間宮兄弟 [2006年 レビュー]
「間宮兄弟」(2006年・日本) 脚本・監督:森田芳光 原作:江國香織
この作品、僕の感想は一行で終わります。
「何かは分からないけど何かを期待して観たのに何の期待にも応えてくれなかった映画」
これがすべて。
予告編を観たときは面白そうだなと思いました。
特に佐々木蔵之助とドランク塚地の2人が兄弟を演る。この意外な組み合わせは「ホームランは無理でも、もしかしたら2塁打。いや、足を絡めて3塁まで?」と思わせる力があった。
さらに、この2人で得点が無理だった場合を考えて、旬の女優・沢尻エリカを起用した。これは「最悪でも外野フライで1点を取る」という製作陣の執念の表われだと思いました。
こうして試合は始まった。ところが歓声はどこからも聞こえてこなかった。
劇場公開中も、DVDがリリースされてからも、「間宮兄弟」のことを話す人はほとんどいなかった。すごく不思議だったんだけど、実際に観たら合点がいった。この映画は僕が先に書いたように「手短に話せば済んでしまうくらい薄っぺらな映画だった」ってことなんです。
僕は原作を読んでいないから断定できないけれど、この映画がおもしろくない理由は原作のせいじゃないと思います。多分99.9%、監督の書く脚本のせいでしょう。
「こんな兄弟、実際にはいないかも知れない」
仮に観客がこんな疑問を抱いても、それはフィクションだから許される。
「この兄弟の行動や言動は人間の行動心理学上ありえない」
観客がこう感じてしまったら…。いくらフィクションと言えどもこれは許されません。登場人物が人間的なリアリティを失ってしまったら、それはすでにドラマではないのです。
映画監督の中には「観る人が何かを感じてくれればいい」と言って映画を作る人がいます。
僕もそんな映画が嫌いじゃありません。
でもそのために大切なことは、ドラマの中の何もかもが自然でなければならないと思います。
森田芳光監督の演出は「過剰な芝居」でした。しかも極めて時代遅れの。
DISCASで予約入れているんですよね。あんまり期待できないな、とは思いつつ。フラガールの演出演技が過剰で、泣かせを狙っているとは思いつつもある種の感動は確実に与えてくれるわけですが、狙っていると分かっていることが興ざめよりももっとタチの悪いものを呼んでいるようですね、間宮兄弟は。
でもみてみます。みたらレビューしますね。
by 瑠璃子 (2006-11-14 16:54)
なんとか間宮兄弟のいいところを見つけてあげて下さい!
あと、ほかにも「オペラ座の怪人」とかのレビューも気長に待ってます(笑)。
by ken (2006-11-14 21:36)
ごめん…「オペラ座」以外あとなにがあったっけ…?
シリアナ?w
by 瑠璃子 (2006-11-15 08:32)
いろいろあって忘れちゃいました(笑)
by ken (2006-11-15 16:45)
こんにちは。 “ファイト”に一発書きこんだものです。
この映画の予告で、監督が誰か判るまでは興味津々だったのですが~・・・・。
森田監督の映画には過去三度ほど 『時間返してーー』 的な気分にさせられており
瞬時に観る気をなくしてしまいました。
『黒い家』、『模倣犯』はいずれも評価の高い小説の映画化でしたが
どちらも読んでいない私にさえ、200%原作キラーと思わせる仕上がりで。
もはや観るつもりはないですが、『阿修羅のごとく』 も原作者が存命なら
この人に映画化を許したかしら~!? なんて。 なんて! 生意気にも♪
すみません。 つい長くなっちゃいました!
by B (2006-11-18 13:26)
Bさん、ようこそ。引き続きお越しいただきありがとうございます。
なるほど森田芳光氏は“原作キラー”だったのですね(笑)。
いいフレーズを教えていただいてありがとうございます。
今後、使わせていただきます^^
by ken (2006-11-19 00:42)
こんにちは。
んー、なるほど。私の場合は「こんな兄弟いないだろうけれど、いたらいいな」という風に思いながら観ていたので楽しめたのかもしれません。
しかし常盤貴子に沢尻エリカ、北川景子という美女が揃うなんて現実にはあり得ない(笑)
by (2007-10-19 16:36)
映画にはどうしてもリアリティを求めてしまう僕には
無理な作品だったんですねえ。残念。
by ken (2007-10-19 16:46)
この作品のいいところ。
兄弟のお部屋がステキでした。
コレクション好きな人がインテリア雑誌のかわりにみると、
夢があっていいと思います。
by (2008-02-13 10:39)
ナイスフォロー!ですねw
by ken (2008-02-13 17:03)
原作モノでも「阿修羅のごとく」はそれなりに良かったような。私は「黒い家」も好きですよ。
それはともかく。
人間的リアリティがないと、何かを感じるのは難しいですねぇ。
私の学生時代の小説の師匠は、人間を描いていないものは小説とは呼ばない。物語である。浦島太郎とか桃太郎と同レベルのものだと言っていましたよ。
TBさせてください。
by satoco (2008-06-05 23:34)
原作モノで良かったもの…。何があったかなあ。
ちょっと思い出してみますw
by ken (2008-06-06 11:03)