ブルー・ベルベット [2007年 レビュー]
「ブルー・ベルベット」(1986年・アメリカ) 監督・脚本:デヴィッド・リンチ
今までDVD化されていなかった「ツイン・ピークス」シーズン2がついに発売されるそうです。
まずシーズン1のレンタルが6月8日から、シーズン2のレンタルが6月22日と7月6日にスタートし、今年の秋にはシーズン2のセルDVDがリリースされる予定だとか。
いやぁ、ここまで長かったなあ~!僕はね、ホントに首を長くして待ってましたよ。
実は昨年パラマウントの人とお知り合いになったので、「ところでツインピークスの後半はいつになったらDVDになるんですかね?」と冗談交じりに聞いたら、「いや~Kさんもマニアでしたかぁ。あれはねぇ、リンチのせいなんですよ~」と言う。聞けば「フィルムをデジタル化するために色のチェックとか本人が全部するらしいんですけど、忙しすぎてそれをやってる時間がないらしいんですよねえ(笑)」ということだったらしいです。
と言うわけで、本日は「祝!ツイン・ピークス全エピソードDVD化記念」で、「ブルー・ベルベット」を観ることにしました。
リンチのキャリアから言うと、「イレイザーヘッド」「エレファントマン」「砂の惑星」に次ぐ4本目の長編映画で、「ツインピークス」パイロット版を発表する3年前というタイミングの作品になります。
で、どうかと言うと、これがリンチワールド炸裂でかなり面白いです。正確には作品が面白いんじゃなく、リンチのイマジネーションが面白いんですけどね。
ツイン・ピークスを観たことのある人なら分かると思いますが、とにかく「変な人」が出て来る。
僕がツボだったのは深夜の住宅街で犬を散歩させてる小太りの男。暗い歩道で子犬と一緒にフリーズしてます。意味もなく(笑)。それと頭を撃ち抜かれて立ったまま絶命している男。これがゆらゆら揺れてるんですよ、死んでるのに。どういうこっちゃー(笑)。
つまりリンチの作品は“リンチのパトロン”になったつもりで観ると面白いということなんですね。
まともに観てたら、「オープニングで入院しちゃった親父はどうなるんだ?」とか、「デニス・ホッパーの役は結局なんだったんだ?」とか、いろいろ疑問が沸いて来て大変なことになっちゃいます。
イングリッド・バーグマンの娘、イザベラ・ロッセリーニとデニス・ホッパーが笑っちゃうくらい異常なキャラクターを演じているのがまず見物。
ノースキャロライナ州のランバートンというのどかな町を舞台に選び、その町の雰囲気を伝えるリンチの演出もニヤリとさせられる。なぜなら、これが後の「ツイン・ピークス」に繋がっているのは間違いないから。
俺もやっとリンチを面白いと思える歳になったなあ。改めて観る「ツイン・ピークス」も楽しみ。
thanks! 380,000prv
今までDVD化されていなかった「ツイン・ピークス」シーズン2がついに発売されるそうです。
まずシーズン1のレンタルが6月8日から、シーズン2のレンタルが6月22日と7月6日にスタートし、今年の秋にはシーズン2のセルDVDがリリースされる予定だとか。
いやぁ、ここまで長かったなあ~!僕はね、ホントに首を長くして待ってましたよ。
実は昨年パラマウントの人とお知り合いになったので、「ところでツインピークスの後半はいつになったらDVDになるんですかね?」と冗談交じりに聞いたら、「いや~Kさんもマニアでしたかぁ。あれはねぇ、リンチのせいなんですよ~」と言う。聞けば「フィルムをデジタル化するために色のチェックとか本人が全部するらしいんですけど、忙しすぎてそれをやってる時間がないらしいんですよねえ(笑)」ということだったらしいです。
と言うわけで、本日は「祝!ツイン・ピークス全エピソードDVD化記念」で、「ブルー・ベルベット」を観ることにしました。
リンチのキャリアから言うと、「イレイザーヘッド」「エレファントマン」「砂の惑星」に次ぐ4本目の長編映画で、「ツインピークス」パイロット版を発表する3年前というタイミングの作品になります。
で、どうかと言うと、これがリンチワールド炸裂でかなり面白いです。正確には作品が面白いんじゃなく、リンチのイマジネーションが面白いんですけどね。
ツイン・ピークスを観たことのある人なら分かると思いますが、とにかく「変な人」が出て来る。
僕がツボだったのは深夜の住宅街で犬を散歩させてる小太りの男。暗い歩道で子犬と一緒にフリーズしてます。意味もなく(笑)。それと頭を撃ち抜かれて立ったまま絶命している男。これがゆらゆら揺れてるんですよ、死んでるのに。どういうこっちゃー(笑)。
