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スーパーマン リターンズ [2006年 ベスト20]

スーパーマン リターンズ」(2006年・アメリカ) 監督・原案・製作:ブライアン・シンガー 

 長い間映画を観てきて、僕は今日ほど“監督”という存在を大きく感じたことはありません。
 ブライアン・シンガーが「スーパーマン」のファンで良かった。
 ブライアン・シンガーが「X-MEN」「X-MEN2」の監督をやってくれていて良かった。
 ブライアン・シンガーが監督を引き受けてくれて良かった。
 ブライアン・シンガーがストーリー設定を考えてくれて良かった。
 そして、ブライアン・シンガーと同世代で良かった。

 以下、激しくネタバレします。
 ちなみにこれから観に行こうという方は、前シリーズの「1」と「2」を観てから行って下さいね。
 


 本編のオープンニング。懐かしいスーパーマンのテーマが流れる。
 「ああこの曲を使ってくれたんだぁ」
 ジョン・ウィリアムズ作曲の壮大なシンフォニーを劇場で聴くのは1981年の「スーパーマンⅡ冒険編」以来25年ぶり。
 あらま四半世紀ぶりですよ。聴きながらふといろんなことを思い出してちょっとセンチメンタルになりかけたら、さらにサプラーーイズ!(笑)。なんとオープニングクレジットの演出が前シリーズの第1作目と同じなんです。これには驚きました。前作をリアルタイムで観た世代にとっては、この映画に「ただいま!」と言われた気がして「ブライアン・シンガー、やるなぁ」とのっけから感動してしまったのでした。
 さて本編はと言いますと、序盤のヤマ場はロイス・レーンが乗ったジャンボジェットが事故に遭うシーン。それは5年ぶりにスーパーマンが現れるシーンでもあるのですが、このシークエンスの描写は本当に見事で、機内が一瞬無重力になったり、スーパーマンが強力な力で機体を支えることによって起きる金属の撓(たわ)みを見せたり、そのジャンボジェットを満員の野球場に降ろすというアイディアまで全てが素晴らしい。このあたりは「X-MEN」の2作で培ったテクニックを存分に発揮したと言っていいでしょう。はっきり言って僕は泣けました。この一連だけで1,800円払う価値があると思います。

 ちなみにリチャード・ドナー監督作「スーパーマン」へのオマージュはオープングクレジット以外にもいくつかありました。
 まずマーロン・ブランド=ジョー・エルの映像を使ったこと。
 クリスタルの中に現れたジョー・エルを観たときは思わず目を凝らしてしまいました。本人?そっくりさん?ってね(笑)。
 さらにブランドン・ラウス=クラーク・ケントの登場シーン。
 復帰したデイリー・プラネットで編集長(だったと思う)に声を掛けられ、クラークがワンショットで振り返るのですが、その顔がなんとクリストファー・リーブそっくりなんです。特に笑った口元が似てるのなんの!これは間違いなく監督の“狙い”だったでしょうね。
 この他、ロイス・レーンとのフライトも、エンディングのフライトも(カメラ目線でニッコリ!こそしなかったけれど)前作へのオマージュ。間違ってもこれをパクリと言ってはいけません(笑)。

 そしてこの映画の最大のサプライズはロイス・レーンの息子ペリー。
 こんなストーリーを考えたブライアン・シンガーも大したもんですが、それを許したワーナーも偉い。僕はグランドピアノが大破したシーンで口があんぐり開いてしまいました(笑)。
 ただしエンディングでスーパーマンが語りかけるシーンは要らなかったんじゃないでしょうか。
 どうせならペリーの父親はリチャードなのか、それともスーパーマンなのか、謎にしたままでも良かったような気がします。

 さらに「スーパーマン リターンズ」にも弱点が無いわけじゃありません。
 やはり154分は長いと思う。
 カットするなら、レックス・ルーサー絡みのシーンでしょう。世界一有名な悪者がどんな悪巧みをするのか、その説明は多少必要だと思いますが、北極でクリスタルを盗んでから悪巧みの全貌が明らかになるまでがどうしても長いです。
 あと個人的に気になったのは、ロイスの息子ペリーが職場であるデイリープラネットをウロウロし過ぎていること。敏腕記者の子供がずーっと会社にいてどうすんだよ!(笑)

 しかし!
 「スーパーマン リターンズ」は期待以上の作品です。
 唯一心配なのは、「こんなに面白い作品にしてしまって2作目はどうするんだ!」ってこと。
 当然だけど、2作目も監督してよね。ブライアン!


スーパーマン リターンズ

スーパーマン リターンズ

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2006/12/22
  • メディア: DVD

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コメント 8

Catcat44

>kenさん こんばんわ。
「スーパーマン・リターンズ」私もかなり楽しく見たのですが、1作目、2作目が世代ではないので、これほどブライアンがオマージュだらけにしたのには、さすがに気付かなくて、少し残念&寂しいです。
でも“愛”が感じられて、本当にブライアン・シンガーが監督で良かったと思います。
そりゃ「X-MEN3」もブライアンに撮って欲しかったですけどね。
続編ありそうですが、リチャードとジェイソン(息子)の存在が、すっごく気になります。
果たしてどうなるのでしょうね~。
by Catcat44 (2006-08-16 21:47) 

ken

LICCAさん、こんばんは。
前シリーズをリアルタイムで観ていなくても充分に楽しめたことと思います。
「X-MEN3」もブライアン監督で観たかったですけどね~(笑)。
これだけは“ないものねだり”で、言っちゃいけないことなんでしょう。
さらに続編が安い映画にならないことを祈るばかりです。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-08-17 00:45) 

きりきりととと

はやっ。
by きりきりととと (2006-08-17 02:30) 

ken

たはは。
すいません、アメコミヒーローマニアなもので。
しかも nice!まで(笑)。
by ken (2006-08-17 09:34) 

コザック

こんばんは。
楽しく読ませてもらいました。
私の場合、復習しないで観にいってしまったものだから、見始めてから思い出すまでにちょっと時間がかかってしまい、冒頭の部分も気が付きませんでした。
ぜーったい次回作はあると思うんだけど、、、引き続き監督やってほしいですね。三角関係が気になるっし・・・・。
今回ので再びスーパーマンシリーズに脚光があたるといいな~。
by コザック (2006-08-19 19:07) 

ken

次回作、スーパーマンJr.の大活躍!なんてことにならないといいですね。
ゴジラとミニラじゃないんだから(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-08-19 19:13) 

kenさん、こんばんは。
遅ればせながら、やっと映画館に行ってきました。
そして、このこのブログを始めて全文読みました(今まではネタバレがあるので、全文読んでいませんでした)。
もちろん、復習ばっちりです。
もうkenさんと同じところで、感動しました!
オープニングのクレジットがほとんど同じことに感動し、
ジェット機の救出シーンでは全てのカットに感動し、最後球場のスクリーンに大写しになるスーパーマンの姿に涙が目からこぼれ落ちそうになったのでした。
もうブライアン・シンガー様々です!
この映画に巡り会えてよかったです。
バットマンも、スパイダーマンもX-MENも好きですけど、スーパーマンは僕にとって完全正統派のヒーローでした。
こうして時代を越えて受け継がれていくのは本当に素敵ですね。
by (2006-09-04 00:59) 

ken

感動ポイントが一緒ですごく嬉しいです^^
あと少年期のエピソードの描き方(特に納屋の屋根を突き破って地面に追突
しそうになるところ)も良かったですよね~。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-09-04 09:20) 

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