007／死ぬのは奴らだ [2010年 レビュー]
「007／死ぬのは奴らだ」（1973年・イギリス） 監督：ガイ・ハミルトン
シリーズ8作目。
いよいよロジャー・ムーアの登場だが、その前に一言触れておきたいことがある。
「ポール・マッカートニーの声が若くて、艶があっていい！」
1973年に思いを馳せれば、イギリス国民にとっては待ちに待った「007×ポール・マッカートニー」だったはず。そしてドキドキしながら劇場に足を運び、ロジャー・ムーアの登場に新たなボンド映画のスタートを実感したところで、ポールの柔らかなヴォーカルがぬるりと滑り込んで来るのである。
「When you were young and your heart was an open book. You used to say live and let live」
出だしから、いかにもポールらしい音の選びでシビれまくりだ。当時の観客はきっと糞尿垂れ流しかねないほど興奮しただろう。僕がイギリス人なら間違いなく体中の穴という穴が全部開いたと思う。ついでだが、ジョージ・マーティンの音楽も良かった。
さてロジャー・ムーアの登場と共に、猫の頭をなで回していたブロフェルドはお払い箱となり（つまんねーの）、本作でボンドと敵対するのは麻薬王のミスター・ビッグである。
ここにタロット・カードの使い手ソリテール（ジェーン・シーモア）なる女子が登場し、タロット占いに翻弄されるストーリーが個人的には気に入らないのだけど、ジェーン・シーモアが死ぬほど可愛いいので許す。ついでに言うと、このソリテールがちょっと不思議ちゃんキャラで、その辺りも好きじゃないんだけど、ジェーン・シーモアがとにかく可愛いので許す（笑）。
シリーズ8作目にして今までと決定的に違う点も目に付いた。
それはストーリーの縦軸とはまったく関係のない、道化役のキャラクターが配置されているところだ。ルイジアナ州の保安官G.W.ペッパー（クリフトン・ジェームズ）がその人で、半ばスラップスティックに近い笑いを取りに行ったのは、もしかしてアメリカの客を狙ってのことか、などと考えたが真意のほどは分からない。
新ボンド、ロジャー・ムーア。
ショーン・コネリーとの差別化で目立つのは“葉巻”をくわえているところだろう。ボンドが吸っているのは恐らく「ロンズデール」と思われる種類だが、これは喫煙時間が50分ほどかかる代物で、そんなシガーを本編では少なくとも2度、くわえるシーンが出て来る。別に悪いとは言わないが、スパイとしてはいささか呑気だなと。出来ることなら次回からは辞めてもらいたい。観てるだけで吸いたくなってしまうし（笑）。
お約束。今回の秘密兵器で参ったのは強力な磁力を発生させられる腕時計。
クライマックス。サメに食われる直前にボンドがその機能を使って“あるモノ”を入手したはいいけれど、「そんなとこで磁力を発生させたら、もっといろんなものが飛んで来ない～？」と言いたくなるのは僕だけじゃあるまい。肝心なところの納得感が行かなくて、最後にげんなりした8作目だった（笑）。
THE END of LIVE AND LET DIE.
James Bond will return in THE MAN WITH THE GOLDEN GUN.
