めし [2006年 レビュー]
「めし」(1951年・日本) 監督:成瀬巳喜男 監修:川端康成 原作:林芙美子
今じゃ考えられないタイトルにのけぞりますね。
「食事」でも「ごはん」でもなく「めし」ですから(笑)。こんなタイトルでどんな内容かと言うと、大阪の下町に住む倦怠期を迎えた夫婦の物語です。
前回の「浮雲」もそうでしたが今回もまったく今に通じる話で、倦怠期を迎えた夫婦で観てしまうと、妙にそわそわしてしまう内容になっています。
なぜそわそわするかと言うと、“連れ合い”に言うに言えない不満や文句がどんどん絵となり言葉になるからで、これはどちらかと言うと1人でこっそり観て、“連れ合い”に対する気持ちを改めるきっかけにした方がいいかも知れません(笑)。
作品としては、まさかこんなことで離婚もありうるか?と観客をヤキモキさせつつ、それでいて納得の着地をさせる脚本が見事。また夫に対する不信の原因となった姪の行動を、妻自身も取ってしまっているという展開も絶妙でした。
ラスト近く。夫婦で飲むビールを一方は「苦い」と言い、一方は「うまい」というシーンに、僕は成瀬巳喜男の「夫婦観」を観ました。
妻に対する負い目をなんとなく感じているダンナさんは必見(笑)。
kenさん、おひさしぶりです、こんにちわ。
私も映画は洋画邦画を問わず好きです。
でも最近は自転車で5分の場所にシネコンがありながら、
足が遠ざかってます。
もっぱらDVDをレンタルしてます。
韓国TVドラマにも、弟夫婦の影響ではまってはや1年以上。
最近観たのは「波瀾万丈 Miss キムの10億作り」で、
笑いそして泣きました。
邦画でモノクロでは、やっぱり黒沢監督の「七人の侍」が忘られません。
他の作品も結構みました。
また小津安二郎の作品もBS2で特集があったときにみましたが、
あの当時から亡き笠智衆さんは老け役でしですね。
「秋刀魚の味」「東京物語」等ですが、
原節子さんがあまりにも美しく見えたのは、モノクロのせいではないでしょう。
最近観たDVDでは「ALWAYS 三丁目の夕日」、
ラストシーンでボロボロ泣きました。
自分、結構泣き虫なのです。
by mouse1948 (2006-10-14 13:13)
mouse1948さん、おひさしぶりです。
チャリで5分のところにシネコンなんてうらやましい!
でも自分の好きな時間に観られるDVDの方が楽といえば楽ですよね。
原節子さん。
僕はこの方をキレイだと思ったこと一度もありません。
この映画でも彼女の妹役の女優さんの方がよっぽど美人だと思いました。
モノクロ映画のいいところは、「色白は七難隠す」になっているところかも
知れませんね^^
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-10-14 13:41)
こんばんは。
平凡な話のようなのに、色々な事件が起こっておもしろいですよね。
しかも日常的にどこにでも起こりそうに思えるところが、成瀬監督の腕なのでしょうね。
「1人でこっそり観て、“連れ合い”に対する気持ちを改めるきっかけにした方がいいかも知れません」というのが、kenさんらしくてnice!です。
by coco030705 (2006-10-16 21:07)
我々の日常も実はドラマティックだと言うことかも知れませんね。
その昔シナリオの勉強をしていた頃、「題材はどこにでも転がっている」と
教えられたことを今日思い出しました。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-10-16 23:12)