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日本の首領(ドン) 完結篇 [2009年 レビュー]

日本の首領(ドン) 完結篇」(1978年・日本) 監督:中島貞夫 脚本:高田宏治

 映画界には3部作っていろいろありますよね。
 代表的なのは何と言っても「ゴッドファーザー」。そして「スター・ウォーズ」は新旧3部作で、他に「ロード・オブ・ザ・リング」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「マトリックス」、「インファナル・アフェア」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」と娯楽作品と呼ぶに相応しいタイトルが並びます。
 日本でも現在「20世紀少年」が3部作としてリリースされていますが、恐らくこの「日本の首領」は映画史上最低の3部作でしょう。
 
 まあ今回も「東映ヤクザ映画トラップ」が随所に仕掛けられてて参りました。
 菅原文太の役が3部作すべて違うのは先回触れた通りですが、どういうわけか今回文太さんが演じた川西明という役は車椅子に乗ってるヤクザで、もしかしてこれは第2部の後半で関東連合に撃たれた「天坊信助」役をひきずっているのか?と。だったらどうして役名を変える必要があるのか理解に苦しみます(笑)。
 さらに右翼の巨頭「大山喜久夫」役が内田朝雄から片岡千恵蔵(!)に変更。第1部で新興企業の専務として出ていた西村晃が、今回は国会議員役で復帰。志賀勝は今回も別人(しかも中島組の幹部に昇進してた)の役でチラリと出演、他にも渡辺文雄、小林稔侍、織田あきらの面々が前回とまるで違う配役で登場します。ホント、いい加減にして。

 そうは言ってもこの作品。面白くなる要素は充分にあったと思います。
 筆頭は、中島組の親分の娘と結婚した医師の一宮恭夫(高橋悦史)というキャラクター。名医がヤクザの大親分の義理の息子になって、途中義理の父親の気持ちを汲んで若頭を注射1本で殺したりするんですよ。こんな破天荒なキャラ、そういませんから(笑)。僕はてっきり一宮がヤクザの世界に入っていくんだと思っていたんですが、そうはならない。それどころかヤクザの息子になった葛藤もさして無い。なんのために出てきたんじゃおのれは。
 本作に限って言えば、当時28歳だった大谷直子演じる木村由紀子を主人公にしたほうが面白かったかも。父の経営する小さな会社が倒産し、借金のかたに300万円でヤクザに買われ、その流れで国会議員の女になり、結婚し、クラブのママになる。彼女の変わり身
が一番面白かったな。そんなこと言っても後の祭りですけど。
 
 3部作の上映時間、トータル7時間24分。他にやることあったなあ(笑)。

日本の首領<ドン> 完結篇 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: DVD

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snorita

ご苦労さんでした。ただただしーんと、kenさんの三部作こなすのを息を殺して(笑いをこらえて)よませていただいておりました。こうやって書くと、元も子もないですが、誰を対象にして作られた映画だったんでしょうねえ?ゴッドファーザー日本版?

by snorita (2009-03-24 17:28) 

CORO

映画史上最低の3部作ですか。
う〜ん、Z級好きの血が騒ぐ。
思いきって時間を無駄にしてみようかな(笑)。
by CORO (2009-03-24 22:28) 

ken

>snoritaさん
 死んだウチのオヤジが好きそうな映画だなあ、と思いながら観てましたw
 nice!ありがとうございます。

>COROさん
 時間をムダに過ごすのは若者の特権です。
 46のオッサンがやることじゃありませんでしたw
 nice!ありがとうございます。
by ken (2009-03-25 00:03) 

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