ウォール街 [2007年 レビュー]
「ウォール街」(1987年・アメリカ) 監督・脚本:オリバー・ストーン 脚本:スタンリー・ワイザー
「プラトーン」でアカデミー作品賞と監督賞を獲ったオリバー・ストーン翌年の作品。
タイトル通りウォール街のマネーゲームを描いたドラマだが、これが「さすがオリバー・ストーン」と言いたくなるほど面白い。
もちろん20年前の作品だから見劣りする部分はある。
しかし2007年に観る僕にはまだ記憶に新しい「ライブドア事件」を髣髴とさせるし、しかも「マネーゲームにおける成功(ゴール)はどこにあるのか?」が分からない僕たち庶民には結末の想像がつかないから、ドラマの展開に興味を失うことも無いし、さらに後半のたたみ掛けるような“シーソーゲーム”はエンタテイメントの王道を行っているのだから、これで面白くないわけがない。
ただゴールテープを切ったとき、この作品のテーマをどう受け止めるかは「二者択一」になるだろう。
実際にアメリカでは「木を見て森を見ない」若者が多数、投資銀行に入社したらしい。確かにマイケル・ダグラスほどの役者に「情報より価値のある商品はない」と凄まれたら、それはもはや洗脳に等しい、と同情もするけれど。
感心すべきはこれがオリジナル脚本であるという点だ。
僕はこれを最後まで原作モノだと信じていたし、きっと原作はこれ以上に面白いんだろうなと思いながら観ていたら、エンドクレジットに原作表記がなかったので驚いた。オリバー・ストーンの眼力と文才、恐るべしである。
オープニングにフランク・シナトラの「FLY ME TO THE MOON」を使うセンスも好きだ。
戦後アメリカ経済成長の象徴とも言うべきアポロ計画を背景にヒットした「私を月に連れてって」は、マイケル・ダグラス演じる大富豪、ゴートン・ゲッコーの「金さえあれば月へも行ける」という“性格付け”を暗示していて面白いし、シナトラのノーテンキさ加減は若き証券マン、バド(チャーリー・シーン)にも重なって、これまた気持ちいい。
手持ちカメラの撮影と、証券会社シーンの編集は一見の価値あり。
マーティンとチャーリーの親子競演も見どころ。監督自身、証券マンとしてワンカットだけ出演するのはご愛嬌。
thanks! 470,000prv
「プラトーン」でアカデミー作品賞と監督賞を獲ったオリバー・ストーン翌年の作品。
タイトル通りウォール街のマネーゲームを描いたドラマだが、これが「さすがオリバー・ストーン」と言いたくなるほど面白い。
もちろん20年前の作品だから見劣りする部分はある。
しかし2007年に観る僕にはまだ記憶に新しい「ライブドア事件」を髣髴とさせるし、しかも「マネーゲームにおける成功(ゴール)はどこにあるのか?」が分からない僕たち庶民には結末の想像がつかないから、ドラマの展開に興味を失うことも無いし、さらに後半のたたみ掛けるような“シーソーゲーム”はエンタテイメントの王道を行っているのだから、これで面白くないわけがない。
ただゴールテープを切ったとき、この作品のテーマをどう受け止めるかは「二者択一」になるだろう。
実際にアメリカでは「木を見て森を見ない」若者が多数、投資銀行に入社したらしい。確かにマイケル・ダグラスほどの役者に「情報より価値のある商品はない」と凄まれたら、それはもはや洗脳に等しい、と同情もするけれど。
感心すべきはこれがオリジナル脚本であるという点だ。
僕はこれを最後まで原作モノだと信じていたし、きっと原作はこれ以上に面白いんだろうなと思いながら観ていたら、エンドクレジットに原作表記がなかったので驚いた。オリバー・ストーンの眼力と文才、恐るべしである。
オープニングにフランク・シナトラの「FLY ME TO THE MOON」を使うセンスも好きだ。
戦後アメリカ経済成長の象徴とも言うべきアポロ計画を背景にヒットした「私を月に連れてって」は、マイケル・ダグラス演じる大富豪、ゴートン・ゲッコーの「金さえあれば月へも行ける」という“性格付け”を暗示していて面白いし、シナトラのノーテンキさ加減は若き証券マン、バド(チャーリー・シーン)にも重なって、これまた気持ちいい。
手持ちカメラの撮影と、証券会社シーンの編集は一見の価値あり。
マーティンとチャーリーの親子競演も見どころ。監督自身、証券マンとしてワンカットだけ出演するのはご愛嬌。
thanks! 470,000prv
こんばんわ。
オリバーストーンの「プラトーン」とてもショックで素晴らしい映画でしたですね。
その後の「ウォール街」は観ていません。
いつBSで放映するんでしょう?
by mouse1948 (2007-07-07 19:32)
僕は先日BS2で放送したのを録画して観ました。
面白いですよ~。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-07-07 23:54)
ken さんnice!&コメントをありがとうございました。
オリバー・ストーン監督は社会派映画で有名ですよね。それなのにお堅い映画にならずしっかりエンタテイメントな映画を作る凄い才能ですよね。私は「JFK」が好きです。
by ばぁつん (2007-07-08 00:42)
「JFK」。良いんですけど長いんですよねえ。
特にDVD版のディレクターズカット。
自分で作れって言われたら、多分もっと長くなると思うけど(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-07-08 01:43)
「ウォール街」はオリバー・ストーン監督の作品だったんですね。BSの放送録画しておこうかなと一瞬迷ったのですが、昔の映画だし、ウォール街には興味ないしまぁいっかと思ってしまい・・・。
kenさんの記事を読んで、録画しておけばよかったと後悔。
「コマンダンテ」、観に行くつもりです。
by デクノボー (2007-07-08 12:43)
レンタルなら旧作で安く借りられるはず。
ぜひ!(笑)。
by ken (2007-07-08 23:35)
借りて観てみます。
by デクノボー (2007-07-09 01:03)
感想、楽しみにしています!
by ken (2007-07-14 09:41)
kenさんのマイケル・ダグラスはこれが一番っていう映画は何ですか?
ちょっと訊いてみたいです
by syun (2011-01-30 22:48)
僕、そんなに彼の作品観ていないので、難しいご質問なんですが、
観た中で言うと、「チャイナ・シンドローム」でしょうか。
nice!ありがとうございます。
by ken (2011-01-31 20:43)
音楽もすごくよかったですね。雰囲気ありました。
そして、マーティンとチャーリーの親子共演、最後のクレジットをみて気がついたのですが、確かに似てましたw
by カオリ (2011-03-29 16:11)
ここからどう「ウォールストリート」に繋がったのかが、改めて気になりました。
そろそろ観てみたいと思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2011-03-29 16:24)
続編の封切を機にこちらを観た方も多そうですね。
kenさんの洞察力さすがです。アポロ計画とゴードン・ゲッコーの性格とFLY ME TO THE MOONのつながりなんてさっぱり気づきませんでした。監督の一瞬のカメオ出演もご愛敬でしたね。この人ホント出るのが好きな気がします。
by movielover (2011-05-24 00:22)