つまりリンチの作品は“リンチのパトロン”になったつもりで観ると面白いということなんですね。
まともに観てたら、「オープニングで入院しちゃった親父はどうなるんだ?」とか、「デニス・ホッパーの役は結局なんだったんだ?」とか、いろいろ疑問が沸いて来て大変なことになっちゃいます。
イングリッド・バーグマンの娘、イザベラ・ロッセリーニとデニス・ホッパーが笑っちゃうくらい異常なキャラクターを演じているのがまず見物。
ノースキャロライナ州のランバートンというのどかな町を舞台に選び、その町の雰囲気を伝えるリンチの演出もニヤリとさせられる。なぜなら、これが後の「ツイン・ピークス」に繋がっているのは間違いないから。
俺もやっとリンチを面白いと思える歳になったなあ。改めて観る「ツイン・ピークス」も楽しみ。
thanks! 380,000prv
そう言われると、観たくなります。ツイン・ピークスの住人全部が変人な世界が、壺の私にしてみれば...^^;
by 江戸うっどスキー (2007-03-25 02:52)
ツインピークスが流行っていた頃、一番の好みは誰?ってハナシが
盛り上がってましたよねえ。
ちなみに僕はホテルの娘、シェリリン・フェンにメロメロでした(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-03-25 12:47)
ツインピークス!!懐かし~!! あれ途中でストップしてそのままです。
あ、犯人言わないでください(笑)
この作品もよく話題に上りますねえ。興味津々です!!
by Sho (2007-03-25 14:49)
ブルー・ベルベット、大学生になってから観た。大人の映画だ〜と思った。エロエロムードイッパイだった。イザベラロッセリーニのオッパイが立派だった。当時はよく訳がわからなかったが、大人の映画を観た気持ちでいっぱいだった。今観たら、もっとよく分かるかなー。
by snorita (2007-03-25 15:12)
Ken先生 お邪魔します。
現在、映画を勉強中の女子大生です。
私が持ってる本にこんなことが書いてありました。
でも、なんど読んでも意味が不明です(笑)
少し解説していただけませんか。
ちなみに、映画は来週サークルで観る予定です。
そのとき感想を言わされるので予習しているのですが。
* * * * * * * * * * * *
こんな風にして『ブルー・ベルベッド』の物語は始まり、
“悪夢の連鎖” が描かれる。
映画雑誌でさえ言及することだが、この構図は、
テレビ版『ツイン・ピークス』(89~)で焼き直されている。
ピートがローラの死体を発見する冒頭だけでなく、小石を
投げて瓶に当てるという、クーパーFBI捜査官の独特な
捜査法とリンクしている。
語り部リンチはジェフリーの体験するダークな冒険譚を
通し “性の甘美さやおぞましさ” を観客に味あわせる。
『ブルー・ベルベッド』 はティーンエイジャーが抱く
「性の恐怖と憧憬」を描いているに過ぎない。
それさえはっきりしていれば、詳細なあらすじを理解する
必要はないだろう。
そんな奇妙な世界をテレビ用に分かり易く再構築した結果、
『ツイン・ピークス』が出来上がるのである。
* * * * * * * * * * * *
特に 「リンチ特有の才能とユニークな面白さ」について無知
で未熟な私にも分かるような解説を頂けるとありがたいです。
よろしくお願いします。
(日大芸術学部2年)
by 響子 (2007-03-25 15:51)
>Shoさん
え?途中まで観てて最後まで観てないんですか?ツインピークス。
それはまずいでしょ~(笑)。
6月リリースされるDVDで最後がどうなってるのか是非確認してください!
nice!ありがとうございます。
>snoritaさん
「マルホランド・ドライブ」もエロエロなんですよ。
でもあれを観たときはいまひとつ面白さが分からなかったなあ。
僕はあれをもう一度観ようかな?
>響子さん
解説ですか?シロウトの僕にムチャ振りしましたね~(笑)。
ところで響子さんは「ツインピークス」ご覧になりましたか?
観ているなら、あとは「ブルーベルベット」を観るだけで、
この文章の意味は理解できると思います。
ただリンチに関して一言だけ申し上げると、
彼が作り出すキャラクターに「変な人」が多いのは、
「世の中にまともな人間なんて一人もいない」
という信念の表われだと思います。
そして「自分だけはまともな人間」と思い込んでいる連中
(僕もその中の一人ですが)への強烈な皮肉なのでしょうね。
by ken (2007-03-26 01:48)