北の国から ’84夏 [2004年 レビュー]
「北の国から ’84夏」(1984年・フジテレビ)
顔見世興行の前作から一転、のちのシリーズ長期化を読んで制作されただろうスペシャル第2弾。
顔見世興行の前作から一転、のちのシリーズ長期化を読んで制作されただろうスペシャル第2弾。
それぞれ主要登場人物の今を描きつつ、成長する子供たちと後戻りする大人たちの様を抜群の構成力で見せてくれます。
一番の軸となるエピソードは丸太小屋の焼失。ここに「原点回帰」という裏テーマを被せて、今までの黒板家を思い起こさせる一方、これからの黒板家がどう様変わりしていくのか、今後に対するさりげない伏線が引いてあって倉本脚本の巧さを感じます。
恋人ともに東京へ帰る雪子。その列車を川の土手で見送る草太と蛍。
恋人ともに東京へ帰る雪子。その列車を川の土手で見送る草太と蛍。
ここはレギュラーシーズンで蛍が母・令子を見送った場所でもあり、草太と蛍だけが共有する想いが滲み出る名シーン。
またドラマの終盤、五郎、純、蛍の3人でラーメンを食べながら、純と五郎が互いに懺悔するシーンは、2人の吐露を聞きながら耐え忍ぶ蛍の存在が大きく、雪子を失ったこの家族を支えていくのは蛍しかいないと密かに思わせる。
のちのち蛍は雄弁な家族の支柱になっていくのだけど、その原点がこのシーンだったと思う。
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