呪怨 [2005年 レビュー]
「呪怨」(2002年・日本) 監督・脚本:清水崇 主演:奥菜恵、伊東美咲
ホラー映画大嫌いの僕が「呪怨~ビデオ版~」を観たのは昨年のこと。愛読誌「インビテーション」のホラー映画特集で「法律で禁止すべき恐ろしさ」という評論を読み、まさに怖いもの観たさで観た。そして今回は“ハリウッド版が大ヒットしている”というニュースを聞いて「よし」と腹を括り、新たにこの劇場版を観てみることにしたわけです。
単純に「怖がり」の人にはこの映画、すすめません。マジで怖いから(笑)。だけど“姑息な手段で客を驚かせようとするホラー映画”が嫌いな人にはオススメ。なぜなら…この「呪怨」はこれまでのホラー映画とはまったく異質の作品だから(注:「呪怨」を知っている人向けには書いてません。あくまでもホラー映画嫌いの人たちのために書いてます。ご容赦下さいませ)。どう異質かといえば「リング」シリーズの脚本家である高橋洋さんの言葉を借りるのが良いと思う。
「『呪怨』の清水崇と出会ったのは映画美学校です。彼は一期生で、最初の頃にもう「呪怨」の原型になるプロットを書いていました。でも驚いたのはそのプロットを課題で撮らせたときです。階段から女の幽霊がズルズル這って降りてくるシーンだったけど、僕ら講師陣が全員たまげました。“幽霊は顔を見せると怖くなくなる”と思ってたのに、真正面から堂々と見せて怖くしてしまった…しかも20代の若造なのに、それを無自覚でなく確信犯でやってる(笑)」
(Invitation 2004年4月号【ジャパニーズホラーの黒幕がその「恐怖の歴史」を語った】より)
清水崇が作る恐怖は先人たちのものとは全く異なるオリジナルの恐怖だ。初めてビデオ版を観たときは心底驚いた。観るものに「想像をさせる恐怖」が至るところ配されて、観るものの想像力が恐怖を増幅させる構造になっているのだ。派手な演出で驚かせようとする従来のホラー映画と全く違った清水演出に「こんな恐怖感があっていいのか」と身体が震えた。
劇場版の「呪怨」は清水崇テイストを理解したあとで観ているだけに、初回ほど驚かなかった。途中で若干「うわ」と声の出るところもあるけれど、飛び上がるほどじゃない。…と思っていたら、最後の最後にやはり身の毛のよだつシーンがあった。「そんなテクニックもあったかあ!」と感心しつつ鳥肌も立っていた。
「呪怨」は「偏差値の高いホラー」だと僕は思う。想像力の豊かな人こそ恐怖のどん底に落とされる。清水崇恐るべし。ハリウッド版も楽しみ。
あと、伊東美咲がバツグンに可愛かったです(笑)。
何気ない日常からの恐怖。
私は友達の家にて、目を覆いながら、しっかり隙間3センチで見ました。
一人じゃとても見れない。怖いんだもん。
箪笥は見れたけど。
by keiko-nari (2005-04-24 19:44)
古い記事にコメントありがとうございます。
僕は「お勉強」と思って観てみたのですが、
あまりにこわくてパート2は観てません(笑)。
by ken (2005-04-24 20:50)