SSブログ

黄金 [2009年 レビュー]

黄金」(1948年・アメリカ) 監督・脚本:ジョン・ヒューストン

 アカデミー賞の監督賞と脚色賞をダブル受賞したハンフリー・ボガート主演作。
 メキシコでホームレス同然の生活をしていたボガートは、ふと耳にした金鉱掘りの話に相棒と飛びつく。指南した老人を含めた3人は苦労の末、大量の砂金を発見するが、やがてボガートは2人に対して疑心暗鬼になってい行く。

 「人間、欲に目が眩むとろくなことにならない」という映画です。
 実に単純ですが、実に面白い。ハンフリー・ボガートが欲にまみれる厭らしい男を好演しています。
 この時代の作品は僕たちが「見慣れていない」ということもあって、展開を読もうにも読みきれない面白さがあります。僕はまさかボギーが悪人になるなんて考えてもなかったし、キャストの筆頭にクレジットされながら「ええ!マヂで?」と思わず声を挙げることになるなんて(ネタバレ自主規制)想像も出来なかったし、他にも意表を突かれるシークエンスがあって、心の底からドキドキしながら見せてもらいました。
 テーマはシンプル。でも展開は意外。実に素晴らしい
です。

 ところどころ人生訓になっている脚本もいい。
 砂金を掘り当てた3人はある夜、山を降りたらどうする、という話になります。
 ボギーの相棒は「果樹園を開き、毎年実を収穫しながら暮らしたい」と話すのに対し、ボギーは「まずスーツを10着作る。それからレストランへ行って、高いメニューから注文して『美味くない』と突き帰してやる。あとは女だ」と言う。このとき指南役の老人(ウォルター・ヒューストン。本作でアカデミー助演男優賞受賞)がいい表情をします。
 他にも「損して得とれ」や「急がば回れ」の教えが隠れていて、「オトナのための童話」と言ってもいい仕上がり。
 まさに「温故知新」な映画です。

黄金 [DVD]

黄金 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

太陽がいっぱい真昼の暗黒 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。