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セックスと嘘とビデオテープ [2004年 レビュー]

セックスと嘘とビデオテープ」(1989年・アメリカ) 監督:スティーヴン・ソダーバーグ

 日本でこれが話題になったのはどのタイミングだったのか記憶に無いけれど、このタイトルから勝手に想像する内容が「あまり面白くなさそう」と10年くらい前の僕は思っていた。…ということを41歳の僕はこのDVDパッケージを見ながら思い出し、“ところで、実はどうなんだろう?”と思ったら急に観てみたくなった。
 そして、TSUTAYAのカウンターでお金を払いながら“人が映画を選ぶときの動機もいろいろあるもんだ”、と思ったら少し可笑しくなった。
 
 一見幸せそうな夫婦も実際の関係は当人同士じゃなければ判らない…とはよく言うことだけど、本当にそうだろうか。
 そうじゃないですよね。多分当人同士が一番判っていないと想う。判っていないから存在が遠くて、許してなくて、相手を想っていないんじゃないかな。
 夫の気持ちを理解しているのは良く行く飲み屋のマスターだったりするし、妻の気持ちを理解するのは大学時代の友人だったりする。
 この映画に登場する一組の夫婦は、特別な夫婦じゃなくてまったく普通の、どこにでもあるような関係の夫婦。
 夫は浮気をしている。それに感づいている妻。その妻は以前から精神的に不安定な状態にあって、それが夫婦生活に影響を及ぼしている。…これもありがちな話。
 だけどこの映画でおもしろいところは、“女性のセックスに関する告白をビデオテープに収めることが趣味”という設定の人物を配したことだ。
 映像的にも、ストーリー的にもそこだけが唯一面白い。それ以外に僕は別段何も感じなかった。
 当時31歳だったソダーバーグの作ったものが、41歳の僕を驚かせたり共感をさせたりしなかったってことなんだけど、これを公開当時観ていたらどうだったかな、とは強く思いました。
 「もう少し早く出会っていたら、僕らの関係は違ったものだったかも…」
 僕とこの映画との関係はこんな感じだ。やっぱりタイミングって肝心なんだね。

セックスと嘘とビデオテープ

セックスと嘘とビデオテープ

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2005/02/18
  • メディア: DVD

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コメント 2

Sho

多分日本で公開されたのは、1990年か91年だと思います。
これを「面白かった」と言ってる男の人が居て、その人の職業が「精神科医」だったのが興味深かったです。
私は今初めて見たのですが、もうこの作品の感想は、それこそ千差万別だろうなと思いました。
「女きょうだいがいなくて良かった」
「いろーんな角度からせまれておもしろいな」というのが感想です。
by Sho (2007-05-19 13:01) 

ken

人が生きる上で抱える悩みは世代によって違う、
ということを痛感した一本でした。
44歳になった僕がこれを観たら、ますますそう思うだろうなあ。
by ken (2007-05-20 23:57) 

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