の家 [2004年 ベスト20]

海辺の家」(2000年・アメリカ)

 余命3ヶ月と診断された建築家のジョージ(ケビン・クライン)が、家を建て直す。これが物語の縦軸。
 これに別れた妻のロビン(クリスティン・スコット・トーマス)と、反抗期を迎えた16歳の息子サム(ヘイデン・クリステンセン)、そして近隣の人々が絡んでくる。
 家を壊す、そして建て直すという行為が「家族の崩壊と再生」を表現していて、そのテーマが実に判りやすく展開していきます。
 脚本もよく出来ていて、前向きに生きることの大切さを「悪いことがいいことを運んで来る」というセリフに置き換え、何度かジョージに言わせています。この辺りがかなり泣けます。
 また、僕も父をガンで亡くしているので、病床に伏した父と息子のシーンは涙なしに見られません。
 ケビン・クラインと「イングリッシュ・ペイジェント」のクリスティン・スコット・トーマスの演技もよく、さらに意外なラストシーンに驚きつつ涙。
 いずれダース・ベイダーになっちゃうヘイデン・クリステンセンがとにかくイケてる映画です(笑)。

海辺の家

海辺の家

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2003/02/19
  • メディア: DVD

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ラヴソング [2004年 ベスト20]

ラヴソング」(1996年・香港) 主演:マギー・チャン、レオン・ライ

 【誰にでもいつまでも忘れられない歌がある。二人にとってそれはテレサ・テンの歌声だった。
 “夢であったのは、確かにあなた…” 夢を求め大陸から香港へ渡ったレイキウとシウクワン。平行線を描くかに見えた二人の友情はある時ふと交わり恋愛に変わる。しかしそれから数奇な運命に翻弄される二人は、ついに別々な人生の中お互い知らぬ間にニューヨークへと渡る。そしてテレサ・テン死去のニュースがテレビから流れるある日…】

 
この解説に惹かれて観てみたんだけど、僕がこれまで観てきた恋愛映画の中でも1、2を争う名作でした。ほとんど完璧に近いと思う。
 
説明セリフを極力排し、ストーリーに余計なアクシデントも用意せず、互いの心の揺れを絶妙の間で撮り切る。
 
なんと濃厚な純愛。なんと緻密なプロット。なんと劇的な118分。
 「1997年・アメリカTIME誌が選ぶ、私の好きな映画ランキング・第2位」に相応しい恋愛映画の大傑作。
 
マギー・チャン最高! 絶対見るべし!

ラブ・ソング

ラブ・ソング

  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1999/10/21
  • メディア: DVD

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ホテル・ハイビスカス [2004年 ベスト20]

ホテル・ハイビスカス」(2002年・日本) 監督:中江裕司

 沖縄本島にあるホテル・ハイビスカスは、沖縄料理がついて一泊3.000円。でも貸せる部屋はひとつしかない。
 他の部屋は、ビリヤードと三線が得意な父ちゃん、夜はバーで働き家計を支える美人の母ちゃん、黒人とのハーフのケンジにぃにぃ、白人とのハーフのサチコねぇねぇ、くわえタバコのおばぁ、そして小学3年生のおてんば娘、美恵子たちの部屋だから。

 同じ中江監督の「ナビィの恋」よりもオススメ出来る沖縄ムービーです。
 僕がものすごく感心したのは、恵美子が夜に寝ているシーンや、基地内の草原で「あること」にショックを受けた美恵子が呆然と立ち尽くすシーンなど、普段ならここまで長く見せないだろうと思うくらい肝心のところでのワンショットが長かったこと。
 これらは沖縄の風を感じさせるシーンで、風の強弱や湿度や温度、つまり肌でしか感じることが出来ないものを映像から想像させようとする、中江監督の試みだったと思います。そしてそれは沖縄に住む人間にしか撮れないカットかも、と羨ましくなりました。
 また主人公・恵美子を演じた蔵下穂波(本名の方がいい名前だ)の天才的な演技も必見。この女の子じゃなかったら無理だろう、って思わせるほどドンピシャはまったキャラクターでした。
 それと、もしDVDで観るなら「全編日本語字幕入り」で見ることをオススメします(笑)。

ホテル・ハイビスカス

ホテル・ハイビスカス

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2004/01/23
  • メディア: DVD


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マイライフ・アズ・ア・ドッグ [2004年 ベスト20]

マイライフ・アズ・ア・ドッグ」(1985年・スウェーデン)

 「サイダーハウス・ルール」で一躍有名になった監督、ラッセ・ハルストレムの作品。
 僕はこれまでに「ショコラ」「サイダーハウス・ルール」「シッピング・ニュース」の3本を、この人の作品と知らずに観ていずれの作品もすごく好きだったので、今回意識的に観てみようと選んだのが「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」です。
 (余談ですが僕と同年代の人ならきっと知っている「アバ・ザ・ムービー」もこの人の作品でした)
 
