ターンレフト・ターンライト [2005年 レビュー]
「ターンレフト・ターンライト」(2002年・香港/シンガポール) 主演:金城武、ジジ・リョン
台湾の絵本作家ジミー・リャオのベストセラーが原作です。
テーマは「惹かれあう男女のすれ違い」。
以前、どこかのブログでこの映画を面白いと書いていらっしゃる方がいて、僕自身とても興味のある題材なので今回観てみることにしました。
僕が興味を持っているのは、【どこかでニアミスしているかもしれないという事実は、本人たちだけがそれを悲劇と認識できない】、という点です。
本人たちは逢わないどころかすれ違ったことすら気付いてませんから、「何も起きていない」のと同じこと。しかし第三者である観客は「あー惜しい!あそこで信号渡っていれば…」などと登場人物の行動に一喜一憂します。まさに「知らぬは本人ばかりなり」。この構造こそ映画やドラマ、小説などを面白くするひとつの手法だと思うんです。
ならば、この構造をドラマの軸にしてしまったらどうか、と考えていた矢先、この作品のことを知ったわけで、となればそりゃ観たくなりますよね(笑)。
「物理的なすれ違い」を描いた作品だけに、僕が最も興味を持っていたのは「すれ違いのパターン」をいくつ見せるのか、と言う点でした。
個人的にはすれ違う回数が多すぎると思います。あまりにも多すぎてちょっとコント風になってしまってる。劇的な感じが途中からなくなるのがとても残念。
でもそれ以前に面白かったのは、2人のなれそめ(ネタバレ自主規制)。この設定は1本取られたなあと思いました。だから、どうせならこの部分をもっと劇的に描くべきだったと思います。クァク・ジョエン(「猟奇的な彼女」の監督)好みの設定なので、彼なら全然違う演出をしたような気がします(笑)。
そして当然のことですが「どうやって結末をつけるのか?」が、途中からかなり気になる!
僕もいろんな予想をしましたが全部はずれました。「え!マジ?」って感じ。興味のある方はぜひ観て下さい(笑)。ただ作品としてのクオリティは決して高くありません。
主演女優のジジ・リョン。芝居はヘタですが可愛いです。釈由美子っぽいからタイプじゃないけど(笑)。ところがメイキングのインタビュー映像を見たら、ヘアメイクのタッチが違っているせいもあって釈ちゃんから突然、矢田亜希子風になります。これがまたすごく可愛い。どうして映画よりもただのインタビュー映像がキレイに見えるんだ?こりゃ一体誰のせいだ?(笑)。
結論。
題材は面白い。この原作を基にして別の脚本を書いてみてもいいと思いました。
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