ロード・トゥ・パーディション [2004年 レビュー]
「ロード・トゥ・パーディション」(2002年・アメリカ) 主演:トム・ハンクス、ポール・ニューマン
世の中に「絶対」は無い。けれど「唯一無二」はある。
世の中に「絶対」は無い。けれど「唯一無二」はある。
映画の世界には「ギャング映画」と言われるジャンルがあって、そこには「ゴッドファーザー」という代表的な作品がある。
この映画が「絶対的な存在」とは言わない。けれどこのジャンルにおける「唯一無二の作品」であるとは言えるだろう。
ハリウッドにとってこの事実はもはや「悲劇」だと思う。なぜなら、このシリーズを越えるギャング映画は未だに現れていないし、また「ゴッドファーザー」を越える映画を作ろうとする行為が、ドン・キ・ホーテ並みの「無謀な挑戦」なのかも知れないからだ。
例えばこの「ロード・トゥ・パーディション」は、「ゴッドファーザー」を目指したワケでも、越えようと意識して作ったワケじゃないだろう。
だけど観ている僕たちが「ゴッドファーザー」を忘れない限り、それらは必ず比較され、批評を受ける運命にある。例え訴えるテーマが違ったとしても。
この作品は興行成績が芳しくなかったと聞いている。トム・ハンクスがそれに心を痛めたとも聞いた。でもこの映画にはヒットしない明確な理由がある。
この作品は興行成績が芳しくなかったと聞いている。トム・ハンクスがそれに心を痛めたとも聞いた。でもこの映画にはヒットしない明確な理由がある。
それが先に述べた「ゴッドファーザー」の存在であり、もう1点具体的なポイントはストーリーに絡んでくる女性キャラクターがいないことだ。
トム・ハンクス演じるマイケルの妻が殺されてしまうとそこから先、女性は自分の感情を委ねるキャラクターを失ってしまう。もっとそれ以前にこの妻がどんな思いで夫の仕事を認知してきたかがまったく描かれていないのも良くない。
だから、女性客としては最初から面白くないかも知れないな。だって劇中の妻も、劇場の女性も蔑(ないがし)ろにされてることになるわけだからね(笑)。
ただし、あくまでも男目線ですが、ポール・ニューマンとジュード・ロウはいい。どっちも役者としていい味が出ています。
トム・ハンクス演じるマイケルは、善人なのか悪人なのか判らないところが重要なのに、どうしても善人にしか見えないところがバッドだね。
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