 「スプートニクに乗せられて地球をぐるぐると回り、最後は餓死して死んだライカ犬に比べたら僕はまだ幸せだ」
 12歳の少年イングマルはいつもこう自分に言い聞かせている。
 たとえ兄にいじめられても、お母さんがひどい病気でも、お父さんが仕事で南洋へ行ったきり帰ってこなくても…。
 病気が悪化したお母さんには療養が必要と診断され、イングマルは叔父さんが住む小さな田舎の村へ行くことになる。そこにはサッカーチームを作っている叔父さんの他、女性の下着雑誌を愛読している寝たきりのアルビドソンさん、一年中屋根の修理をしているフランソンさん、女の子であることを隠してサッカーやボクシングに熱中するサガたちがいた。
 村での生活は楽しい日々だった。けれど頭のどこかで町に残るお母さんと愛犬シッカンのことが忘れられなかった。
 
 大した前情報なしで観てしまうと、イングマルが預けられる先が一体どこなのかちょっと不明。余計な心配をさせるのがBAD。
 イングマルがプレッシャーを感じると身体に出てくる「ある症状」の後処理がなくて残念。
 期待したほど愛犬との接触がないのもちょっと不満。
 それとオチのつけ方が僕には理解不明。もう一度観ると判るのかなぁ? この手のストーリーはオチのつけ方が難しいからね。
 それ以外は、抑揚の少ないタッチで田舎の人々の触れ合いと、その中にあるほのかな幸福がきちんと描かれていて、とてもいい作品だと思います。
 中でもイングマルとサガの心の交流はラストシーンまで実によく描けてる。ラストカットはちょっと嫉妬するくらい綺麗だった。
 
 以前、「男の子供はある時期、親以外の大人の男との接触が必要で、それが人間形成に大きな影響を及ぼす」と本で読んだことがあるんだけど、これはまさにそんなエピソードの連続。
 僕も11歳のとき、それは同級生の親戚の家だったけれど、四国松山から大阪まで泊りがけで遊びに行ったことがあって、親元を離れてのこの体験が、いろんなことを学習させてくれたのを思い出します。
 そして、歳を重ねてすっかり汚れてしまった自分にも悲しくなりました(笑)。

マイライフ・アズ・ア・ドッグ

マイライフ・アズ・ア・ドッグ

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2000/12/22
  • メディア: DVD

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マイ・ビッグ・ファット・ウェディング [2004年 ベスト20]

マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」(2002年・アメリカ) 監督:ジョエル・ズウィック

 婚期を逃し、父が経営するギリシャ料理店を手伝っている娘が恋をした。
 やがて娘の恋は実り、幸せな日々がやって来る…と思いきや、娘の父は大反対!相手がギリシャ系じゃなかったからだ。
 「ギリシャ人の女はギリシャ人の男と結婚をして子供を産むのが使命!」と2人の交際を認めない。それでも母や当人たちの説得で、なんとか結婚にまでこぎつけるのだが…。
 
 低予算、メジャーな俳優なし。別段派手なドラマがあるわけでもないんだけど大ヒットしたこの映画。そこに描かれているのは、結婚の際に必ずつきまとう一種の「異文化交流」なんだけど、これはどの国であっても必ず存在するテーマであって、見ている皆に何かしら思い当たる節があるからこそのヒットだと思います。
 物語の前半は、家族の同意を得られない恋愛の行方。
 後半は、環境のことなる2つの家族がいかに交流を深めていくか。
 ただそれだけのことが、いくつかのユニークなエピソードと登場人物たちによって丁寧に描かれています。ダイアローグのセンスも抜群。
 僕がすごく好きな台詞は、大学へ行ってコンピュータの勉強をしたいと思った娘が父に相談するも、そんな必要はない、と一括されたあと、落ち込む娘トゥーラをなぐさめながら、私がお父さんを説得してあげる、と言うシーン。お父さんは家長だし頑固だから…と言う娘に対して
 「家の“頭”は男でも、“首”は女なのよ。“頭”は“首”次第で好きな方向に動かせるわ」
 そしてもうひとつ。父のレストランでコックとして働く息子が、父の承諾を得られないまま絵の勉強を始める、と姉のトゥーラに告げるシーン。
 「姉ちゃん。生い立ちはな、人生を縛るもんじゃない。今後の糧とするもんだ」
 聞いたトゥーラは、弟の顔をまじまじと見ながら、それはすばらしい考え方よ、というとさらに言い切り返しがある。
 「新聞の“人生相談”のパクリだけどな」
 
 猛烈に笑えもしない、号泣もしない。けれど心が温かくなることだけは請け合い。
 「ささやかな幸せ」が、実は一番の幸福であると教えてくれる名作です。
 既婚者はぜひ一度ご覧あれ。

マイ・ビッグ・ファット・ウェディング

マイ・ビッグ・ファット・ウェディング

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2004/12/03
  • メディア: DVD

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白い犬とワルツを [2004年 ベスト20]

白い犬とワルツを」(1993年・アメリカ)

