チャイナ・シンドローム [2007年 レビュー]
「チャイナ・シンドローム」(1979年・米) 監督・脚本:ジェームズ・ブリッジス 脚本:マイク・グレイ他
風邪っぴき映画3本立ての3本目。観るのは28年ぶりです(うひー!)。
そして28年前の映画ノートに僕はこんなことを書いていました。
「僕の印象と内容は少し違っていた。僕は最初、ジェーン・フォンダとマイケル・ダグラスが原子力発電所の事故をなんとかあばこうとし、ジャック・レモンがそれをなんとかさせまいとしているのかと思っていた。しかし本当はそれ以上にすごい内容だった」
出だし「僕の印象」と書いているけれど、正しくは「僕の想像」ですね(笑)。16歳の小僧が書いた日記ですからそこは勘弁してやってください。
でもこの作品が面白いのは28年前の僕が書いた通り、そんな単純な話じゃなく、原発技師のコデル(ジャック・レモン)がマスコミ、下請け業者、同僚、そして会社を相手に四面楚歌になってしまうところです。
やがて孤立したコデルは事故をスクープしたマスコミに突破口を見い出し、マスコミを利用することで発電所を守ろうとする。
「私は発電所を愛している」
キャスターのキンバリー(ジェーン・フォンダ)にこう語ったコデルの表情を、僕は28年間忘れていませんでした。そして愛しているが故に生じる絶対的矛盾がこのドラマを熱くしているのです。
聞けばこの作品にはバッドエンディングがあったそうです。
確かにハリウッドのスタジオがよくやることで、モニター調査の結果現在のハッピーエンド版に落ち着いたらしいのですが、公開当時スリーマイル島原発事故がなければ、この映画もどこまで社会的に認知されたかは分かりません。
理論上は夢のエネルギー。しかし、事故は世界中で何度となく起きてきました。
問題なのは、その中のいくつかの事故が「人災」であるということ。
「チャイナ・シンドローム」は公開から28年経過した今も原子力発電所が抱えている問題を痛烈に批判する傑作です。
バッドエンディングが本当に伝えたかったものなんだろうな。
いつもいつも、ハッピーであるわけもなく、そっちが見たいぞ。
by **feeling** (2007-07-24 08:46)
しかしバッドエンディングには救いが無いような気もします。
観てみたいことに変わりはありませんけどね。
DVD特典映像につけてくれれば良かったのに。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-07-24 10:39)