G.I. ジョー [2010年 レビュー]
「G.I.ジョー」(2009年・アメリカ) 監督:スティーヴン・ソマーズ
パリ行きの予習映画第2弾。
ハリウッド産だが、予告編にエッフェル塔が豪快に倒れるカットがあったので、もしや歴史に嫉妬するアメリカ人がパリの街をこれ見よがしに壊しているんじゃないか、と思い出して観てみる。
「トランスフォーマー」のヒットに舌なめずりしたパラマウントが“2匹目のどじょう”を狙った映画でもある。往年の玩具をモチーフにし、80年代アメリカでテレビ放映されたアニメ、「地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー」を下敷きにしているそうだ。
ま、何にせよ「悪さする連中(コブラ)と、それを阻止しようとする連中(G.I.ジョー)の攻防戦」であることは間違いない。だから頭を使わずに観ていられる。
「トランスフォーマー/リベンジ」のときに書いたとおり、もやはデジタルに不可能はない。かと言って何をやってもいいワケではない。やりすぎると確実にリアリティを失い、作品のクオリティは低くなる。
本作もどちらかと言えば「やりすぎ」の部類に入るが、登場人物の背景にちょっとしたひねりが2つ加えられていて、この変化のつけ方は個人的に気に入った。
ひとつはイ・ビョンホンが演じた殺し屋、ストーム・シャドウと、G.I.ジョーチームのスネーク・アイズが、幼い頃共に日本の同門で修行をしていたという設定だ(プロダクション・デザインが久々に“間違いだらけのニッポン”で笑える)。
幼き頃の2人は実力で言えばストーム・シャドウが上だったか、2人の師匠はどういうわけかスネーク・アイズに目をかけていた。それに嫉妬したストームは、やがて師匠を殺害して逃亡。それから長い時を経て2人は邂逅を果たす…。
これは僕の勝手な想像だが、この設定はイ・ビョンホンのために相当膨らませたんじゃないかと思う。もしかしたらイ・ビョンホンサイドから出た出演の条件(あるいはリクエスト)だったかも知れない。彼にとっては例えハリウッドデビュー作とは言え、キャラクターとして何の厚みもない、ただの殺し屋だったら引き受けなかっただろう。対するスネーク・アイズが顔を完全に隠したキャラだったのは、持ち上げすぎた韓国人の“太刀持ち”にならないための配慮じゃないかと思ってしまった(笑)。
もうひとつは主人公デューク(チャニング・テイタム)と、敵の女スパイ・バロネス(シエナ・ミラー)は、かつて結婚を約束した2人だったという設定。こういう設定は珍しいわけじゃないが、オープニングまもなく明らかになる2人の関係が、少なからずドラマを牽引したのは間違いないだろう。2人が敵味方に分かれて戦うことになった事情も聞かされてみればまずまず納得で、「意外と締まったな」というのが正直な感想だった。
ところどころ「スター・ウォーズ」をリスペクトしたようなカットがあったのも面白かった。
例えば、ルークがミレニアム・ファルコン号のレーザー砲を使うシーン。デススター内部でオビ=ワン・ケノービがシールドを外すシーン。クワイ=ガン・ジンとダースモールが闘うシーンなどを髣髴とさせるシーンがあるのだ。極めつけはコブラコマンダー。どう観てもダースベイダーである。
調べてみたら監督のスティーヴン・ソマーズは僕より1歳年上の48歳。やはり「スター・ウォーズ」オマージュに違いない。
「トランスフォーマー」と比べたらどうか。
キレイなネエチャンが2人出てた「G.I.ジョー」に軍配。その程度(笑)。
パリ行きの予習映画第2弾。
ハリウッド産だが、予告編にエッフェル塔が豪快に倒れるカットがあったので、もしや歴史に嫉妬するアメリカ人がパリの街をこれ見よがしに壊しているんじゃないか、と思い出して観てみる。
「トランスフォーマー」のヒットに舌なめずりしたパラマウントが“2匹目のどじょう”を狙った映画でもある。往年の玩具をモチーフにし、80年代アメリカでテレビ放映されたアニメ、「地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー」を下敷きにしているそうだ。