![死ぬのは奴らだ [Blu-ray]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51qdncN1xbL._SL160_.jpg "死ぬのは奴らだ [Blu-ray]")
シリーズ8作目。
いよいよロジャー・ムーアの登場だが、その前に一言触れておきたいことがある。
「ポール・マッカートニーの声が若くて、艶があっていい！」
1973年に思いを馳せれば、イギリス国民にとっては待ちに待った「007×ポール・マッカートニー」だったはず。そしてドキドキしながら劇場に足を運び、ロジャー・ムーアの登場に新たなボンド映画のスタートを実感したところで、ポールの柔らかなヴォーカルがぬるりと滑り込んで来るのである。
「When you were young and your heart was an open book. You used to say live and let live」
出だしから、いかにもポールらしい音の選びでシビれまくりだ。当時の観客はきっと糞尿垂れ流しかねないほど興奮しただろう。僕がイギリス人なら間違いなく体中の穴という穴が全部開いたと思う。ついでだが、ジョージ・マーティンの音楽も良かった。
さてロジャー・ムーアの登場と共に、猫の頭をなで回していたブロフェルドはお払い箱となり（つまんねーの）、本作でボンドと敵対するのは麻薬王のミスター・ビッグである。
ここにタロット・カードの使い手ソリテール（ジェーン・シーモア）なる女子が登場し、タロット占いに翻弄されるストーリーが個人的には気に入らないのだけど、ジェーン・シーモアが死ぬほど可愛いいので許す。ついでに言うと、このソリテールがちょっと不思議ちゃんキャラで、その辺りも好きじゃないんだけど、ジェーン・シーモアがとにかく可愛いので許す（笑）。
シリーズ8作目にして今までと決定的に違う点も目に付いた。
それはストーリーの縦軸とはまったく関係のない、道化役のキャラクターが配置されているところだ。ルイジアナ州の保安官G.W.ペッパー（クリフトン・ジェームズ）がその人で、半ばスラップスティックに近い笑いを取りに行ったのは、もしかしてアメリカの客を狙ってのことか、などと考えたが真意のほどは分からない。
新ボンド、ロジャー・ムーア。
ショーン・コネリーとの差別化で目立つのは“葉巻”をくわえているところだろう。ボンドが吸っているのは恐らく「ロンズデール」と思われる種類だが、これは喫煙時間が50分ほどかかる代物で、そんなシガーを本編では少なくとも2度、くわえるシーンが出て来る。別に悪いとは言わないが、スパイとしてはいささか呑気だなと。出来ることなら次回からは辞めてもらいたい。観てるだけで吸いたくなってしまうし（笑）。
お約束。今回の秘密兵器で参ったのは強力な磁力を発生させられる腕時計。
クライマックス。サメに食われる直前にボンドがその機能を使って“あるモノ”を入手したはいいけれど、「そんなとこで磁力を発生させたら、もっといろんなものが飛んで来ない～？」と言いたくなるのは僕だけじゃあるまい。肝心なところの納得感が行かなくて、最後にげんなりした8作目だった（笑）。
THE END of LIVE AND LET DIE.
James Bond will return in THE MAN WITH THE GOLDEN GUN.
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- メディア: Blu-ray
これは面白かったという印象が残ってます。
コミカルなのも路線としてはいいかなと思います。
その分軽いのでコネリー・ボンドが良かったという意見もわかりますが。
ジェーン・シーモアは良かったですね。
ポール・マッカートニーの主題歌は最高です。
by きさ (2010-05-08 08:49)
これはジェーン・シーモアとポールに尽きますw
by ken (2010-05-08 11:00)
なつかしぃぃぃぃ。
バンドオンザラン、よねぇ。
あの歌、好きだったわぁぁぁぁぁぁ。
by うろごつはくば (2010-05-08 13:36)
そう、この年にアルバム「BAND ON THE RUN」が出るんですよ。
確かお年玉で買った気がするなあ。聴きまくってましたよ、あの頃。
nice！ありがとうございます。
by ken (2010-05-08 14:36)
オープニングが面白い作品でしたっけ。
ニューオリンズで、お葬式からお祭りに変わるところと
ポールマッカートニーの歌でゾクゾクしたのと、ソリテールが可愛かった
そんな記憶の作品です。ロジャー･ムーアはアクション苦手そうだなー、と
思った記憶も。。。
by うつぼ (2010-05-09 17:25)
そうなんです！
どこかで書こうと思ってますが、ロジャー・ムーアはアクション下手ですよね！
殺陣が下手と言ったほうが正しいのかも知れませんけど、とにかく遅いw
それとオープニングで黒人ネタをやったのは初めてだったかも？
nice！ありがとうございます。
by ken (2010-05-10 01:34)