ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門(1975年・香港) [2012年 レビュー]
原題:少林門/THE HAND OF DEATH
監督:ジョン・Y・ウー
邦題にジャッキー・チェンとはあるけれど主演は別の俳優。
日本人が日本人をダマそうとして付けたとんでもないタイトルです。いいのかそんなことが許されて。
一方、監督はまだデビューから2年しか経っていないジョン・ウー。「男たちの挽歌」を撮ったのが1986年ですから、映画監督として日の目を見る11年も前の作品。確かに力量はまだまだな感じが否めません。鳩は飛んでませんけど、鳥が飛んでるインサートは何度か入ります(笑)。
清朝政府に反旗を揚げていた少林寺に、皇帝に寝返ったかつての門弟シン(ジェームズ・ティエン)が軍隊を率いて表れる。修行中の僧や老師はほどんど惨殺され、生き残ったのはごくわずか。
それから10年後。裏切り者のシンを倒すため、実力No.1のユン(ドリアン・タン)がその任を託される。ユンはシンとの対決に向けて、腕の立つ仲間を集めることにした…。
香港の映画人って「少林寺」好きですよね。
「少林寺」あるいは「少林」というタイトルの付く最も古い作品は何か調べてみたら、1974年に「少林俗家弟子(邦題:嵩山少林寺)」と「黄飛鴻少林拳(邦題:スカイホーク鷹拳)」という2つの作品が作られていました。もちろんどちらも観たことありません。
ところがよくよく調べてみると中国武術のほとんどが少林寺を紀元とする伝説を有していて、1949年に公開された香港映画史上初のカンフー映画「黄飛鴻伝」も、主人公・黄飛鴻は幼少時代に父から南派少林拳の一派である「洪家拳」を叩き込まれたという実在の人物ですから、ある意味「すべての道は少林寺に通ず」で、カンフー映画そのものが、少林寺を祖とした映画と言っていいのでしょう。
ちなみにジャッキー・チェンが「酔拳」で演じた主人公も黄飛鴻(ただしストーリーは完全にフィクション)。彼は清朝末期に実在した武術家で、中国近代史上最大の英雄なのだとか。黄飛鴻を題材にした映画は他にも80本以上あり、同一題材で製作された映画の数としては世界最多。ギネスブックにも登録されているそうです。
閑話休題。
本作にはサモ・ハン・キンポーもユン・ピョウも出ています。つまりのちに一時代を築く3大カンフースターが揃って出ていて、しかも監督はジョン・ウーとなれば、これはまさに「お宝映画」と言っていいでしょう。しかも3人とも死んじゃうってところが今となってはスゴいです。3人が揃って出ていて、3人とも死んじゃう映画って、これしかないんじゃないかな。未確認ですけど。
ジャッキーは槍の使い手として登場します。ジャッキーは槍が得意だったのかも知れませんね。「蛇鶴八拳」のオープニングでも見事な槍さばきを見せてますし。あと本編の主人公を演じたドリアン・タン(どんな名前やねん)は足技が見事。ブルース・リーを彷彿とさせる二段蹴りを見せてくれます。あ、忘れてました。サモ・ハンがどういうわけか入れ歯を付けて出てます。これがスゴく不細工で笑えます。ジャッキーも整形前です。
お宝映画に興味のある方のみオススメ。
ついでにこのパッケージ写真もJAROにチクった方がいいかも(笑)。
ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門 デジタル・リマスター版 [DVD]
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こんばんは〜。
このくらいの年代の香港映画、好きですね〜〜。
なんか手作り感の溢れる作り方されてるのが多いので(笑)(つまり超ペタ展開&ネタ展開)
それより!ジャッキーって、整形してたんですかぁっ!!それに驚きです!!(笑)
by まみりん (2012-01-08 00:00)
僕もベタな香港映画ってキライじゃないんですけど、
ジャッキーの映画かと思うとちょっと許せないんですよねえw
整形してたの知りませんでしたか?
映画で観る限り、1976年頃に目の周りを整形しています。
今の顔の前は、厚ぼったい一重まぶただんたんですよ。
nice!ありがとうございます。
by ken (2012-01-08 10:10)