ま、何にせよ「悪さする連中(コブラ)と、それを阻止しようとする連中(G.I.ジョー)の攻防戦」であることは間違いない。だから頭を使わずに観ていられる。
「トランスフォーマー/リベンジ」のときに書いたとおり、もやはデジタルに不可能はない。かと言って何をやってもいいワケではない。やりすぎると確実にリアリティを失い、作品のクオリティは低くなる。
本作もどちらかと言えば「やりすぎ」の部類に入るが、登場人物の背景にちょっとしたひねりが2つ加えられていて、この変化のつけ方は個人的に気に入った。
ひとつはイ・ビョンホンが演じた殺し屋、ストーム・シャドウと、G.I.ジョーチームのスネーク・アイズが、幼い頃共に日本の同門で修行をしていたという設定だ(プロダクション・デザインが久々に“間違いだらけのニッポン”で笑える)。
幼き頃の2人は実力で言えばストーム・シャドウが上だったか、2人の師匠はどういうわけかスネーク・アイズに目をかけていた。それに嫉妬したストームは、やがて師匠を殺害して逃亡。それから長い時を経て2人は邂逅を果たす…。
これは僕の勝手な想像だが、この設定はイ・ビョンホンのために相当膨らませたんじゃないかと思う。もしかしたらイ・ビョンホンサイドから出た出演の条件(あるいはリクエスト)だったかも知れない。彼にとっては例えハリウッドデビュー作とは言え、キャラクターとして何の厚みもない、ただの殺し屋だったら引き受けなかっただろう。対するスネーク・アイズが顔を完全に隠したキャラだったのは、持ち上げすぎた韓国人の“太刀持ち”にならないための配慮じゃないかと思ってしまった(笑)。
もうひとつは主人公デューク(チャニング・テイタム)と、敵の女スパイ・バロネス(シエナ・ミラー)は、かつて結婚を約束した2人だったという設定。こういう設定は珍しいわけじゃないが、オープニングまもなく明らかになる2人の関係が、少なからずドラマを牽引したのは間違いないだろう。2人が敵味方に分かれて戦うことになった事情も聞かされてみればまずまず納得で、「意外と締まったな」というのが正直な感想だった。
ところどころ「スター・ウォーズ」をリスペクトしたようなカットがあったのも面白かった。
例えば、ルークがミレニアム・ファルコン号のレーザー砲を使うシーン。デススター内部でオビ=ワン・ケノービがシールドを外すシーン。クワイ=ガン・ジンとダースモールが闘うシーンなどを髣髴とさせるシーンがあるのだ。極めつけはコブラコマンダー。どう観てもダースベイダーである。
調べてみたら監督のスティーヴン・ソマーズは僕より1歳年上の48歳。やはり「スター・ウォーズ」オマージュに違いない。
「トランスフォーマー」と比べたらどうか。
キレイなネエチャンが2人出てた「G.I.ジョー」に軍配。その程度(笑)。
G.I.ジョー スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- メディア: Blu-ray
2010-09-06 00:20
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コメント(4)
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私コレ大好きです。
まあ、映画としてどうか、というのはあるのですが、シエナ・ミラーが良かったです。
後半は確かにSWでしたね。
by きさ (2010-09-06 05:45)
お、やっぱりSWって分かりました? ですよねw
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-09-06 23:26)
SW1さすがにハワイには見に行きませんでしたが、(お金がなかった)1年間上映を待って、映画館で15回くらい観ましたから。
「G.I.ジョー」男子中学生の妄想映画(というジャンルを提唱してます)としてはかなり良いのではないかと思ってます。
最近このジャンルでは「アイアンマン2」という極めつけが出ましたが、それまではかなり上位に来ていました。
by きさ (2010-09-06 23:44)
「アイアンマン2」かあ、きっといつか観ちゃうなあ。
by ken (2010-09-07 13:38)