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春の惑い [2006年 レビュー]

春の惑い」(2002年・中国) 監督:田荘荘 脚本:アー・チョン 撮影:リー・ピンピン

 『人にはそれぞれ、そのときどきで出逢うべき映画がある。
  しかし、多くの人はその映画を見つけられないものだ』

 舞台は抗日戦争後の中国、蘇州。
 由緒ある旧家に嫁いだものの戦争で没落してしまった家で、病を患う夫リーイェン、義妹シュウ、そして使用人ホワンの4人で静かに暮していた妻のユイウェン。
 ある日、夫のところへ10年来の友人が訪ねてくる。今は上海で医者をしているというチーチェンは実はユイウェンの初恋の相手だった。

 結婚8年。病気の夫は30歳。妻26歳。子供はまだ無いがすでに寝室は別。そこへ医者として成功した初恋の人が現れ、しばらく家に滞在することになる。こんな設定で何も無いわけが無い!(笑)。
 僕はこういう「さもなにかありそうな設定」の映画が大嫌いなんですけど、まあ似たような作品で過去に「花様年華」という名作もあったので、最近は黙って観てみるようにしています。

 作品の中味はお約束で想像通りの展開になるわけですが、それでもある特定の人にとっては面白く観られるだろうなと思いました。そこで冒頭の言葉が思い浮かんだワケなんですが、この作品は最近こんなことを考えている女性にオススメします。

 「愛する結婚」と「愛される結婚」。女にとって幸せなのはどっち?

 どうでしょうか?このワードにビビッ!と来た人には完全に“ツボ映画”だと思います。
 監督は素朴なプロダクションデザインと中国らしいロケーションを落ち着いたカメラワークでゆったりと切り取り、必要以上の間を持たせた編集を施して、思考を巡らすのに充分な時間を観客に与えています。
 結婚前の悩める女性はぜひ。
 なにやら昼メロ風のストーリーなんですけど、いろいろ考えさせられる映画だと思います。

春の惑い

春の惑い

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/03/17
  • メディア: DVD

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コメント 2

midori

私は好きですねー、この感じ。
こういうテーマ、日本映画だと、なんつーか爛れたエロさが出そうですが、
これは、妻役の女優さんの儚げで物憂げな雰囲気が功を奏したか、
美しく仕上がっていますね。
映像が綺麗なので、私は部屋で、音を消して映像だけ流したりしてます。

by midori (2009-08-01 15:44) 

ken

この映画に触発されたのか、ずいぶん面白いレビューを書いたなと
読み返して我ながら感心しました。
ミュートにして映像だけ流す気持ち、分かります。
これが日本映画だったら、無理ですよね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-08-02 00:19) 

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