 同名タイトルの邦画(仲代達也主演)もありますが、僕は友人の勧めでアメリカ・テレビドラマ版を観ました。こちらはアメリカ南部の農村が舞台になっていて、金婚式を迎えた夫婦のパーティから物語が始まります。
 
 その金婚式から7年後。永年連れ添った妻コウラを突然なくしたサム。
 心身ともに落ち込むサムを子供達が甲斐甲斐しく世話を焼くが、子供達の生活を思いやるサムはそれを拒否し1人で生きていこうとする。
 そんなサムの前に白い犬がどこからともなく現れる。しかも不思議なことにその犬はサムにしか見えない。子供たちは、ショックで頭がおかしくなったのでは、と心配するがその犬がやがて周囲の人々の前にも姿を現す時が来る…。
 
 単なるドラマとして分析するなら、いろいろ注文はある。穴もある。先も見える。けれどそれは大したことじゃない。暖かく安定感のあるヒューム・クローニンと、かくも美しいグランドマザーがいるものかと息を呑むアカデミー賞女優、ジェシカ・タンディ。実生活でも夫婦であるこの2人の演技に免じて帳消しにする(笑)。
 冗談はともかくとして。
 この作品には年老いた親を持つすべての子供たちが共感できる、そして考えさせられるテーマが存在しています。
 それは「人生の豊かさ、人間の幸福とはいったい何か」。
 僕自身は人生の最期を迎えるときに笑顔でいられるのかどうか、観ている途中から不安になってたんだけど、そういうことをゆっくり考えるのも悪くないと思います。

白い犬とワルツを

白い犬とワルツを

  • 出版社/メーカー: アスミック
  • 発売日: 2002/11/29
  • メディア: DVD

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オール・アバウト・マイ・マザー [2004年 ベスト20]

オール・アバウト・マイ・マザー」(1998年・スペイン)

 2000年のアカデミー最優秀外国語映画賞を獲得した作品です。
 
タイトルから想像して主役であるマヌエラの「女の一生」だと思い込んで観るんだけど、途中から劇中に登場するすべての「母性を持った人間」の話であることに気付かされます。

 
1人息子を失った臓器移植コーディネーターのマヌエラ。
 
同性愛者の大女優、ウマ・ロッホ。
 
その恋人で、ドラッグ中毒の女優ニナ。
 
HIVに感染した修道女ロサ。
 
常にポジティブなゲイのアグラード。
 
そして、マヌエラとロサの2人に大きく関わる一人の「男」。

 
「女を演じる」という裏テーマが随所にちりばめられていて、オカマの存在も劇中劇「欲望という名の電車」も効果的な役割を果たしています。それは見事と言うほか無いダイアローグと構成。
 
“アルゼンチンの倍賞美津子”と言うと何人かは納得してくれると思うセシリア・ロスの抑えた演技が素晴らしいけれど、それ以上にオカマのアグラードを演じたホンモノの女性、アントニア・サン・フアンに絶賛の拍手を送りたい。
 女性は必見の名作です。

オール・アバウト・マイ・マザー

オール・アバウト・マイ・マザー

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2002/09/27
  • メディア: DVD

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CUBE [2004年 ベスト20]

CUBE」(1997年・カナダ)

 友達に薦められて何の情報も持たずに観た作品。
 僕が知っていたのは「サスペンス」モノであるということだけ。パッケージを手にして「ホラーか?」と思ったのですが、そうではありませんでした。ただ、オープニング早々度肝を抜かれます。
 これ以上はもう何も書きません。皆に
僕と同じ感覚を味わって欲しいから。
 設定の巧さが名作を生む典型的な作品です。

CUBE キューブ

CUBE キューブ

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2005/03/02
  • メディア: DVD

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ラブレター パイランより [2004年 ベスト20]

ラブ・レター パイランより」(2001年・韓国) 主演:チェ・ミンシク、セシリア・チャン

 浅田次郎原作。日本では中井貴一主演で映画化された作品です。
 僕は日本版を見ずしてこちらを先に観ちゃったのですが、裏ビデオショップの店長を中井貴一にやられても困っちゃうので日本版は観ないことにしました(食わず嫌いだったらスイマセン!)。それくらい韓国版の出来がいいんです。チェ・ミンシクがずば抜けていい。
 もちろん原作がいいんですよ。「鉄道員」の中に収録されていた短編ですが、僕はぽっぽやよりも好きだな。電車の中で読みながら泣いちゃったくらいです(笑)。
 韓国版のいいところはアジアの貧困ぶりが生々しいところ。偽装結婚をすすめた者、引き受けた者、身を任せた者、各々がそうせざるを得ない状況にあって、観ている側も納得感があるんです。そして登場人物も観客も「人を想うことの尊さ」を知る…。
 物語は実に淡々と流れていくのですが、本編の後半でおおきなうねりがやってきます。
 生きて対面することのなかった男と女のラブストーリー。ぜひハンカチを用意して観てください。

ラブ・レター~パイランより~

ラブ・レター~パイランより~

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2003/11/28
  • メディア: DVD

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