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ジャッキー・チェンの燃えよ!飛龍神拳/怒りのプロジェクト・カンフー(1978年・香港) [2012年 レビュー]

原題:飛渡捲雲山/MAGNIFICENT BODYGUARDS
監督:ロー・ウェイ 脚本:クー・ルン

 映画の邦題ってのは、日本の映画会社が勝手に付けたり変えたりしていいんですかね。
 ネット上で拾ったいくつかの資料によると本作は「神拳/ヤングボディーガード」ってタイトルだったときもあるし、「ジャッキー・チェンの飛龍神拳」だったときもあるようで、それがデジタル・リマスター版のリリースのタイミングで、表題のタイトルに変更されたようです。
 「燃えよ!」は言うまでもなく「燃えよドラゴン」から。「怒りの」は「ドラゴン怒りの鉄拳」から。「プロジェクト」は「プロジェクトA」からに違いありません。つまりオリジナリティはゼロなんですね。一体どんな狙いでこんなタイトルを付けたのか、張本人から聞いてみたいもんです。

 拳法の達人ディン(ジャッキー・チェン)はある富豪の女主人から、「重病に冒された弟を山賊の出る山を越えた医者に見せるためボディーガードになってくれ」と頼まれる。ディンは親友のション(ジェームズ・ティエン)と、耳は不自由ながら足技の達人チャン(ブルース・リャン)を仲間に加え山越えの旅に出るが、一行は次々と山賊たちの襲撃を受ける…。

 悪名高いロー・ウェイ×クー・ルンのコンビです。
 ただし「成龍拳
」や「ファイナル・ドラゴン」ほどヒドい脚本じゃなかった。「重病患者を山向こうの医者に届ける」という縦軸はしっかりしているし、後半に用意されたどんでん返しも悪くはない。ただロー・ウェイの監督としての力量が本当に低くて、映画としての魅力は限りなくゼロに近いです。武術指導も務めたジャッキーの演武がなかなか見応えがあるので、もっと丁寧なカット割りと撮影をして欲しかったのだけれど本当にヒドい。
 ジャッキー・チェンはこの翌年「クレイジー・モンキー/笑拳」(1979年)で初の監督に挑戦しますが、これはロー・ウェイが反面教師になったんじゃないかと思いますね。僕でも「これならオレがやった方がまだマシ」って思うもん(笑)。ちなみにジャッキーの目の整形手術は終わってます。

 さて本作には衝撃的な事実がひとつ隠れています。
 それはBGMに「スター・ウォーズ」のサントラが流用されていること。初めて流れたときには耳を疑いました。でも何度も何度も使われているので、聴いてるうちに逆に怖くなりました。
 ロー・ウェイおまえ、絶対ルーカスの許可、取ってないだろう!
 劇場公開だけじゃなく、DVDにまでしちゃってますからね。これがバレたら相当なペナルティを受けると思います。いやあ罰金はたぶん「億」まで行くでしょう。最近ジャッキー作品の権利を取りまとめた香港フォーチュンスター社が突然デス・スターの攻撃で消滅しないことを祈るのみです。

ジャッキー・チェンの飛龍神拳 デジタル・リマスター版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • メディア: DVD

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