キング・コーン 世界を作る魔法の一粒 [2009年 レビュー]
「キング・コーン 世界を作る魔法の一粒」(2007年・アメリカ) 監督:アーロン・ウルフ
忙しい。
引っ越しも終わって、たっぷり映画を観ようと思っていたら、明日からモンゴルへ行くことになった。モンゴルで5日間ばっちり仕事をして、帰って来たら今度は山梨に借りていた家をたたむことになったので、週末はしばらく片付けに通うことになる。
4月。プロ野球が開幕して広島へ行けないのも何年ぶりだろう。ほとほと悲しくなる。
さて、こんなに忙しいと食もおろそかになる。
僕は身体に悪いものを食べると、吹き出物となって顔に出る体質であることが、昨年妹と話していて判明した。たとえば僕は、ベビースターラーメンを食べると、尋常じゃないくらい肌が荒れる。
「多分、あの油が私たちに合わないと思うのよね」
46歳と44歳の兄妹が遠く離れて、未だベビースターラーメン食べてるのもどうかと思うけど(だって好きだったんだもん)、そんなことが分かって今はもう食べてません。
つまり僕たちはそうとは知らず身体に悪いものをいろいろと食べているわけですが、「ファーストフード」と呼ばれる類のものも、あまり良いとは聞きません。でもつい食べちゃう。忙しいときもそうだけど、最近では驚くほど安いから。
では。
皆さんはマクドナルドがなぜハンバーガーを1個100円で提供出来るか分かりますか?
僕は4年前に「スーパーサイズ・ミー」を観て以来、ファーストフードのハンバーガーは食べないことにしたので、こんなこと考えたこともありませんでした。だって僕の生活になんら関係無いことだし。
ところが。
この映画を観ればすべての人が、その理由を知ることになります。そして「ハンバーガー1個100円」は消費者として喜ぶべきことではなく、人間として脅威を感じる重大な問題であることも。
本編はオープニングからバツグンに面白い。
エール大学を卒業したばかりのイアンとカートがまず、ある研究所を訪ねます。オフィスの入り口には「MACKO ISOTOPE GEOCHEMISTRY LABORATORY(マッコー地球科学研究所)」とある。2人を出迎えたのはスティーブ・マッコー。
「髪の毛は常に食べたものを記録してるんだ」
そう言ってスティーブはイアンとカートの髪の毛を採取し、ある機械にかけて分析します。結果を見てスティーブは2人に一言。
「君たちの体内の炭素の元はトウモロコシだ」
そう聞いたが最後、観客は一時も目を離せなくなります。一体なぜ彼らの身体はトウモロコシで出来ているのか?本編はその理由を探る旅です。
イアンとカートの2人はアイオワ州に土地を借り、コーンを自分たちの手で育て、収穫し、売るという過程で、驚くべき“事実”と対面して行きます。究極は、天候に大きく左右されるため、かつてはギャンブルと言われた「農業」が、今では完全に人間のコントロール下に置かれた「工業」になっていること。アメリカのやることの恐ろしさに多くの人は絶句することでしょう。
ドキュメンタリー映画ですが、アメリカ作品らしく“見せる”ことにこだわっていて、実に観易い作品に仕上がっています。ただし「スーパーサイズ・ミー」同様、目の前に立ちはだかる巨大な敵に矢を放つことなく終わるのが残念。一種の“考えオチ”としてまとめられているので、バカな中、高校生には通じないかも(笑)。
ちなみに日本はトウモロコシ自給率0%で、世界一のトウモロコシ輸入国。うち9割をアメリカに頼っています。早いハナシが“対岸の火事”ではないと言うことをお忘れなく。
イアンとカートの志に拍手。
すんっごく!興味があります!
是非!見たいです!
モンゴル、お気をつけて。
by Sho (2009-04-19 21:39)
おお、おもしろそう!「スーパーサイズ・ミー」と一緒にツタヤ・ディスカスに予約入れなくては・・・
by 葵ママ (2009-04-20 21:44)
こんにちは。
凄く面白そうですね!シアター・イメージフォーラムですか。
あの劇場は未だに訪れたことの無い場所なのです~
でもチャレンジしてみたいです。
最近、ちょっと忙しいだけでも身体が付いていかないということをしみじみ感じてます。
せめて食事だけでも良いものを摂ってくださいね☆
by non_0101 (2009-04-21 11:53)
レンタルで検索するも見つからず、よくよく調べたら劇場公開中なのですね。こりゃ見つからないはず。
by 葵ママ (2009-04-21 17:32)
わたし・・先日、興味本位でクオーターパウンダーを食べたんです。
渋谷の店を出る辺りで胃が重くなり始め、電車で池袋に移動した頃には
もう胃の中に岩でも入れられた様な状態なり、
身体を九の字に曲げながら歩きました。
あんなものをハッピーセットとか言っちゃって子供のおもちゃを付けて
売るなんてアンビリーバボウです。
by spika (2009-04-25 17:09)
>Shoさん
久し振りにオススメのドキュメンタリーです。
食に対する意識を大きく変えさせられました。
nice!ありがとうございます。
>葵ママさん
アナウンス不足失礼しました。
まずは「スーパーサイズ・ミー」からご覧ください!
nice!ありがとうございます。
>non_0101さん
食事はまったく大事です、モンゴルでも痛感しました。
nice!ありがとうございます。
>spikaさん
普段の食生活がちゃんとしているから、マックを受け付けないのだと思います。
素晴らしいですね。
by ken (2009-04-25 21:41)
こんにちは。国際的食品会社の加工食品はできるだけ買わない&食べないようにしています。キングコーン、次に見る予定です!スーパーサイズ・ミー、知りませんでした。見てみたいです。
by duke (2009-04-30 11:55)
「スーパーサイズ・ミー」は必ずのけぞると思います。
そのあとで、キング・コーンをご覧になってみて下さい!
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-04-30 13:06)
これは是非見てみたいですね。
農産物は天候によって収穫量が左右されると昔から教えられてきましたので…。
たしかに「工業化」すれば安定した供給が得られるかもしれないが
反対にまともな味覚が犠牲になっているのまた現実ですからね。
by 芸夢人 (2009-05-03 13:33)
まずはご覧になって下さい。
多少価格が高くても、ホンモノを食べたいと思うようになると思います。
by ken (2009-05-03 18:27)
やっと見たので、また来ました^^
体によい食べ物を選んでいきたいと強く思いました。
システム上逃れられないですけどね。
スーパーサイズミーと両方見て、思うところが多かったです。
by duke (2009-05-24 18:52)
ご覧頂けて嬉しいです。
人間が生きていく上で、極めて重要なテーマを扱った作品だったと思います。
そして、アメリカ人の平均寿命が決して高くない理由を知った気がします。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-05-24 19:48)
「おいしいコーヒーの真実」という映画を見つけました。
KENさんがすきそうなテーマなんで是非。
俺も近いうち借りる予定です。
コーヒーもせめて自分で淹れようと。
by 芸夢人 (2009-05-27 17:14)
オススメありがとうございます。近いうちに探してみます!
by ken (2009-05-28 13:05)
こんばんは。
ようやくシアター・イメージフォーラムにチャレンジしてきました(^^ゞ
とても観易い作品になっていて面白かったです。
安いことがこんなに怖い現状を引き起こすとは…
安いからって喜んでいてはいけませんね。
by non_0101 (2009-06-14 01:05)
タダほど怖いものは無い、とよく言いますが
「安い」にもちゃんとカラクリがあって、その代償は結局消費者が払っている
ということですよね。怖いですううう。
by ken (2009-06-14 01:22)